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2004/4/28掲載 第6回

スピードスケート 土井槙悟 第6回

前のページより)

――オリンピックを狙っていくうえで、怖いのは怪我ですよね?
スケートで怪我をすることは実際あまりないんです。それよりもウェイトとかの練習中に腰を痛めたりとか、サッカーやって捻挫したりとかそっちの方が僕は怖いですね。先月も地元に帰った時スノボーをやろうと思ったんですけど、さすがに親に大反対されました。『オリンピックが終わるまではやるな!』って。怪我といえば、去年ウェイトであまりに重いのを持ち上げてぎっくり腰みたいになって一週間動けなくなって長野に入るのが一週間遅れたんですよ。開幕戦までに時間がなかったのでかなり焦りましたし、本当に怖かったんですけど、今振り返ってみると仕上がりが遅くなったのがかえって良くて結果に繋がったのかなと思いますね。例年は仕上がりが速すぎてピークを過ぎた時にレースを迎えていましたから。

 

――昨シーズンは好調でしたが、今後、ちょっとしたことをきっかけにスランプに陥る可能性がないとは限らないですよね?
スピードスケートは、夏にどれだけ頑張って練習しても、シーズンに入ってしまえば靴の刃の位置、曲げ、ロック、ちょっと狂っただけで全部が狂ってしまいますし、精神的にも肉体的にもすべてのコンディションが揃わないとタイムは出ないですし、いつ調子が急に悪くなるかはわからないところがありますし、そういった意味ではスポーツの中でもすごく繊細でシビアなスポーツです。だから今後いつスランプに陥るかはわからないところがあります。もしかしたらそれがオリンピックの選考レースの直前に来るかもしれない。 でも、今までは調子の波に結構浮き沈みがあったんですけど、昨シーズンは安定していて、大事な大会に向けて自分をどうもっていったらいいのかがわかったシーズンでした。それに大学に入ってから一年目は結果が出せず、ぜんぜん駄目だったんですけど、そういった敷かれたレールから外れたところを歩いてきた経験を通じて、苦しい時にこそ修正をきかせる能力が自分についてきたと思うんです。駄目な時こそこうしたほうがいいという答えも考えれば出せるような気がするんです。今後、スランプに陥った時、自分がどう困難に向かい合って、乗り越えていくのか、すごい楽しみですね。

 競技者としてスケートにかかわっている者であれば誰もが憧れる「オリンピック」という大舞台。そこに辿り着くまでの道のりは険しく、様々な試練がこれからも土井の目の前に立ちはだかるだろう。だがそういった試練をも乗り越えていけるだけの強さを早稲田に入学してからの2年間で身につけてきた。トリノ五輪開幕まで、残された時間は600日と少し、限られた時間の中、土井は一瞬たりとも立ち止まることなく、夢に向かって突き進んでいく。(終)

(土井槙悟選手の取材は今後も続きます。今後ともよろしくお願いします)

Pick Up!
昨シーズンを振り返ってと、今シーズンの目標 (Text=土井槙悟)

 昨シーズンは、夏場から充実したトレーニングができ、シーズンにつながる良い体作りができました。その結果、昨シーズンの大きな目標としていたW杯にシーズンを通して出場することができました。W杯を経験してみて、現状として世界のトップレベルとの差は結構ありますが、W杯を転戦している最中に、外国人選手の滑りから多くのことを学び、自分の改善していかなければいけない点が、自分の中で見つけ出すことができました。自分としては、大きく成長する良いきっかけとなったシーズンになり、収穫のあった一年でした。

 今シーズンは、昨シーズン見つけだすことができた改善点を中心に夏場のトレーニングに励み、世界との差を少しでも埋めて、自分が世界のトップ選手の仲間入りができる様になりたいです。具体的な目標としては、W杯Aグループでシーズンを通して滑ることと、 昨シーズン達成することができなかった、世界距離別選手権、世界選手権出場という目標にも、チャレンジしてみたいと思います。

 オリンピックまであと2年、今年は更なる飛躍のできる様に、精進していきたいと思います。皆さん是非応援してください。


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(TEXT、PHOTO=中島和朗)

 

 


 
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