WasedaWillWin.com
 


早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2003/1/13更新  第21回

箱根駅伝観戦記

 
 
 

 

〜スタート・大手町からゴール・芦ノ湖まで〜

 正月の風物詩として名高い箱根駅伝。そのドラマは見るものに感動を与え、テレビ中継は毎年高視聴率を記録している。私は今までもっぱらテレビ観戦であったが、生の箱根駅伝の醍醐味を感じるため、今年は沿道で観戦することにした。(箱根駅伝の特集はこちらから

 6:30、スタート一時間半前にもかかわらず大手町駅を出ると各大学の部員、報道関係者、ファン等すでに多くの人が集まっている。我々はスタート地点わきに場所を取ることができたが時間を追うごとに人の数はどんどん増えていき、その数に圧倒される。スタート時刻が近づき選手たちがスタート地点に現れると次第に観衆の興奮が高まっていき、「ほーぉせーい!」「わせだー!」などと応援する声がこだまし始める。そして8:00、第79回箱根駅伝のスタート。号砲が鳴るやいなや選手たちが一瞬目の前を通過したかと思うとあっという間に交差点を曲がりその姿は見えなくなった。ランナーのスピードを実感すると同時に、この一瞬を目撃するために、手がかじかむほどの寒さにもかかわらず早朝からこれだけ多くの人が集まることに箱根駅伝がただのレースではない”国民的イベント”であるということを実感した。

 スタートを見とどけると、東京駅東海道線ホームに移動。電車内では、同じくスタートを見届け電車に乗り込んだ駅伝ファンがラジオ片手に、スタート付近で配布されていた駒スポ、中スポなどの各大学のスポーツ新聞を読んでいる。その光景から、まさにこの日の東海道線は「箱根駅伝応援号」といった感じだ。電車が横浜駅に到着すると駅伝ファンは一様に下車。ランナーが通過する時刻まではまだ時間があったが、さすがに「花の2区」。沿道には既に多くの人、人、人・・・。我々も人の切れ目を見つけスタンバイし、まだかまだかとランナーが来るのを待つ。そして10:28ごろ、先頭集団が通過。あっという間に走り去っていくランナーに「がんばれー」と声援を送る。早稲田の森村まで応援し、再度東海道線に乗車。次は戸塚中継所でのタスキリレーを見るべく戸塚駅で降りる。戸塚駅から戸塚中継所へは距離があるためか、改札から老いも若きも、お父さんもお姉ちゃんもおじいちゃんもお母さんも駅伝ファンはみな猛烈にダッシュ。体力のない我々はタクシーをつかって一足早く戸塚中継所を目指したが、すでにここでも、物凄い人の数。やっとのことで人の切れ目を見つけスタンバイし、本日三度目の応援。ここはラストの上り坂、花の2区を任された各チームのエースとはいえ、苦しそうな呼吸が伝わってくる。20人全てのランナーを応援し、三度東海道線に乗車。小田原駅で下車し、小田原駅前からはタクシーに乗り、交通規制がしかれる直前の5区を通りゴール地点である芦ノ湖に向かった。車ではあるが5区の急傾斜とカーブを体験し駅伝ランナーの体力の凄さを実感。そしてゴール地点すぐ側でランナーの到着を待ち、ここでも1位山梨学院大学から20位専修大学まですべての大学を応援し、往路の全応援を終了した。

〜箱根の魅力とは〜

 ランナー達が目の前に現れるのは一瞬ではあるが、その一瞬のために多くの人が時間をかけてランナーが走ってくるのを待つ。そしてランナーが走ってくるたびに大勢の観客が持った小旗がそれぞれに揺れ、チームに関係なく全てのランナーに「がんばれー」という声援が送られる。そして走り去るランナーを見て口ではうまく表すことのできない感動を覚える。箱根駅伝には人の心を引き付ける何かがある。だからこそどの区間も多くの人が訪れ、沿道から箱根駅伝に参加するのだろう。そしてこんなににも多くの観衆の目の前で走れることと、沿道から送られる声援はきっと選手達にとって至上の喜びであるのだろう。今年初めて沿道から観戦した箱根駅伝。その尽きることのない魅力を垣間見たような気がした。

 

(TEXT=中島和朗、PHOTO=山田浩平、田村拓実)
 


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる