WasedaWillWin.com
 


早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育局各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2007/4/28更新  第55回

航空部探訪


 

 毎年4月、航空部による体験試乗会が埼玉県・妻沼滑走場で行われています。グライダーに乗れるなんて滅多にない機会!ということで、新入生の皆さんに交ざって私もお邪魔してきました。

 次々と空に舞っていくグライダー。飛び交う無線での指示。着陸した途端に部員の方は整備のため機体へ疾走。訓練場では、予想以上に体育会系の光景が繰り広げられていました。月に数回の土日、近くにある宿舎に泊まりこみで訓練が行われるそうです。その準備は朝の5時半からになることもあり、勿論走りこみなどのトレーニングも欠かせません。広い滑走場を走り回る部員の方々を見て、相当の体力が要求されるだろうと感じました。

 さて、同意書に必要事項を書き込み、搭乗待機。操縦して下さる教官の方との2人乗りなので、体験者は1人ずつ搭乗します。自分の番が近づいてくると、スリル大好きなはずの私も緊張してきました。部員の方にも「口数が減ってきましたよ」と言われる始末。でも、心配する事なかれ!航空部は創部以来75年間死亡事故なし、という輝かしい記録を誇っています。「絶対大丈夫ですよ!」と明るく笑う部員さん。頼もしい限りです。前席に乗せてもらい、グライダーは滑走路へ。ついにテイクオフの瞬間がやって参りました。いきなりグイッと機体が引っ張られ、急上昇!!うわわ…と焦っている間に、目の前に関東平野と利根川のダイナミックな景色が広がりました。旅客機では絶対に味わえない見晴らしの良さに、「わ〜!!」と思わずはしゃいでしまいました。陸上での訓練は辛いけれど、飛んだ時は航空部で良かった!と思う、という部員さんの言葉に納得です。新入生達も「楽しかった!」と満足そうに話してくれました。


 

 一年の半分以上を訓練で共に過ごすので、部員同士の団結力はとても強いとか。OBである教官の方々も、グライダーと航空部が好きという理由でボランティアとしていらっしゃっているそうです。「自分が卒業してから、後輩たちが知らないところで成長していっちゃうのが寂しいんです。一緒に成長が見たい、という意味もあって来ています」という上空で聞いた教官の方の言葉に、航空部愛を感じました。現役部員達も、OBの方々の存在には本当に感謝しているそうです。部活とは、単純にその競技への関心からだけでなく、一緒に取り組む仲間への愛情からも成り立っているものなのだ、と実感しました。

 毎年3月の中旬には早慶戦があり、大変盛り上がるそうです。操縦中も『紺碧の空』を歌ってしまうくらいだとか。空の世界でも良きライバルである両校。去年は早稲田、今年は慶応に軍配が上がりました。「早慶戦といえば野球で、航空部のことはあまり知られていないですが、実は私たちもちゃんと戦っているんですよ。とても面白いので、是非皆さんに見に来て欲しいです」と部員さん。関東学生グライダー選手権、全日本学生グライダー選手権という舞台で、近年も優秀な成績を修め続けている強豪早稲田航空部。今後も目を離すわけにはいかないでしょう。

 

関連サイト
早大航空部公式サイト

(TEXT、PHOTO=田邉里奈)
 


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる