WasedaWillWin.com
[スポーツの教壇から2002]  2002/12/13更新

第2回講義「公共スポーツ施設を焦点としたスポーツビジネス」レポート
講師 間野義之(三菱総合研究所_早大人間科学部助教授)

 間野氏は、公共スポーツ施設を焦点としたスポーツビジネスの可能性について、PFI方式(Private Finance Initiative)を用いることで、今後は新たなビジネスチャンスになり得ることを示した。

 
 

 
 

 現在の公共スポーツ施設は、利用時間が硬直的であることをはじめ、「安かろう、悪かろう」の場合が少なくなく非効率的である。一方、民間フィットネス事業も行き詰まりを見せており、公共スポーツ施設を民間事業者が運営することで、成人の半数近くを占めるモスポーツを行ないたいとは思っているができない人モの層を新たに取り込むチャンスがある。公共施設=非営利と思い込まずに、ここにビジネスチャンスを見い出すことは極めて有効である。 

 公共スポーツ施設は現在、その90%が行政運営であり、今までは、設計や運営費においてしかビジネスチャンスがなかった。しかし、用地取得リスクがなく、好立地、初期投資リスク、投資回収リスクが小さいなど、公共スポーツ施設をビジネスに利用することは、好条件が整っている。条例の制約、現在の雇用をどうするかといった課題もあるが、全国に65000ケ所ある公共スポーツ施設におけるビジネスには将来性がある。

 実際に、どのようなビジネスにしていくか、という段階において、氏はPFI方式の導入を示唆した。施設設計から民間事業者が行なう、モPFI方式モを導入することにより、設計・建設・運営・金融という4分野においてビジネスチャンスのある、総合的なビジネスになりうる。上記4つの分野における企業の出資金をもとに、特定目的会社(SPC)を設立し、利用者のニーズに即応できる施設にすれば、ビジネスとして十分に成立しうる、と指摘した。


間野 義之(まの・よしゆき)
1963年横浜市生まれ。1991年東京大学大学院修士課程教育学研究科修了。
現在、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科助教授。早稲田大学スポーツビジネス研究所研究員。
主要著書:「スポーツの経済学」共著、杏林書院、1999年
     「スポーツの統計学」、共著、朝倉書店、2000年
学会活動:日本スポーツ産業学会、日本体育学会、日本スポーツ人類学会、日本NPO学会。
社会活動:NPO法人クラブネッツ理事、NPO法人ジュース理事。

 

 

(TEXT・PHOTO=鈴木英介)


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる