さて、今回のスポーツ探訪はまさに早稲田大体育各部のためにある駅、西武新宿線東伏見駅から程近いところにある東伏見スポーツアリーナからお送りします。8月10日。早稲田男子バレーボール部オフ明けの日。午後2時から始まる練習前。選手たちは非常にリラックスムード。早稲田大男子バレー部、春季関東男子1部リーグ3位という強さとは裏腹に柔らかい一面を垣間見た。アップでの時間は約20分。選手それぞれが自分の体の調子にあわせて自分のペースで自らに必要なことを課していた。
アップ後にはまるでエンジンがかかったかのように、6・7人のグループを構成し、スパイクとレシーブを延々と繰り返す練習。個々人が集中を切らさないように周りが掛け声をかけながら行われた。その様子はとても熱気に満ちていて、傍観している私の心をも興奮させた。このような練習からチームプレイであるバレーボールのキーであるコミュニケーションが生まれてくるのだと身をもって実感した。次はスパイク中心の練習。選手のしなやかな腕から放たれたスパイクは床に突き刺さり体育館を響かせていた。
練習の最後の締めとして紅白戦が行われた。これはオフ明けということもあり、選手のオフ中の自主トレ具合を試す目的でもあった。早稲田大バレー部が特に特徴的であるのは、他の大学の部とは違い学生主体で行われてるという所である。監督やコーチがかかわる機会が少ない点で、今年のオフでは選手個人単位で自己管理のできるチーム作りをすることにも主眼を置いていた。
紅白戦が始まると、完全に選手のスイッチはオフからオンへと切り替わり、それぞれが自分のポジションを柔軟にこなしていった。注目だったのがキャプテンの石倉弘士選手(人4)の豪快なスパイク。それを支えているのはジャンプして床に足が着くまでの間、自分の体を安定させることのできるバランス感覚にあるようだった。また、副キャプテンの田中飛鳥選手(人4)の手から繰り出されるセッターとしての自由自在、創造力に溢れるトスにも魅了された。しかし、一人の選手を中心とするというよりは選手一人一人の考えを同じベクトルへと方向付けしていくコンビバレーを目指しているという印象を受けた。
学生主体のチームでここまで質の高いバレーをできるのはどうしてだろうか。それは選手ひとりずつが自己管理できる能力と同時に関東一部リーグ優勝というこのチームにとっては決して遠くはない目標を共有しているからではないか。この目標を達成するための檜舞台はすでに整っている。9月から行われる秋季リーグに期待したい。
関連サイト
バレーボール部公式サイト
全日本大学バレーボール連盟公式サイト
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