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ユニバー遠征で不在の中川裕に代わり、キャプテンマークをつけての出場となった松本怜(スポ4)
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ボランチとして出場した幸田一亮(スポ3)。 積極的な攻撃参加も得点には至らず。
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第60回早慶サッカー定期戦
早稲田大学×慶應義塾大学
6月28日(日)
国立競技場
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6月28日、国立競技場にて第60回早慶サッカー定期戦が行われた。リーグ戦前期は早稲田が5位、対する慶應は今季が1部リーグ昇格1年目ながら、開幕から躍進を続け4位。そして5月のリーグ戦での対戦は1-1の引き分けに終わっており、まさに雌雄を決する一戦となった今回の早慶定期戦。両校の意地とプライドをかけた戦いは、雨の中訪れた8971人の観衆を熱狂の渦に巻き込む激しい試合となった。
この日の早稲田のシステムは4-4-2。先日の総理大臣杯予選終了後、メンバーの入れ替えを示唆していた今井敏明監督は、ツートップの一角に松井亮大(スポ2)、CBには畑尾大翔(スポ1)、左SBにはユニバーシアード大会出場のためチームを離れている中川裕平(社4)に代わり佐々木景一(スポ4)を起用。試合は序盤から慶應がペースを握る。足元でしっかりパスを繋いで攻撃を組み立てる慶大に対し、早大はなかなかボールをキープ出来ずに苦戦を強いられる。その結果、中盤が機能不全を起こし、本来の中央からサイドに展開する得意の形にもっていくことが出来ない。それでも23分、松本怜(スポ4)のクロスに松井が頭で合わせチャンスを迎えるも、これはゴールならず。逆に中盤以降は、慶大の素早いパス交換から幾度となくピンチを迎えるが、相手の詰めの甘さにも助けられ辛うじてゼロで凌いでいく。早大も終盤、松井のDFラインの裏を狙う動きから光明を見出すも得点には結びつかず、両チーム相譲らぬ展開となった前半は0-0に終わり、勝負は後半へ。
均衡が破れたのは、後半開始直後の46分。11番・甲斐の左サイドからの折り返しを2番・田中奏がヘディングで押し込み、慶應が先制する。1点ビハインドとなった早大も52分、右サイドを攻め上がった幸田一亮(スポ3)のグランダーのパスを受けた中川翔平(スポ4)が難しい角度からシュートを放つが、惜しくもサイドネット。一気に攻勢に出たい早大は53分、スピードあるドリブルが魅力の奥井諒(スポ2)を投入し、前線の活性化を図る。しかし、大事な次の1点を奪ったのは慶大。57分、右サイドでの息の合ったコンビネーションから、最後は9番・中川靖が抜け出し右足でゴールネットに突き刺す。得点後も決して守りに入らず積極的に仕掛ける相手に対し、防戦一方の早大は、71分にも23番・藤田に中央から突破を許し、痛すぎる3点目を献上。相手の勢いに、完全に飲み込まれてしまう。その後は、大学初陣となる白井豪(スポ1)をピッチに送り込むなどの大胆な交代策やセットプレーで流れを引き寄せようと試みるが、慶大守備陣のタイトなディフェンスの前に反撃の糸口を掴めない。また、得意のカウンターも焦りからか精彩を欠き、不発のまま徒に時間だけが経過していく。結局後半に入っても大きな見せ場を作れず、シュートも数えるほどに終わった早大は、1点も奪えないまま90分間が終了。ライバル慶大に0-3で完敗を喫した。
攻守ともに持ち味を発揮できず、実に7年ぶりに早慶サッカー定期戦で敗れた早稲田。スコアほど両チームの実力差はないだけに、勝負を分けたのはこの一戦に懸ける「気持ち」であった。この試合での慶應の選手達のプレーからは勝利への強い意欲が感じられたが、一方の早稲田は相手に気後れしたのか、本来の「アグレッシブ」なプレーが鳴りを潜めてしまった。90分間攻めの姿勢で自分達のスタイルであるパスサッカーを貫いた慶應が、今回は一枚上手だったと言わざるを得ない。早稲田はこの敗戦を冷静に受け止め、今後の戦いに生かす必要がある。この夏の練習で、攻守ともにチームとしての完成度を高め、そして秋には大きく成長したア式蹴球部の姿が見られることを期待したい。
関連URL
早大ア式蹴球部公式サイト
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