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早稲田スポーツ探訪

部活動、或いはサークル活動などで、早稲田の学生は様々なスポーツと日々親しんでいます。自分以外の人が、早稲田でどんなスポーツライフを送っているか、意外に知らない人が多いのではないでしょうか。体育各部の活動を中心に、早大生のスポーツ事情をコラム形式でお伝えします。

2010/8/5更新  第77回

世界大学野球選手権大会探訪 
「日本対キューバ観戦記」

指導02逆転の3ランを打って喜ぶ鈴木。
4打数3安打3打点と猛打賞の活躍。

 夏真っ盛りの8月1日、最高気温34度の暑さにもかかわらず神宮球場には8000人の観客が集まった。皆のお目当ては世界大学野球選手権大会。この日はキューバとの一戦である。ここまで日本は韓国に4−0、中国に15−0で勝利しており、このキューバ戦に勝利して予選B組1位通過を目指したいところだ。対するキューバも韓国に18−0でコールド勝ちしている強豪であり、厳しい戦いが予想される。

 日本の先発は藤岡貴裕(東洋大)。開始早々に2発の本塁打を浴び、3点を先制されてしまう。キューバ勢の迫力に圧倒された観客席からは不謹慎にも「もしやこのままコールド負けか」という声が早くも漏れ始める。しかし、そんな不安を吹き飛ばすかのように、日本も2回に9番阿部俊人(東北福祉大)の適時打と、1番鈴木大地(東洋大)の3ランで3−4と逆転し、試合を盛り上げる。

指導02自身最速の157キロを記録した菅野。
しかし結果には結び付かなかった。


 だがその後は3回に同点とされると、5回には3点の勝ち越しを許してしまう。7回から は菅野智之(東海大)が救援し、157キロの速球で球場を大いに沸かせるも、2本塁打 を浴びるなど日本にとって苦しい展開が続く。打線もつながりを欠き、2回以降は得点 なし。7回の無死満塁のチャンスにも得点することができず、点差を広げられる一方となる。

 9回にようやく3点を加えるが、追い上げもここまで。12−7で敗れ、予選B組1位通過はならなかった。この後は準々決勝でA組3位との対戦になる。この悔しさを吹き飛ばす勢いで、勝ち進んでほしいところである。この日の登板はなかったが、斎藤佑樹(教4)、大石達也(スポ4)の早大投手陣の活躍にも期待したい。

指導02三塁はなんとセルフジャッジ!
ランナーが出ると審判も動きます。


 ……残念な結果とはなったものの、打線をつなぐ日本の「野球」とは一味違う、キューバの豪快な「ベースボール」を生で感じることができ、観客席でもとても楽しめる試合であった。観客席では応援団による応援合戦などは行われないが、そのぶん選手達の元気なかけ声をすぐ近くで聞くことができたり、敵味方問わず観客席一体となって好プレーに盛り上がれたりと、普段のリーグ戦とは違った面白さを味わうことができた。

 しかし暑かった!長かった!繰り返すがこの日の最高気温は34度である。猛暑の中4時間にわたる熱戦となったこの試合、6回終了後には球審が熱中症で退場するハプニングも発生。その後は一塁塁審が球審を務め、塁審は2人でこなす事態となった。選手、審判はもちろんだが、観戦者も熱中症にはくれぐれも注意が必要だ。


(TEXT=酒井杏奈、PHOTO=鈴木崇広)
 


 
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