しかし終盤、慶應にドラマが待っていた。
7回裏、4番伊藤隼太が四球、5番伊場竜太が左前打により出塁すると相手の失策という思わぬ形で1点を返すことに成功する。
法政を三者凡退に抑えた8回裏、代打内藤賢志郎が左中間にぬける2塁打を放つと、1番影山史貴はゴロのあたりがセーフになり無死1、3塁の好機。流れは慶應に傾いたかと思われたが、続く2番金田将賢のバントでバックホームを阻止されてしまう。尚も続く好機で迎えるは頼れる4番伊藤隼太。明治のエース野村祐輔と慶應の主将伊藤という屈指の対決は、フルカウントの末伊藤が三振に倒れ、軍配は野村に。この試合一番の見所であったと言ってもいいだろう。バットで地面を叩いた伊藤からは悔しさがあふれていた。
主将の悔しさを見ていたのであろうか、9回裏、2死と追い込まれてから7番福富裕、8番渡邊暁眞の安打により同点。慶應ナインは決して諦めてはいなかった。
延長10回はお互いに3者凡退となり、2−2の同点で試合終了。
今日の試合の流れはほとんど明治にあったと言っていいだろう。しかし最後の最後で慶應の粘りを振り切ることが出来ず、連勝することが出来なかった。
8回裏の好機で3振にたおれた後の守備にむかう慶應4番伊藤の姿からはまだ悔しさがにじみ出ていた。この主将の姿勢が今季の慶應の強さの一因であると確信した。
手に汗握る試合を見せてくれた明治と慶應。お互い好調であるが故に、明日も好試合が期待される。
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