WasedaWillWin.com
 


早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2004/12/24更新  第37回

デフバレーに早稲田が与えたもの

 
 
 
 

 先日、上井草体育館にて早稲田大学男子バレーボールチームとデフバレー全日本代表との交流試合が行われました。突然ですが、デフバレーをご存知でしょうか?私はその存在について正直知りませんでした。「デフバレー」端的に言えばバレーボールです。一つ違うのは「音のない世界」というところ。バレーといえば、選手がつねに声を出して、フォローしあったり、動きを確認したりと「他」との関係を口と耳を使って確認しながら行うのが通常です。大学バレーでも後ろから前の選手に指示をだしたり、手を触れ合わせる場面が良く見られます。

 私は全日本デフバレーチームからコミュニケーションの視点をいくつも学びました。選手たちは、みんなが理解できるように「精一杯」に手と体を使って表現するのです。ときには手をたたき、あるときは足踏みをして合図をだす。サイン交換は手話を中心に行われ、加えて、表情、口の動きも大切となってきます。監督ももちろん手話で指示。選手はボールが落ちるごとに監督の顔、隣同士の選手の顔を見合わせて、動きの確認をする。

 それについて、監督はデフバレーの難しさをいくつか話してくれました。「コミュニケーションでは、私はタイミングよく上手くタイムをとって、自分の言いたいこと伝えたいことを十分選手に伝えるようにしています」。また、技術以上に大事なことは「気持ち」であるということを強調しました。「あきらめないというような気持ちをもっともっと選手たちに持って欲しいということを思っています。どうしても簡単にあきらめてしまう。気持ちを繋げていくには、やはり試合でのコミュニケーションが大事。聞こえないということで、試合中、なかなか選手が常にお互いを把握することが難しいので、気持ちを大切にしていきたい」と私にもわかるように胸に手を当てながら、示してくれました。このような試合の機会を通して、監督は「早稲田の学生からあきらめない気持ちを選手たちに感じ取って欲しい」と語った。

 選手に求める監督の要求は低いように見えて、本当に難しいことです。大学バレーを見てても、選手間でサインミスがあったり、ボールに誰が行くの?という場面に遭遇します。私は、この機会を通して逆に早稲田のバレー部が受け取る「メッセージ」は大きいのではないかと感じました。最後に、1月にメルボルンで行われるデフリンピックに対しての豊富を語ってもらいました。「試合に対しては、とにかくボールが落ちるまであきらめない。とにかく拾い続けるというような気持ちでやって行きたいと思います。あきらめるというのはなしで最後の最後まで追い続ける。そのようなバレーをやりたい」。

 監督から「手話」を介しての話ではありましたが、監督の担う重責を感じましたし、選手に対する熱い思いは十分に伝わってきました。この機会を通して、私自身、貴重な体験をさせていただいたデフバレー全日本代表の選手、監督、サポートメンバーの方に感謝するとともに、多くの人にデフバレーの存在が認知されることを願います。

関連URL
早大バレーボール部公式サイト
日本ろうあバレーボール協会

(TEXT、PHOTO=村山裕太)
 


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる