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カバディ修行日記inインド
第6回『第1回女子カバディワールドカップ』


満員のワールドカップ会場
 実は、今回のインド滞在は3回目です。前回は今年5月の滞在。そして初インドは、2012年3月、女子カバディW杯に出場したときでした。インド人選手達と練習していると、ときどきあの頃のことが思い出されます。そこで今日は、W杯のことについて振り返ろうと思います。

 3月1〜4日、インドのビハール州パトナで開かれた、女子カバディW杯。カバディを始めて1年弱という超短期間で、その舞台への切符を得たことに、信じられない気持ちと、出るからには自分のできる限りの力を尽くそうという気持ちで、とても身が引き締まる思いがしました。

 そして、初めて見たインドの地―。車だけでなく牛で渋滞する道路。私達選手団の乗るバスを、興味深々に眺める街の人々。そこらじゅうに落ちているゴミと、排気ガスのせいか、なんとなくかすむ空気。大好きだとは言い難いですが、しかし不思議と、こんなインドの雰囲気を、嫌いにもなれませんでした。

 W杯には、アジア圏だけでなく、世界各地から16チームが集結。4ブロックに分かれての予選リーグで、日本は、タイ、カナダ、トルクメニスタンのいるブロックでした。タイには負けたものの、2位で予選通過。しかしメダルのためには、もう負けられません。その試合で、日本は強豪バングラデシュと対戦。でも、負ける気はしませんでした。勝つことだけに集中しているチーム内には、不思議と安心感だけがありました。結果は見事な勝利。この勝利の瞬間の感動は、今も心に深く残っています。

 そして次は、なんとインドと対戦。「各自の良いところを100%出し切って勝とう」というキャプテンの掛け声のもと、全力で臨んだ日本。しかし前半から、どんどん点差が開いていきます。私は幸運にも、後半から途中出場させてもらいました。すでに点差が離れている中、捨て身ででも何か起こすつもりでコートに入りました。しかし。インド人選手のフィジカル、手の伸び、素早さ、全てに圧倒されてしまった自分がいました。そして容易に触られてしまう体。敵わない、と思いました。このときの衝撃は、今でも忘れません。

トロフィーと太田陽子選手
 結果的に、日本はこのW杯で銅メダルを獲得しました(タイが並んで銅、銀がイラン、そして金はインドでした)。メダル獲得はベテランの先輩方の力が大きいですが、早々とこのような経験をさせてもらえたことは、本当に得難い経験でした。また、振り返ってみると、このときの経験は、今回の滞在計画に大きな影響を与えていたと思います。このとき抱いた、インド人選手に対する衝撃が無ければ、ここへ修業に来る計画も具体化しなかったかもしれません。そしてその衝撃はそのまま、もっと自分を高めるには?という、今の自分の姿勢にも繋がっています。

 さあ、今日も練習です。

 

 

(TEXT=太田陽子)
 


 
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