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2009/6/29[競走部]

ワセダが誇る二人の天才スプリンターが世界へ挑戦 
江里口、木村が2009世界選手権(ベルリン)代表に決定!!


 6月29日、日本陸上競技連盟から8月にドイツのベルリンで行われる世界選手権の代表選手が発表された。早稲田からは、先日行われた日本選手権で100m優勝した江里口匡史(スポ3)と、同種目で2位に入賞した木村慎太郎(スポ4)が選出された。


 

優勝で念願の代表入りを決めた江里口匡史(スポ3)。
(写真は5月の関東インカレの様子)

 世界選手権の代表選考を兼ねていた今年の日本選手権で、江里口は見事「標準記録を突破し優勝」という代表決定の条件をクリアし、自らの手で悲願の日本代表の座を掴んだ。「実力で(世界選手権の代表の座を)勝ち取る」と並々ならぬ決意を持って今大会に臨んだ江里口は、まず28日に行われた100m予選でいきなり10秒14(+1.0)の自己記録を叩き出しA標準(10秒21)を軽々と突破すると、翌29日の準決勝でも圧巻のレースを見せる。スタートから勢いよく飛び出すと、中盤以降もリラックスした走りでさらにスピードに乗り余裕のフィニッシュ。記録はなんと日本歴代4位となる10秒07。地面からの反発が大きく記録が出やすいという高速トラック、追い風1.9mといった好条件を最大限に活かし、驚異的なタイムで決勝進出を決める。そして迎えた決勝。優勝候補の塚原直貴(富士通)が欠場の中、江里口はスタートこそ出遅れるが、次第に加速に乗り60m過ぎ辺りでトップに立つと、その後は他を寄せ付けない走りで優勝のゴールへと駆け込んだ。今大会3本目のレースで疲労が蓄積していたこともあり準決勝の記録には及ばなかったものの、10秒14(+1.9)でしっかりまとめ、圧倒的な強さでの日本選手権初優勝となった。

 今大会の江里口の走りで光ったのは「中盤からの加速力」。春先から取り組んでいた、足の回転を「楕円」から「円」に近づけるという新たな動きをマスターしたことが、今大会での躍進の背景にあると考えられる。本人が課題と語っていた「トップスピード」が上がったことが、大幅な記録更新を可能にしたのだろう。今季はこれまで条件に恵まれず、なかなか記録を出せずにいたものの、江里口自身はかねてから「10秒1台を出す自信はある」と話しており、今大会でマークした記録も決して好条件の影響だけで生まれた記録ではない。昨年北京オリンピック代表を逃した悔しさ、故障なく積めた冬季練習、徹底した自己分析から生まれた新たな走り、大舞台で自分のレースをする勝負強さ。これまでの努力で培われたすべての要素が結実し、勝ちとった優勝、世界への切符となった。


 

同じく代表の座を掴んだ木村慎太郎(スポ4)。
 
(写真は5月に行われた関東インカレの様子)

 一方の木村も、予選で自己ベスト(10秒33)を上回る10秒21(+1.4)をマークしA標準を突破すると、準決勝も10秒22(+1.9)と安定した走りで決勝に進出。決勝では得意のスタートダッシュを決め序盤から先頭争いを演じると60m付近で江里口にかわされるも、課題としていた後半でもスピード低下を最小限に食い止め、最後は荒尾(福岡大)との接戦を制し2位でゴール。A標準を突破して日本選手権2位入賞という成績が評価され、文句なしの代表選出となった。シーズン前、今年の目標を「日本代表になって世界と戦うこと」と語っていた木村。大きな志を胸に臨んだ今季は、春先から4月の織田記念で3位、5月の関東インカレでも2種目で入賞するなど好調をキープ。これまで「大事なところで勝てないこと」を自身の課題として挙げていたが、今大会ではしっかりピークを合わせ安定感のある走りで2位に入り、昨年までより大きく成長を遂げた姿を見せつけた。

 日本最高峰の舞台でワンツーフィニッシュを果たし、世界への挑戦権を手にした江里口と木村。二人とも以前から「日本代表」への思いを口にしていただけに、今回の代表選出の喜びもひとしおだろう。また、将来ある彼らにとって、今のうちに世界のレベルを自らの肌で感じられることは大きな財産となる。今年の夏は、胸の文字を「W」から「JAPAN」に付け替え、新たな舞台に挑む二人の早大生スプリンターに注目して頂きたい。

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関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

 


 
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