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2011/9/9〜9/11[競走部]

チームワセダが掴み取った53年ぶりの男子総合優勝!
第80回日本インカレレポート 


 

男子総合優勝を決めた4×400mリレー
写真左は三走濱野、右はアンカー浦野

 2011年9月9日〜11日、熊本県民総合運動公園陸上競技場にて第80回日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)が行われた。学生日本一を決めるこの大会、早稲田は53年ぶりの男子総合優勝(69点)という快挙を成し遂げ、今季のチーム目標であるインカレ・駅伝の五冠にまた一歩近づいた。

 短距離では、男子400mに浦野晃弘(スポ3)が出場。序盤から快調な走りで首位を維持したが、第3コーナーを過ぎた直線で愛知教育大・中野、日本体育大・長島にかわされ3位という結果に終わった。試合直後は悔しそうな表情を見せていた浦野だが、3位入賞でチームに大きく貢献した。 また男子4×400mリレーは、予選に続き決勝でも早稲田記録を更新する見事なレースで2位の座を獲得した。決勝では、一走の牧野武(スポ3)、二走の原嶋智大(理工4)が粘りの走りでトップから僅差の4位に位置づけると、三走濱野純平(スポ4)がラストの追い上げにより順位を上げアンカー浦野晃弘(スポ3)にバトンパス。浦野は序盤から積極的な走りでトップ中央大を捉えかけるも、最後まで抜かすことができず惜しくも2位でフィニッシュした。


 

出場した3種目全てで表彰台にあがった蔭山

 一方女子の短距離勢も活躍が光った。 女子100mHには紫村仁美(スポ3)が登場。予選では13秒41というタイムを叩き出し、早稲田記録を更新する好走を見せた。決勝では「前半でスピードに乗れず、後半の伸びもなかった」と本人も語るように本来の力を発揮できなかったものの3位でフィニッシュ。見事銅メダルに輝いた。 圧巻は蔭山愛(教3)の活躍。予選から好調の走りを見せていた蔭山は100m3位、200m優勝、400m3位で3種目表彰台という素晴らしい結果を残した。「タイムには不満が残るものの本命の200mで勝てたことが嬉しかった。」と試合後に語った蔭山。優勝した200mも然ることながら、400mでは自己新記録を更新する走りで表彰台の座を獲得。「3種目入賞は嬉しいけれど、今回の結果は自分だけで成し遂げたものではなく皆で頑張ってきた結果だと思っている。」と言う蔭山を含めた競走部女子の今後の活躍に益々注目したい。


 

早稲田勢の一騎打ちになった男子1500m
写真左が大迫、右が岡崎

 男子1500mでは、中距離のエース岡崎達郎(人科4)と今季ユニバーシアード10000mで優勝を果たした大迫傑(スポ2)が登場。岡崎と大迫は序盤から先頭付近に位置づけレースを進めた後、ラスト一周では後方を離し一騎打ちの優勝争いを展開。その劇的な争いを大迫が制し、早稲田のワンツーフィニッシュで高得点を獲得した。岡崎は閉会式後、「チームとして優勝できたこと、今シーズンずっと目標としてきた五冠に近づけたことが本当に嬉しい。個人の結果としてはこのままでは終われないので、今後出場予定の早慶戦や国体で良い記録を出したい。」と語った。

 男子5000mには1500m優勝の大迫と復帰戦となった佐々木寛文(スポ3)が出場。しばらくは大集団が形成されていたが、中盤に先頭集団が大迫を含む4人へと変わり、佐々木は数m後ろに遅れをとる形となった。ラスト一周を知らせる鐘が鳴ると、先頭集団を引っ張っていた創学大・オンサリゴのペースアップに大迫らも対応したものの、残り200mで駒大・村山がラストスパートで他を引き離す力走を見せ、そのまま1位でフィニッシュ。大迫は苦しい表情を見せながらも最後まで粘りの走りをして3位に、佐々木は9位でゴールをした。

 男子10000mでは、今シーズンの不調を払拭したい平賀翔太(基理3)と10000mで28分38秒15という好記録を持つルーキー山本修平(スポ1)の2人が登場。レースは序盤から外国人選手が引っ張る形となった。平賀は3000m過ぎに遅れをとったものの、落ち着いた足取りで着実にペースを刻み、4位集団の中で順位をキープしたまま、日大・田村に続いて5位でレースを終えた。山本は一時外国人選手にも食らいついていく積極的な走りを見せたが、4400m付近で遅れ始めると6000m付近では平賀らのいる集団に吸収される。前半に果敢な走りをしただけに後半はその苦しさからか時折口を開けたり顎が上がったりする場面も見られたが、ラスト一周で力を振り絞り、平賀に次ぐ6位でフィニッシュ、見事に入賞を果たした。

 今大会ではフィールド勢も健闘を見せた。 男子やり投げに登場したディーン元気(スポ2)は記録と順位に挑戦した。先日中国で行われたユニバーシアードで失敗した分を挽回しようと臨んだが、悪天候の影響で通常試合前の一週間は行わない投擲練習を今回は3日前まで行った疲労もあり、優勝はしたものの記録更新は叶わなかった。優勝した75.71mの記録はディーンがかねてから得意な最終6投目に出したものであるが、それ以前の投擲は「身体に元気がなかった」と言う。今シーズンは試合数を多くこなしたことから身体が疲れ、筋力も落ちてきているために日本選手権で出した自己ベスト79.20mを上回る記録はここ最近の試合で見られないものの、冬季練習で身体を作り直し、デイーンがやり投げにおいて最も大切と考える「身体のバネ」を取り戻すことによって自己ベストの更新、そして80mライン越えを虎視眈々と狙う。

 男子棒高跳びの笹瀬弘樹(スポ4)は5.40mを2回目でクリアし、日本インカレ3連覇を成し遂げた。5.20m、続く5.30mと共に1回目の試技では身体がバーに届かずに失敗したものの、2回目では余裕を持たせてクリア。5.40mでは中京大・山本との一騎打ちとなった。早大競走部員の応援に応えるように助走をはじめ、軽やかにポールをしならせ宙を舞い、バーが落ちていないことを確認するとガッツポーズと満面の笑みを見せた。自己タイ記録となる5.50mは惜しくも失敗に終わったが、昨年の怪我以来苦しい時期を乗り越えて勝ち取った今回の結果は彼にとっても満足のいくものだったのではないだろうか。早大での競技生活も残り半年となったが、笹瀬の更なる跳躍に今後も期待がかかる。


 

男子棒高跳びで3連覇を果たした笹瀬  

その他の結果では、男子400mに出場し予選で自己新記録を出した牧野武(スポ3)が7位、棒高跳優勝の笹瀬がアンカーとして出走した男子4×100mリレーが8位、男子1500mで銀メダルの岡崎が男子800mで8位、男子110mHに出場した秋山大輔(スポ3)が6位、男子やり投で68m38を記録した神崎真悟(人科4)が7位、男子棒高跳では土井翔太(スポ3)が6位と多くの選手が早稲田の総合優勝に貢献した。

今回の日本インカレで53年ぶりに掴み取った「勝利」は、まさに早稲田大学競走部というチームが一つになったことを象徴するものだったと言えるだろう。主力を欠いた競技があったものの、短距離・中長距離・フィールドと様々な種目で堅実に一点一点を積み上げた。男子総合2位の日本大学とは同得点(69点)という大接戦であり(早稲田の優勝種目数が3で日大の1を上回ったことから順位が決定された。)、選手が積み上げたどの得点が欠けても優勝は成し得なかった。五冠中二冠を勝ち得、残りの三冠は長距離ブロックによる三大駅伝となるが、長距離だけでなく「早稲田大学競走部」というチーム全体で必ずや勝利を掴んでくれることだろう。

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

(TEXT=染谷知里、矢野真由実、PHOTO=鈴木崇広、矢野真由実)
 


 
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