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2012/04/29 [競走部]

ディーンと紫村が五輪標準突破!自己記録更新相次ぐ
第46回織田幹雄記念国際陸上競技大会レポート 


 4月29日、広島県・広域公園陸上競技場にて第46回織田幹雄記念国際陸上競技大会が行われた。日本グランプリシリーズ第3戦となるこの大会は、今夏開催されるロンドン五輪の代表選考を兼ねている。早稲田からは短距離、障害、投擲の各ブロックにて計4名が出場し、日本を代表するトップ選手たちと鎬を削った。


 

紫村が決勝で出した13.15秒は学生新記録である。
今回の記録は更なる高みを目指す自信にもつながったそうだ。

 100mには九鬼巧(スポ2)と北村拓也(スポ1)が出場。五輪B標準を既に越えている選手も多い中、九鬼が堅実に予選組内2着に入り決勝進出を決める。スタートにも素早く反応し、自身が高2で出した自己ベストを0.09秒縮める好走を見せた。
決勝では大学入学前から九鬼と共に注目されていた慶大・山縣と隣同士のレーン。しかし、九鬼はスタートでわずかに遅れると、その後も先行選手に追いつくことができず、5位でのフィニッシュとなった。 4月に入ってからは六大学陸上やアメリカでの招待大会と、多忙なスケジュールをこなしてきた九鬼。その中において今回の記録は本人にとって大きな自信になったはずである。目標であった日本選手権A標準(10.45秒)を突破し、今後も様々な大会で九鬼の活躍がますます目立ちそうである。

 100mHに出場した紫村仁美(スポ4)は、予選、決勝と自己記録を相次いで更新。決勝では、ロンドン五輪B標準(13.15秒)を切る快挙を見せた。決勝でのタイム(13.15秒)については本人も「記録は出るかなとは思っていたけれど、まさか15が出るとは思わなかった…」と想定外だった様子。
この大会には3回目の出場となったが、過去2年は惜しくも決勝への進出が叶わなかったため、今回が初の決勝レースとなった紫村。「緊張はしていたんですけど、自分のレースをするだけだと思ってあまり考えずに臨んだ」と言う。決勝では木村文子(エディオン)が13.04秒の好タイムを出して優勝。木村、海外選手に続く3位入賞となった紫村は「日本選手権で木村さんに勝って、オリンピック決めたいなって思います。」と意気込み十分に次を見据えた。直近の目標は「関東インカレで大会新で優勝すること」。大学生活集大成となる今年、勢いに乗る紫村に注目だ。


 

今大会で存在感をますます強固なものにさせたディーン。
5月6日に開催される、セイコーゴールデングランプリ川崎にも出場予定である。

 フィールドではやり投でディーン元気(スポ3)が遂に魅せた。村上幸史(スズキ浜松AC)をはじめ、80mオーバーの記録を持つ選手も出場するこの大会で「A標準を取る」とかねてから宣言していたディーン。そして開始早々の1投目で早くもその言葉が真実となった。力がすっと入っていくようなスムーズな投擲。そのままやりは80mラインより更に先へと飛んで行った。記録は84.28m。A標準記録(82.00m)を2m以上も超えたビックスローで、日本歴代2位の座も手に入れた。
電光板に表示された記録を確認した瞬間に喜びを爆発させ、両手を高々と上げてガッツポーズを見せたディーン。今日の投擲に点数をつけるとしたら?と問うと、「100点。もう綺麗に飛んでいったんで言うことなしです!」と本人も満足げ。「まだまだやれる」と口にすることの多いディーンだが、今回の投擲はまさにそれを表したかのような結果になったのではないか。最終的には海外選手に次ぐ2位で試技を終えた。ロンドン五輪が現実味を増した今、今後の目標は「試合でA標準に近い記録を何回も再現すること」。 『早稲田から世界へ』―今年度の競走部のスローガンを実現する先駆者にディーンが名乗りをあげた。

 あらゆる種目で記録ラッシュが続いた今大会。その中でも100m決勝では最速王・江里口匡史(大阪ガス)を抑えて慶大の山縣が優勝、やり投では村上の自己記録をディーンが上回るなど、学生のパワーが特に炸裂した大会でもあった。
来月には関東インカレが控えている。早稲田は2年連続の総合優勝を手にすべく、チーム一丸となり日々練習に励んでいる。5月は国立競技場に新たな歴史の誕生を見に行こう。

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

(TEXT、PHOTO=矢野真由実)
 


 
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