さわやかな初夏の日曜日、野球観戦にはもってこいの一日である。注目の一戦を見ようと球場周辺は大混雑。観客の顔ぶれも、大学生のみならず家族連れや年配の女性集団などさまざまだ。改めて世間での注目度の高さがうかがわれる。
応援席の期待通り、早稲田の先発は斎藤佑樹(教育1)。時折ランナーを許すものの丁寧に打ちとっていく。斎藤がストライクを取るたびに応援席からは拍手が起こり、アウトをとれば歓声がわく。いつだって早稲田の応援は熱いが、斎藤が登板するときの盛り上がりは格別である。しかし明治も黙ってはおらず、「明治の祐ちゃん」こと古川祐樹を先発に用意し、早稲田に点を取らせない。結局両者無得点のまま5回を終えた。
試合が動いたのは6回、2塁打を放った上本(スポ3)を後続が本塁に返し早稲田が先制。勢いに乗った早稲田はさらなるチャンスに6番原(文1)が左中間に文句なしの一発を放ち、2点を追加。1年生の活躍に大きな歓声が巻き起こる。今季は1年生の活躍が目立っているが、特に原は自分と同じ文学部ということで親近感があり、うれしさもひとしおである。
これで流れは早稲田に傾いた、と思ったがその裏、斎藤が2死満塁のピンチを招いてしまう。迎える打者は謝敷正吾。大阪桐蔭高校時代には甲子園で斎藤からヒットを奪ったこともある注目のルーキーである。この逆転のチャンスに明治の応援席はどんどんヒートアップ!サンバホイッスルのリズムに乗って「桃色片想い」を歌って踊って盛り上がり、激しい応援で早稲田を圧倒。しかし!雰囲気に呑まれるような斎藤ではなかった。空を仰いで大きく息をつくと、落ち着いた投球で謝敷を三振にしとめピンチを脱出。早稲田の応援席中から「ふーっ」と安堵の声がもれる。自分たちのほうが斎藤以上に緊張していたようだ。
この回で斎藤が降りてしまったため、ぞろぞろ帰る人の列が…でも帰るのはまだ早い。早稲田のエースは斎藤だけではないのだ。7回以降マウンドを任された福井も斎藤に劣らぬ投球で明治打線を封じ込め、早稲田の勝利に貢献。特に前回の立大戦ではピンチを招き斎藤にマウンドを譲るなど、今季なかなか結果を残せなかった福井だが、調子が戻ってきたようで今後が期待できそうだ。
終わってみれば5-0で勝利。「都の西北」が球場に高らかに響きわたる。気づけば自分も右手をあげて歌っている。入学して2ヶ月にもかかわらず、「早稲田の学生であることの誇り」めいたものが自分の心に生まれてきていることに気づく。そういえば野球を観ると必ず翌日、生協で早稲田グッズを買い求めているような…。早稲田にまだなじめない1年生のみなさん、ぜひ神宮球場へ行きましょう。
次はいよいよ伝統の早慶戦!このまま勢いに乗って、狙うは全勝優勝だ!
関連サイト
早大野球部公式サイト
東京六大学野球連盟公式サイト
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