2月の早稲田の風物詩、といえばやはり大学入試。今年もたくさんの受験生が合格を目指して、2月の早稲田に詰め掛けていました。ところで、この入試会場の外で、米式蹴球部が受験生を応援していることはご存知でしょうか。早稲田スポーツ探訪、第40回目の今回はその模様を取材しました。
入試当日に配られていたあめ、これが製作されていたのはテストも終わった2月の上旬のことでした。東伏見の教室で作っているということでその製作現場に伺ったところ、米式蹴球部の部員が皆、あめをひとつひとつ手で作っていました。「合格祈願 早稲田大学米式蹴球部」と書かれた袋の中にはあめと合格祈願の袋の中にはポジションごとに書かれた応援メッセージ(これは今年からの企画だそうです)が添えられていました。
この活動を中心となって動かす、リクルーティング担当のTE尾崎選手(政経3)に話を伺ったところ「トレーニングとリクルーティングのバランスは難しいですが、入学式での活動も含めて、米式蹴球部を知ってもらうためにも頑張っていきますよ。このあめ配りはうちの部に入った人間はみんな知っていたくらいですし」と応えてくださいました。僕自身も4年前の入試の折にこのあめをもらった人間で、この活動には前から非常に興味を持っていました。その裏側、製作現場を取材できた事で、入試当日、このあめが配られていく様子がとても楽しみになりました。
そして入試当日。朝8時半の開門より少し早く米式蹴球部のメンバーは大隈講堂前に集合し、受験生ひとりひとりにあめを配っていました。笑顔でもらっていく受験生、緊張の表情を崩さず、ただもらっていく受験生、もらっていかない受験生と様々でしたが、米式蹴球部のメンバーは受験生ひとりひとりに「おはようございます」「頑張って」と声を掛けていました。主将の藤原選手は「この格好は寒いですけれど、受験生のためだと思ってやっています。あめを配っていくうちに寒さも気にならなくなりますよ」と熱く語っていました。この日用意された3,000個のあめは30分余りで無くなり、その後はハイタッチをしながら受験生にエールを送っている姿が印象的でした。
この一連の取材の中で、尾崎選手、藤原主将のふたりがともに話していたのは「このあめをもらってくれた人が一人でも来年入部してくれると良いな」ということでした。3年連続でクラッシュボウルに進出し、関東の強豪と呼ばれるようになった米式蹴球部。しかし、そんな今でも、あめ配りや高校でのキャラバン(高校生との合同練習会)を続け、アメフトをもっと知ってもらう、米式蹴球部に入ってもらうための活動を続けています。このあめ配りは、経験者・未経験者がともにひとつの目標、日本一に向かうという米式蹴球部の特徴が色濃く現れている活動だという思いを強く持ちました。
米式蹴球部のあめ配り、この「もうひとつの2月の早稲田の風物詩」がこれからずっと続いていけばいいな、と感じた取材でした。
関連特集
2004年米式蹴球部特集
「挑戦者たち〜THE GREAT CHALLENGE〜」
関連URL
早稲田大学米式蹴球部公式サイト
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