8月1日、テスト期間のためのオフを終え、部員たちが東伏見のグラウンドに帰ってきた。佐藤は短いオフを実家で過ごした。海に行ったり、地元中学校のプールで泳いだりと、心身ともにリフレッシュできたと言う。だが、くつろぎながらも、トレーニングは怠らなかった。最初の3日間は休養したものの、体力維持のために走り込んでいた。とはいえ、休み明けにハードな練習はこたえるようだ。
「コンディションは悪くないけど、この暑さはきついですね」
9月中旬にリーグ戦後半戦の開幕を控え、8月下旬からは合宿に入る。そこでは戦術的な練習に時間を割くため、基礎的なトレーニング、体力面の強化はそれまでの東伏見での練習で集中して行う。
「気持ち的にも体力的にも強くなるために、追いこんで、厳しいトレーニングをします」
最後滑ってでもボールを奪う
「だんだん良くなってきてると思います。部員全員に、当たり前のことなんですけど、基礎的な、一対一で負けない気持ちとか最後滑ってでもボールを奪うとか、そういうところがだんだん表れてきてるんで、まーそれは当たり前の事ですけど。これからのチームで、遅いですけど、絶対必要な部分なんで、そういうのが見えてきて良かったです」
明日は来るんだなぁー、と思って
新チーム結成から約8ヶ月、最初はチームの運営・指導にも戸惑いがあったが、今では順調に進められている。
「最初は下手に時間かかりましたね。僕はミーティングとかあんまり、頭使うの苦手なんで(笑)、苦手でした。けど他のみんなもすごく協力的で頭いい人も多いんで、助けられてるって感じですかね」
主将としての苦労、葛藤も当然大きいが、それにも徐々に慣れてきた。それをどのように乗り越えてきたのか。
「リーグ戦の時はきつかったです。試合に勝てない時とか。けどもう開き直ってました。絶対、つらい時も、そりゃ絶対あるわけで、明日は来るんだなぁー、と思って、開き直ってました。(同級生と)愚痴ったこともありました」
それでもうサッカー人生終わりますから
リーグ戦が終了するのは10月末、入替戦に出場となっても11月にはシーズンが終わる。
「(今季が始まる前と今では)気持ちは違いますね。あと3ヶ月、短くて3ヶ月長くても後4ヶ月しかないですからね。それでもうサッカー人生終わりますから。淋しいですね」
感慨深げに佐藤は語った。西の空には沈み行く大きな夕陽。グラウンドは夕暮れ色に染まっていた。
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