5月3日、多摩市立陸上競技場にて関東大学リーグ1部第7節、対筑波大学の試合が行われた。前節では2部から昇格してきた青山学院に対し引き分けに終わり勝ち点3を逃したものの、今期初のリーグ首位にたったア式蹴球部。今節の相手は筑波大。以前は日本代表・藤本淳吾(清水エスパルス)などを擁し、優勝を争っていたが、今シーズンは6節の時点でわずか1勝と苦しんでいる。早稲田にとっては首位を守る為にも絶対に落とせない一戦となった。
試合は序盤から好機が連発。まずは筑波。前半4分、金正(4年)が右サイドを突破、ペナルティエリアに侵入してシュートを放つもサイドネット。続く5分には、今度は早稲田が兵藤慎剛(スポ4)のスルーパスを渡邊千真がダイレクトで狙う。ゴール左に僅かに外れたものの、激しい展開になる事を予感させた。そして試合は動く。15分、早稲田はスローインから兵藤がエリア内でボールを保持すると、浮き球で相手をかわし、DFはたまらずファールを犯し、PK。これを兵藤が自ら決め、幸先よく先制点を挙げた。更に22分、コーナーキックからこぼれ球を山本脩斗(スポ4)がシュート、GKが弾いたボールを横山知伸(スポ4)が押し込み追加点。2点を早々に奪い、快勝ムードが漂った。しかし試合はここからヒートアップする事に。直後24分、筑波は右サイドからクロス、クリアボールを室橋(4年)がフリーでシュート。ボールはDFに当たってコースが変わりゴール。不運なゴールで1点を返されてしまった。この得点で流れは筑波へ大きく傾く。両サイドに効果的にパスを供給され、クロスからあわやゴールという場面を創られる。そして33分、カウンターから金正が1対1を突破し左足でシュート。ボールは右隅に転がり同点ゴール。あっという間に同点に追いつかれた。その僅か4分後、またも筑波は10番・三澤(4年)がドリブルで切れ込み、ペナルティエリア内で混戦。それを小澤(1年)が押し込み、遂に逆転を許す。前半はそのまま終了。25℃の炎天下に選手はスタミナを奪われ、更に精神的ショックが追い討ちを掛ける。後半に向け切り替えが必要となった。
後半は攻める早稲田、カウンター狙いの筑波という展開に。チャンスを得るかに思われたが、逆にこの展開によって早稲田は筑波の猛威を更に受ける事に。前方にスペースが生まれる為、スピードを活かしたドリブルが持ち味の三澤にとっては絶好の展開。三澤のドリブルに早稲田ディフェンスは翻弄され幾度となくピンチを迎える。そして59分遂にそれがゴールに繋がる。例のごとくカウンターから三澤がハーフラインからドリブルを開始すると、そのまま3人を交わしてペナルティエリアに侵入。最後はディフェンスをひきづりながら左隅に流し込み4点目。早稲田にとってはあまりにも痛い失点となってしまった。その後も攻め続けながらも、三澤のドリブルに幾度となく脅かされる展開は続き、結局早稲田はゴールは奪えず試合終了のホイッスル。2-4で敗れ、1節で首位の座をあけ渡す事になってしまった。
前節に続く大量失点。5節までで僅か3失点と鉄壁を誇っていたディフェンス陣が崩壊した。一対一の局面で劣勢に立たされ、またシステムの関係からかサイドの裏をつかれるシーンが目立った。しかし一番気にかかったのは1点目を失ってから、極端に受け手に回ってしまった事。前節の失点シーン(カウンターから)が脳裏をよぎったのか全体としてラインを下げてしまい、筑波にボールを保持される時間を多く作られてしまった。また攻撃においても、シュートを狙える場面でも繋ごうとする場面が多く決定機に持ち込めなかった。自信を失ってしまったのか、それとも自信が過信へと繋がったのか。次節の相手は強敵・明治大。まさに正念場を迎える事になる。過密日程の連戦。負のスパイラルから抜け出す為にも、何としても勝利を掴んで欲しい。
関連URL
早大ア式蹴球部公式サイト
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