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早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2003/10/27更新  第27回

箱根駅伝予選会観戦記

予選会の様子。

八木選手と同じ研究室のメンバー。

 何で芦ノ湖なんかでやるんだ!という思いはさておき。例年立川の昭和記念公園で行われる箱根駅伝予選会は、箱根駅伝80回を記念して、今年に限り神奈川県箱根町の芦ノ湖の湖畔コースで行われた。選手のスタートは朝の9時半、つまり観戦するには恐ろしいほどの早起きをするか、現地に宿泊するかのどちらかにするしかない。学生さんである私は箱根観光協会に貢献できる力はもちろんないので、早起き決定!! そのような事情を持つ方が多かったせいなのか、沿道の観衆もまばら。しかし各大学の陸上部員やその関係者、応援部の人たちの熱い応援が地面に響き、芦ノ湖湖畔は異様な盛り上がりをみせていた。

 気候は涼しく、風も穏やかな絶好の予選会日和。時たま雨もぱらついたが選手には気にならない程度だ。私がスタートとフィニッシュ地点から2キロほど離れた場所で選手たちが来るのを待っていると、ものすごい勢いで約400人もの大群が視界に飛び込んできた。先頭を有力校のエースクラスの選手が引っ張り、そのあとに延々と選手の列が続いてゆく。しかしあまりにも大勢の選手が固まって走るので、応援したくてもなかなか「W」のマーク、早稲田が見つからない。目を凝らし、どの大学よりも早く早稲田がゴールに帰ってくることを祈る。

 地響きを立てて選手が通り過ぎてしまうと、周囲はさっきの大群がうそのように静かだ。今回は例年の昭和記念公園のような周回コースではなく、折り返しのコースのため数十分は選手を目にすることはない。さすがに各校の応援合戦も小休止しているようだが、そこに早稲田の小旗をたくさん持ち、手作りの横断幕を掲げる人たちに会った。聞けば、今回の予選会で走っている早稲田の八木大三選手(院1)を同じ研究室の人とのこと。「調子いいって言ってたので、頑張って欲しいです! ぜひ(八木選手を)応援して下さい」と大盛り上がり。自分の友達が応援にくると選手も気合が入るのだろうな。普段はロボットの研究をしているらしい八木選手!!頑張れ!

第80回箱根駅伝予選会結果
順位
大学
1位
法政大学
2位
亜細亜大学
3位
神奈川大学
4位
帝京大学
5位
東京農業大学
6位
関東学院大学
7位
早稲田大学
8位
城西大学
9位
国士舘大学
10位
専修大学
9位までが本選出場。7〜10位は関東インカレのポイントによる。

 ゴールにいち早く10人の選手が帰ってきたのは早稲田だった。個人総合3位で杉山一介(人3)、それから1分ほど遅れて空山隆児(人3)、藤森憲秀(スポ1)らがつづく。だが予選会は各大学10人の合計タイムで争われるため、いくら一番早く10人そろった早稲田といえど、予選通過できる確証はどこにもない。11時半、広場で結果発表。発表が行われる広場の特設ステージの周りは人でごったがえし、動くことさえままならない。満員電車さながらといった感じだ。1位から1校ずつ順位が発表されるたびに歓声が沸きあがる。そしてとうとう早稲田の名前が呼ばれた。7位、予選通過。笑顔の歓声と同時にとまどいの表情が広がる。多くの人にとって早稲田の7位通過は意外なものであったようだ。しかし今年の予選会も数秒単位で順位が決まっていくという大激戦。「大学長距離界の戦国時代」と叫ばれるゆえんを肌で感じたような気がした。

 それにしても今回の予選会で個人的に一番強く感じたのは、箱根駅伝本選だけを見ていても分からない、さまざまな立場の人の思いだ。泣きながら仲間を応援する控えの選手、苦笑いもしくは余裕の表情をした大学のコーチたち。忙しく駆け回る学連役員や友達を応援しに来た学生、親切に道を教えてくれた箱根町の補助員さん、応援部に匹敵する声の持ち主のオールドファンのおじさん…。あげればきりがないほどの人がひとつの予選会に関わり、ひとつの世界を作り上げていた。そんな中で各大学結果は違えど、よくわからないワクワクした感情、また応援に行こうと思った人はきっと私だけではないはずだ。

関連URL
第80回箱根駅伝予選会観戦ガイド

(TEXT=近藤優美子、PHOTO=近藤優美子・編集部)
 


 
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