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2009/11/29[スケート部ホッケー部門]

宿敵を破り、2年ぶりの優勝!! 
関東大学アイスホッケープレーオフ決勝



 

今大会、大活躍しMVPを受賞した久慈

 11月29日。ついにこの日がやってきた。因縁のライバル東洋大学との決着の一戦。東伏見のダイドードリンコアイスアリーナで関東大学アイスホッケーリーグ戦プレーオフ決勝第2戦が行われた。前日の第1戦ではキャプテン久慈修平(スポ4)が3得点を挙げるなどし、8‐5と快勝し第2戦に3点のアドバンテージを得た。つまりこの試合で早稲田は勝利、引き分けはもちろんのこと、2点差以内の敗北でも優勝を勝ち取ることができる。アリーナは超満員。いざ出陣のときである。

 第1ピリオド、2分中盤で連続していきなり2人のペナルティーを出してしまった早稲田は3人という非常に不利な試合をせざるを得なくなってしまう。昨年の覇者、東洋大学はこの隙を見逃すことはなかった。第1ピリオド4分24秒、薄いディフェンスを切り裂くように東洋大学が先制点を挙げる。その後も早稲田はまったくと言ってよいほどに攻めることができず、早稲田ゴール前でのプレーが多く見られる。しかし、一瞬の隙をついた早稲田は一気に東洋ゴールへと攻め込み青木隆(法4)のゴールで試合を五分に戻す。その後はやはり東洋の巧みなパックさばきの前にうまく攻め入ることができない。しかしなんとか守り抜いた早稲田は1‐1で第1ピリオドを終えることができた。


 

互いににらみ合うプレイヤーたち

 第2ピリオドはまさに波乱の幕開けであった。早稲田ゴール前での混乱から開始1分56秒で同時に2人の2分間の退場者を出してしまう。第1ピリオドに続きまたもや3人でのプレーを強いられてしまった早稲田は、東洋の猛攻の前に体を張ってのディフェンスを見せる。なんとか2分間を無失点で乗り気切った早稲田はその後、幾度となく惜しいシーンを作り出す。しかし、パスミスや連携がうまくいかなかったり、前日3得点の久慈が徹底的にマークされていたりと、うまく得点に結びつけることができない。そうこうしているうちに一気に攻め込んできた東洋大に追加点を入れられてしまう。その後お互いに1人ずつの2分間の退場者を出した両校であったが第2ピリオド14分43秒、今回ベストFWに選出された坂上太希(社4)に更なる追加点を決められてしまう。これで1‐3と2点差。優勝できるギリギリのラインである。しかしこの得点に触発されたのであろうか、第2ピリオド終了3秒前の19分57秒山下拓郎(社学4)が1点を返す。ギリギリのところで差を1点差にし、第2ピリオドを終える。

 ついに運命の第3ピリオド。試合はいきなり動く。第3ピリオド開始50秒、またもや東洋大、坂上にゴールを決められ、2点差とされてしまい非常に厳しいスタートを切る。1点をめぐる攻防が続いてゆくが、やはり早稲田のパスミスなどに東洋はすばやく反応し、幾度となくゴールを脅かすが早稲田ゴーリーの小野航平(社学3)のファインセーブに助けられる。一進一退の攻防が続くがいよいよ第3ピリオドも残り1分を切り、東洋がタイムアウトを取る。東洋はゴーリーも攻撃に参加し文字どおり総力戦が早稲田ゴール前で展開される。すると、中居隼都(教3)がおもむろに東洋ゴールに向かってパックを放つ。すると、そのパックはゴーリーのいない東洋ゴールに吸い込まれた。第3ピリオド19分29秒、残り30秒というところでの大きな追加点となった。そして残り10秒となったところで、観客のカウントダウンが始まる。・・・・2,1,0その瞬間、紙吹雪がリンク上に舞い、早稲田大学の2年ぶりの優勝が決定した。


 

歓喜の瞬間!喜びを分かち合う選手たち

 今回の試合、勝利はしたものの悪い意味で目立ってしまったところはやはり「ペナルティー」の多さであろう。2戦通じて東洋大はたった3人の退場者であったのに対し、早稲田は12人もの退場者を出している。たった2分とは言えども、この隙をつかれて得点されてしまった事実は否定できない。レギュラーシリーズ、プレーオフ通じてペナルティーの多さは目立ったのではあるが、今回のプレーオフ第2戦においてはその多さと、それに伴うチームのもろさというものを呈してしまったのではなかろうか。しかし、勝利につなげることができたのは、やはりしっかりとした守備力があったからであろう。レギュラーシーズンには、その守備力の不備から格下相手に苦戦を強いられたが、プレーオフに入ると、その守備力というものが逆に早稲田の強みとして現れたといえよう。シュート数ではプレーオフ第2戦、早稲田が32なのに対し、何と東洋は52ものシュートを放っている。しかし、4点のみの失点に抑えられたことにもこの守備力の高さがうかがえる。それに加え第1戦3点もの点数を入れMVPを受賞した久慈、ベストFW受賞の中居、山下をはじめとする攻撃力というものも忘れてはならないであろう。

 ここ数年苦しめられた「東洋の壁」というものに早稲田はようやくよじ登ることができたのではないかと思う。試合終了後に久慈が監督らに握手をしにいった光景は、苦しかったであろう今シーズンをキャプテンとして戦いぬいた男とそれを見守り続けた男とのなにか非常にあついものを感じることができた。勝利後に校歌を歌う選手たちの顔は、冬晴れの青空のように澄んでおり、真夏の太陽のようにまぶしいものであった。

 試合終了後の表彰式にて優秀選手の表彰があった。表彰を受けた選手は以下のとおり。
MVP 久慈修平(スポ4)
ベストGP 小野航平(社学3)
ベストDF 中居隼都(教3)
     蛯名正弘(東洋大学)
ベストFW 金子亮介(社学4)
     山下拓郎(社学3)
     坂上太希(東洋大学)

関連URL
早稲田大学スケート部ホッケー部門ホームページ
東京都アイスホッケー連盟HP

(TEXT=鈴木雄介、PHOTO=岡崎聡)
 


 
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