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2008/11/24[ア式蹴球部]

絶対に負けられない運命の最終戦  筑波大に完敗を喫するも、リーグ戦を10位で終え1部残留決定

 

一時は同点となる貴重なゴールを決めた野田明弘(スポ2)。来期の更なる成長に期待したい。

 
 

大学最後の試合に臨んだ渡邉千真(スポ4)だったが、厳しいマークにあいゴールはならなかった。

 
早大
2
2-2
4
筑波大
0-2

関東大学サッカーリーグ戦
第22節
早稲田大学×筑波大学
11月22日(土)
西が丘サッカー場



  11月22日、国立西が丘サッカー場にて関東大学リーグ第22節対筑波大学戦が行われた。 リーグ最終戦となるこの試合、早稲田は1部残留、対する筑波大はインカレ出場権がかかる大一番である。特に早稲田は、この試合に勝てば文句なしに残留が決まるが、負ければ11位東京学芸大の結果次第では降格の可能性もあるため、選手、スタンドの応援含めチーム全体が並々ならぬ気持ちでこの一戦に臨んだ。試合は両チーム合わせて22本のシュートが乱れ飛ぶ激しいシーソーゲームに。そして最終節にまでもつれ込んだ熾烈な残留争いの果て、早稲田に待っていたのは意外な結末だった。  

 キックオフ直後、早大はいきなりチャンスを迎える。中川翔平(スポ3)がドリブルで抜け出すと、パスを受けた左サイドの菅田恭介(人3)がチーム一本目のシュート。惜しくも外れるが、先制点を奪おうという積極性を示す。早大は11分にも野田明弘(スポ2)の縦パスに反応した渡邉千真(スポ4)が強烈なミドルを放つが、キーパーの好セーブに遭い得点ならず。攻撃では渡邉を中心とした組み立て、守備でも早めの対応で相手にシュートを打たせない。早大が上々の滑り出しを見せたかに思えたが20分、筑波大の鮮やかなパス交換に翻弄されディフェンスラインがズルズル後退してしまうと、最後は得点ランク2位の木島にゴール右に流し込まれてしまう。大事な先制点が相手に入り、早大に重苦しい雰囲気が流れる。この苦境を打開したのは中川翔。27分、右CKからのこぼれ球を豪快に蹴り込み、値千金の同点ゴール。試合を振り出しに戻し早大が勢いに乗るかに思えたが、直後の29分。早大はエリア内でファールを犯しPKを献上してしまうと、これをきっちりと木島に決められ、またしても1点を追う展開に。いつもは遠い2点目。しかし、この日の早大は違った。31分、ゴール前25m付近でFKを得ると、野田の右足から放たれたボールは、美しい放物線を描きゴール左上に突き刺さった。出場した試合ではずっとプレースキッカーを務めてきた野田の今季初ゴールで再び同点。試合の流れが激しく両チームを行き交う展開となった前半は結局2-2の同点に終わり、勝負の後半を迎えることとなった。

 何としても欲しい勝ち越し点。早大は54分、幸田一亮(スポ2)のミドルシュート、59分には中川翔が左サイドやや遠めからのシュートのこぼれ球を、皆川翔太(スポ2)が詰めるなど、後半開始から貪欲にゴールを狙っていく。サイド攻撃などを駆使しチャンスを創りながらも決めきれないでいると、次第にチーム内で得点王を争う強力2トップを中心とした筑波大攻撃陣が再び早大に牙を剥く。70分、左サイドを崩されると、中央で待つFW西川に今季17点目となるゴールを許し筑波大が勝ち越す。早大は中盤に変化をつけようと中野遼太郎(スポ2)、塗師亮(スポ4)を相次いで投入するが、チーム全体に前半のような逆境をはねのける勢いは見られない。すると84分、木島にこの日ハットトリックとなる決定的な4点目を決められ万事休す。必勝を誓ったリーグ最終節だったが、チャンスを確実に得点に結びつけた筑波大の前に2-4の完敗を喫してしまった。

   試合終了後、他会場で同時刻に行われていた試合で東学大が敗れた旨のアナウンスが流れ、早稲田の1部残留が決定した瞬間も、選手達に笑顔はなく、みな下を向き目の前の試合に負けた悔しさと不甲斐なさに打ちひしがれていた。自分達が勝って残留を決めるはずだった。絶対に勝つと意気込んで臨んだ試合で結果を出せなかった情けなさが、選手達の心を覆っていた。相手のまさかの敗戦で転がり込んできた残留という結末を、素直に受け入れられないのはある意味当然のことなのかもしれない。名門ワセダの看板を背負い、一年間戦ってきた選手達にとって今回の「降格争い」は重圧のかかる厳しい戦いだった。

 早稲田は2008年度リーグ戦を6勝13敗3分の10位で終えた。今井敏明新監督の下、優勝を目指し挑んだ今シーズンだったが、最後の最後まで苦しみ、悔しさばかりが残る一年だった。今年の苦い経験を、引退する4年生はそれぞれが進む新たなステージへの、3年生以下の下級生は来シーズンへの糧にして欲しい。来年に向け選手の顔ぶれを見ても、個々の能力は他チームと比べても申し分ない。冬の間に選手達の能力を最大限生かせるサッカーを再構築する必要がある。早稲田はもっと上を目指さなくてはならないチームのはずだ。悔しさを胸に、いざ来季へ。1部の舞台で再び輝くため、ア式蹴球部の新たな挑戦は、もう始まっている。

関連URL
早大ア式蹴球部公式サイト

(TEXT=岡崎聡、PHOTO=神崎風子)
 


 
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