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早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2002/11/3更新  第18回

ラグビー早明戦狂想曲

指導02

指導02

 さて、10月26日土曜日はラグビー早明戦の指定券のチケット発売日だった。早明戦といえば、一昔前は徹夜で1週間も列を並んでチケットを争ったと聞いた。昔に比べるとチケット入手が容易になったとは言え、さすが早明戦、されど早明戦。チケット入手には困難が付きまとう。

 一昨年の早明戦までは、席は全席指定でチケットはハガキの抽選のみだった。皆がチケットを入手するために手を筋肉痛にしながらハガキを書いたものだ。その後、一昨年からはR指定席の創設、昨年度よりC席が自由席に、今年からはB席も自由席になった。

 さて26日の話。プレイガイドが開くのが10時とのことで、8時に新宿のサブナードのプレイガイドで並ぶことにした。今年からさらにチケット入手方法が変化したため、予測がつきにくい。まぁ2時間前に並べば大丈夫だろうという予測だった。我々ウィルウィンが狙うのはバックA指定席。RやS指定席も魅力ではあったが、値段の面も考慮してバックA指定席を狙うことにしたのだ。

 しかし・・・。8時ちょっと過ぎに仲間と合流してチケット売り場に向かうと、何故か既にチケット売り場が開いている。おいおい、ちょっと違うぞと思い整理券を受け取るとなんと番号は260番台。うーむ、こんな早くからそんなに人が来ているとは誤算だった。予定のバックA指定席は無事に買えたため問題はなかったが、R指定席は言わずもがな、S指定席すらもう売り切れているという事態だった。恐るべし早明戦人気、それを認識した一日だった。

 今年はラグビー蹴球部の評判が非常に高い。近年は明治、慶應、関東学院などに押され、不振が続いていた。しかし、昨年度起死回生の策としてその前の年にサントリーで現役を退いた清宮克幸氏を監督に招いた。清宮監督は早稲田が最後に対抗戦を優勝した1990年のキャプテンでもあった。

 すると、早稲田のラグビー蹴球部はものすごい勢いで力をつけてきた。左京キャプテンのもと、大田尾(FB→SO)、山下(WTB→CTB)、羽生(SH→FL)など適材適所に選手をコンバート、FWまでもが積極的にライン参加する圧倒的攻撃力で、11年ぶりの対抗戦制覇を成し遂げた(全勝優勝は14年ぶり)。残念ながら続く大学選手権の決勝では21-16と王者関東学院大学に惜敗してしまったが、その戦い振りは翌年に期待を抱かせるものだった。

 そして迎えた今季。順調にチーム作りは進んでいる。春の練習試合では35-34でその関東学院大学を撃破。その後、さよならイベントで東伏見に別れを告げた後向かえた夏恒例の菅平合宿。8月終わりの菅平の地で行われた関東学院戦も再び26-14で勝利。9月15日に行われた強敵のオックスフォード大戦を引き分けという結果で終えると対抗戦は危なげなく勝ち進んでいる。まさに国内では敵なしといった感がある。

 一方の明治大学。ラグビーといえば明治という称号は今や剥がれつつある。こちらも近年は慶應や関東学院などに押され、「重」戦車を「柔」戦車と揶揄されることもあった。しかし、傍目で早稲田の復活を目の当たりにした明治が本腰を入れて名門復活への道を歩み始めた。監督として社会人トヨタ自動車で監督を務めた境監督を招き、さらに普段の練習にOBらが訪れて指導するなどの気合の入れようだ。

  その明治大学は春から夏にかけてじっくりチームを作り上げてきた。春の練習試合では同志社・早稲田・関東学院などに完敗したものの、焦らずチーム力の底上げをしてきた結果が今になって出てきたようだ。9月14日に行われた関東学院大学との交流試合では見事に32-26で関東学院大学を破るという快挙を成し遂げた。この試合以降明治の評価が変わった。「今年の明治は強い」と。もともとSO菅藤、CTB陣川、FB赤石などバックス面で評価の高い選手は揃っている。あとはFWの重戦車が復活するか、にかかる。

 11月3日の慶明戦は残念ながら21-34で敗れてしまったが、明治は早明戦には必ず標準を併せて実力以上のものを出してくる。昨年度の早明戦での明治の底力に感服した早稲田ファンも多数いるだろう。現段階での評価はまだ早稲田が高いが、前評判は当てにならない。

 果たして今年の早明戦を勝つのはどちらか。12月1日は要注目である。もちろん、私は早稲田の勝利を願っている。

 

(TEXT・PHOTO=山田浩平)
 


 
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