いよいよ20日からアテネ行きを賭けた戦い、日本選手権が始まる。4年前のシドニーオリンピックでは「日本選手権で勝ったことで満足してしまい、シドニーでは舞い上がってました」と語る三田選手であったが、果たして今回はどのような心境で臨むのだろう。(なお、取材は2月の後半に行いました。記事が遅くなってしまい、申し訳ございません)
――まずは、今の状況はいかがですか?
だいぶ泳ぎが安定してきましたね。自分の泳ぎがやっと固まってきたという感じですね。フォームもリズムも安定してきて、今までキックの幅とかを変える練習をしてきたんですけど、それがやっと成果が出てきて。
――何故フォームを変えようと思ったのですか?
私のフォームはどうしても力で泳じゃってて、センスで泳いでないという感じだったので、呼吸のときに体が上がりすぎて抵抗を受けていたんですよね。それで、上体を低く、抵抗を少なくしないといけないなぁ、と思ってやってきました。
――それはいつごろから始めたんですか?
インカレ前からですね。インカレでも最初の1回は自分の泳ぎが出来たんですけど、疲れが溜まっちゃうとそれが出来なかったですね。
――でも、そのインカレでは優勝しましたよね。それは自信になりましたか?
はい、勝てたってことで安心しましたね。でも、タイム的には不満が残って…。今回の選考会はどうしてもタイムを出していかないといけないので、そこが大切になってきますね。
――大会に出るに当たって、具体的な目標やライバルの人がいたりしますか?
日本選手権は何が何でも2番に入って、オリンピックに出ることですね。4年前はとにかくオリンピックに出ることが目標で、決まったあとは目標を失くしてしまったんですよ。だけど、今回は同じ失敗をしたくないんで、通過点としてオリンピックを考えつつ泳ぎたいですね。
――それはどんな感じのこと?
もしオリンピックに選ばれたら、その舞台で何番に入るということは考えずに、自分のレースをすることですね。周りに左右されないで、自分というものをちゃんと持って、あの舞台で舞い上がることなく、タイムもちゃんと出すことですね。
――そのタイムというのはどれくらいを目標にしているのですか?
それは選手権が終わったらお話します(笑)。
――正直、こんなことをお伺いしていいか分かりませんが、オリンピックに行く自信はありますか?
それは…無かったら辞めてるんで(笑)。油断は出来ないんですけど。自信はあるけど、それを過信にしないようにしたいですね。
取材後の率直な感想であるが、シドニー以降の4年間で三田選手は確実に進化しているな、というの思いを持った。自身が語ってたように、4年前とは違い、オリンピックの後について冷静に考えているように、特に精神面で大きな成長をしているように感じた。そしてその成果が発揮されるであろう日本選手権の大舞台はすぐそこだ。アテネが決まる瞬間をぜひ観に行こうと思ったのであった。
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