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男子4×100mRで優勝に貢献した木村慎太郎(スポ4)。卒業後はアシックスに所属し、競技を続ける。
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10月23日〜25日、日産スタジアムにて第93回日本選手権リレーが行われた。リレー競技の日本一チームを決めるこの大会、早稲田は男女ともに出場した両リレーで表彰台に上る快挙を見せた。
昨年は大会新記録で優勝を果たした男子4×100mリレー。かつては大会10連覇を果たすなど、長い歴史と伝統を受け継ぐワセダの4継にとって大きな意味を持つ大会であり、チームの中心である木村慎太郎(スポ4)も「何となく臨んではいけない特別な試合」と表現する。しかし大会前、チームにアクシデントが襲った。大黒柱の江里口匡史(スポ3)が体調不良で欠場を余儀なくされたのだ。エース不在という、まさにチームとしての真価が問われる状況の中迎えた勝負の時。早稲田は小原真悟(スポ3)−木原博(スポ4)−梶将徳(スポ1)−木村慎太郎(スポ4)のオーダーで臨んだ。
大会初日の予選後、チーム内にあった緩んだ雰囲気を引き締めるため、今大会の重要性を話し合い、気持ちを一つにして挑んだという決勝。1走の小原がまずまずのスタートを見せトップに僅差で繋ぐと、2走の木原が今季これまでの不振を断ち切るような伸びのある走りでグイグイ加速し、後続との差を広げる。続く梶も安定した走りでコーナーを駆け抜け、バトンをアンカーへ堅実に繋ぐ。いつもとは違う4走というポジションに「少し緊張した」という木村だったが、バトンを受けると序盤からスピードに乗りリードを広げると、終盤追いすがる順天堂大、立命館大を振り切り、豪快なガッツポーズとともにトップでゴールに駆け込んだ。優勝という結果に、レース後「勝つことは最低限だったのでホッとした」と安堵の表情を見せた木村だったが、目標としていた日本学生記録(38秒57)には及ばない39秒51という記録については「こういう(江里口選手欠場という)状況で記録を出せないのは自分たちの弱さ」と悔しさを滲ませた。それでも、たとえエースがいなくても揺るぎない強さを見せるのが王者ワセダたる所以(ゆえん)。『ワセダは学生のトップとして絶対に勝たなくてはいけない。』入学以来四年間、早稲田の4継を支え続けた木村のこの言葉が体現されたレースだった。
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