9月6日、残暑のこる靖国神社境内相撲場にて、第57回東日本学生相撲リーグ戦が開催された。目を負傷した青山・貴(スポ1)の欠場で、一つの星も落とせない苦しい戦いを強いられた早稲田だったが、2部リーグ4位の健闘を見せた。
試合を振り返ると今大会は、安定した相撲内容が目立ったように思える。その一つが、1回戦の専修大戦だった。先鋒の川端が安定した押し相撲で星を掴むと、中堅の近藤(社学2)がそれに続く。相手の左から投げや、突き落としにも動じず、しっかりと頭をつけた突き押しで勝負を制す。続く大将の植田(スポ2)も、得意の突っ張りで相手の不意を突くと、左差しの体制に持ち込んだ。相手は、腕を跳ね上げ応戦するが、植田は落ち着いて対処。逆に相手の甘くなった懐に腕を差込み、上手投げで勝負を決した。不戦敗によって3つの星を落としてしまう苦しい展開にも関わらず、大会2位の専修大に対する4人の相撲は、大変安定していた。
また続く大東文化大戦も、試合自体は落としてしまったが、その内容は充実したものだった。特に光っていたのが2陣で登場した青山・智(スポ3)。立会いから相手の前廻しを手繰ると力強く前に踏み込む。相手も体を開き応戦するが、青山・智は動じなかった。即座に身を捻り正対すると、再度相手の懐に飛び込み、前廻しを掴む。自分の体制に持ち込んだ青山・智は、ぐいぐいと前に出る。圧力を感じたか、相手選手も必死の応戦。引き落としを狙いにくる。相手の引きにバランスを崩す青山・智。その体が宙に浮かぶ。だが、その腕はきちんと廻しを掴んでいた。相手選手は、我慢できずに先に土俵を割る。結果は押し出し。青山・智は、顔から土俵に落ちる“気迫の相撲”でこの一番を制した。
大会終了時の成績は7戦中4勝。不利な情勢で挑んだ早稲田だったが、各選手の粘りも功を奏し、2部リーグ4位にくい込む結果となった。
「4人で戦わなければならない、プレッシャーはあった。」試合後、主将の川端(社学3)は、ぼそっとつぶやいた。各大学7人で戦うリーグ戦。フルメンバー5人の早稲田にとって、1人の選手の欠場は大きな痛手となる。しかし、「負けられないという条件の中で、チームが一つになれた。4位という結果だが、一人ひとりの内容は決して悪くない。」主将として川端は、チームの“好調”をこのように振り返った。
9月は、名古屋・大阪と連戦が続く。「名古屋は地元。お世話になった人たちに成長した姿を見せたい」と意気込みを新たにする青山兄弟の戦いぶりも必見。チームとしては11月のインカレも間近だ。早稲田相撲部は今後どのような成長を見せてくれるのだろうか。楽しみである。
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