11月2日土曜日、早稲田大学野球部は早慶戦で見事に慶応を4-2で退け、秋季リーグの優勝を決めるとともに、52年ぶりの春秋連覇連覇を成し遂げました(これに関しては野球部特集をどうぞ)。4年生の私にとって、1年の春に優勝、4年生では連覇という見事な結果で終えてくれた野球部に是非感謝したいと思います。
さて、本題は早慶戦ではなくコマ劇の話。コマ劇とは新宿駅のそば歌舞伎町にある「新宿コマ劇場」のことです。早慶戦と言えばコマ劇。これは常識ですよね?野球の早慶戦の後、早大生は新宿付近で飲んでからコマ劇の前に移動するのです。何をするのでしょうか?コマ劇前の広場にあるボールのオブジェに登るのです。何で登るのでしょうか?それは「そこにボールがあるから」。誰かが言った言葉に似てますが気にしない気にしない。ともかく何故か早大生はそのボールに登るのです。理由なんて存在しません。
・・・威勢のいいことを書きましたが、ボールの登ることは良くないことです。犯罪まではいかないとは思いますが、公共の物を破壊するような行為は当然してはいけません。ただし、阪神が優勝した時に道頓堀に飛び込む若者のように、早大生もコマ劇のそのオブジェに登ると言う行為は許容されていいと思います。そこには「アツさ」があるからです。何か分からないけどその騒ぐ中に「アツさ」があり、それは誇っていいものだと思うのです。早大アイデンティティの確認がその行為の中にある。理由はなくオブジェに登る学生たち、私はそういう早大生が大好きです。
しかし、最近になって大学側・警察の取り締まりも厳しくなっているように思えます。取り締まろうと言うのも分かりますが、いち早大生としてはその「アツさ」を認めて大目に見てほしいと思います。少なくともコマ劇前は早稲田の「アツさ」の証拠でもあります。取り締まりは活気を削ぐだけ。学生もそんなに馬鹿じゃない。学生を信頼して欲しいと言うのが学生の願いではないでしょうか。そして、最近取り締まりが強化されたのが理由とは言わないにしても、早稲田全体の活気も薄れてきているように感じられるのは私だけでしょうか。。
春の野球の早慶戦、早稲田は6季ぶりに優勝しました。しかし、盛り上がりは過去の早慶戦に比べるとそんなに大きなものではありませんでした。理由は明白で、サッカーW杯の厳重警備(歌舞伎町は最厳重警備地域)で多数の警察の人が見張っていたからです。コマ劇の前で、全然顔も知らない人と一緒に校歌や応援歌を歌う。自分が早大生だったと楽しく実感できる瞬間を奪われた感じでした。最初は盛り上がっていましたが、警察が出てきてしまい、盛り上がりはすぐに終わりました。「これぞ早稲田のアツさ!!」というものが見られず落胆しました。
そしてこの秋の野球早慶戦。またもや早稲田は優勝しました。しかし、今回はコマ劇前に殺到する学生の姿はありませんでした。警察は居ません。多数の職員の姿があっただけです。秋の早慶戦は春に比べて盛り上がりに欠けるとはいえ、優勝したのにも関わらずこの光景は憂鬱になるものがありました。私が1年生のころはそこに人が殺到して争ったものです。私が2年生の頃は後輩に向けて「登って来い」とハッパをかけたものでした。しかし・・・。
言わば名物ともいえる光景の喪失。私はそれを観て憂鬱になりました。筋違いと言われるかもしれません。しかし、早稲田の「アツさ」の体現が早慶戦後のコマ劇にはあった。その光景をまた観ることが出来るのはいつか。新宿コマ劇前という早稲田の名物の復活を切に求みたい。優勝したのに何もないような今日のような光景は見たくない。いち早大生としてそう思います。
今週末には早明戦がある。早明戦はコマ劇前で明治と早稲田がぶつかるという日である。対抗戦2連覇を達成し、ここで今一度「アツさ!!」のある風景の復活を望む。学生が盛り上がらなくては・・・。アツき早稲田の復活を、コマ劇前から提唱したい。もちろん、私は当日は夜のコマ劇前に向かおうと思う。(終)
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