「カバディ修行日記」を連載し始めた訳ですが、「カバディってなに?」「そもそもこの連載をしている人はどんな人?」という方がほとんどだと思います。 今回はこの連載をはじめた太田陽子選手、そしてカバディのことを少しでも知って頂けたらと一問一答を用意しました。 彼女とカバディの出会い、インド留学までの出来事、カバディの現状…少しでも知って頂けたら幸いです!
――まず簡単に自己紹介をお願いします!
はじめまして、太田陽子と申します。
現在は1年間の休学中ですが、文学部文学科日本語日本文学コース所属です。岡山県出身、好きなものはカレーと親子丼です。カバディに限らず、スポーツをするのが大好きです! ――カバディと出会ったのはいつですか?きっかけは?
大学のオープン科目に「カバディ」の授業があるんですが、2年の前期にそれを取ったのがきっかけでした。私は教職課程を取っていて、体育2単位が必須だったので、「どうせ取るなら普段なかなか体験出来ないものをしよう!」と思い、カバディを選択しました。 ――カバディの最初の印象は覚えていますか?
始める前は名前しか知りませんでした笑 だからこそ、どんなスポーツなのか興味が湧いたんですけど。最初はルール自体よく分からず、向かい合って何をやっているんだろう…という印象でした。
授業では、特に最初は、ステップやフォーメーションの練習が主になります。ただ「カバディ」と言えばいいのではなく、戦略やスキルも必要なんですね。実際やってみると、体と同時にすごく頭を使うスポーツでした! ――カバディのこと簡単に説明とかしてもらえますか?(経験者の目からよろしくお願いします!)
「鬼ごっこのようなスポーツ」とはよく言われますね。相手チームをタッチして点を稼ぐので。これが攻撃です。逆に守備は、チームで協力してその攻撃者を捕まえます。攻守どちらでも点を稼ぐことができるので、展開が早く、一度ルールが分かりさえすれば、ゲームを観戦していてもスリル満点です!ちなみに道具は何も要りません。体ひとつと少しのスペースがあればプレーできる、お手軽なスポーツでもあります♪ ――カバディをやってる人にはどんな人がいますか?
主に大学生と社会人です。私のように授業がきっかけだったり、大正大学のカバディ部員だったり。友人づたいにカバディを始めたという人もいます。また、カバディ部のある高校もあるんですよ。
――カバディの楽しさに最初に気づいた瞬間は?
授業中のミニゲームで、相手の不意を突いてタッチできた瞬間でしたね。バスケのフェイクやディフェンスの動き・ステップの使い方が、たまにカバディのプレーに役立ったりして(昔バスケ部でした)。そのせいもあって、毎回の授業が楽しかったです。
――日本にいる間はどこでどのくらい練習してましたか?(何か小学校借りてとか、社会人の人としてたとか!)
週2回、水曜と土曜の夜、社会人選手の方の練習に参加させてもらっています。これは都内の中学校の体育館を借りて行います。また、大正大学の部活動にも参加しています。大正大学へは早大から都電1本で行けちゃうので、とても通いやすいです。昨年、授業きっかけの仲間たちと同好会を立ち上げましたが、彼女達との練習もそちらで行わせてもらっています。 ――カバディの前になにかスポーツはしていましたか?
幼い頃から、体を動かすのが好きでした。小学生の頃はしょっちゅう兄とキャッチボールをして遊んでいましたし、ポートボールというスポーツの少年団にも所属していました。中学・高校時代はバスケットボール一筋でしたね。高校2年の秋に膝を怪我して、結局最後の大会には出られませんでしたが。
――学生生活はカバディ一色?他に何かしていましたか?
高校時代のやり切れなさから、入学後は一度バスケットボールサークルに入りました。しかしそこでは、楽しむ主体の練習内容やプレー、飲み会やイベントを通した交流が主でした。もちろんそれらも楽しかったですし大事なことですが、私が求めていたのは、楽しむだけでなく、目標に向かってチームで本気で切磋琢磨するような環境でした。カバディには、それがありました。
カバディ以外に並行してやっていることとしては、親を喪った子ども達を支援する団体に所属して、募金等の活動の準備・運営をしています。私自身同じような境遇で育ったこともあり、後に続く世代の子ども達を応援したいという気持ちで携わっています。
――インド留学を考え始めたのはいつですか?なぜインド?
1年生の終わり頃に、初海外でペルー一人旅をしたのがきっかけで、もっと長期で外国に滞在したいなぁと思うようになりました。でも、「この国が良い」という決め手が無く…。そんなときにカバディと出会ったんです。日本ではまだ普及途上のこのスポーツを広めたいという思いと、そのためにまずは本場で一度、修業を積んで自分を鍛えたいという考えから、インド滞在計画をスタートさせました。
――迷いはなかったですか?家族や友達の反応は?
迷いはやっぱり少しありました。例えば今だと就職活動の時期と重なりますし。ただ家族は、海外滞在に関してはずっと応援してくれました。家族の賛成が無ければ、この滞在は決して実現できませんでした。友達は驚くと同時に、勇気あるねという反応が多かったです。ただ、正直勇気なんて今でも無くて、単にやりたいことをやってみようという無鉄砲な気持ちで決めたので、臆病になったり不安を感じたりすることは今でもあります。でもその葛藤も、修業の一環だと思ってます。
――留学まで一筋縄ではいかなかったとお聞きしましたが…
実は、1年弱の滞在を予定して、今年の5月に一度日本を旅立っています。しかし、滞在先の急な事情や、一番にはスポーツに適さない酷暑や雨季がしばらく続くということで、出直すことになったんです。正直、帰国することになったときは、皆に顔向けできないなぁという、情けなさと恥ずかしさでいっぱいでした。しかし、冷静に考えて私自身の準備不足もあり…。だから最終的には、「時機を見て出直して、今度こそ滞在を成功させよう」と思いながら、日本行きの飛行機に乗り込みました。
――それでも辞めなかったのは?
一度決めたことはやり切らないと気が済まないタイプでして…。
ただ帰国後、気持ちがぶれることもたまにはあって、後期から復学しようかとも少し考えました。でも行くのを諦めた自分を想像したら、絶対後悔の念に駆られるだろうなぁと思ったんです。
今インドにいて、楽しいことだけでなく大変なことや思い通りにいかないことも間々ありますが、それでも来て良かったなぁと、現在進行形で思っています。
――カバディはいわゆるマイナースポーツですが、その点についてなにか思うことはありますか?
なかなか裾野が広がらないことが課題だと思います。日本カバディは、実は世界的に見てトップクラスの実力です。しかし日本国内では、なかなか競技人口が増えていきません。世界一を目指しつつ競技人口を増やすのは難しいところですが、今後自分自身が続けていくためにも、"カバディスト"を増やしていくのは大事なことです。ちなみにこのコラムも、友人の協力で、普及の一環として寄稿させてもらっています。
しかし一方で、マイナースポーツだからこそ、これからいくらでも広まっていける可能性を持っていると思います。また、体育会でもない私のような人物でも、日の丸を背負って世界を目指す経験ができるのは、マイナースポーツならではだと思います。マイナーだからといって、日本を代表するのは他種目と同じ。世界一を目標に、どうすれば自分を高められるかという視点は、カバディを始めたからこそ得られたものでした。 ――これからもカバディは続けていきますか?
社会人選手の皆さんは、自身の仕事と並行しながら選手活動を続けていらっしゃいます。私はそういう姿をすごく尊敬していて、同時に、自分も出来る限り続けていきたいなぁと思っています。そして目指すは打倒インド、世界一です!
――最後に一言お願いします!
多くの人が、名前だけ知っていて実は中身を良く知らないであろうスポーツ、カバディ。一度一緒にやってみませんか?私のようなのめり込む勢いは、全く必要ありません笑 でも、ぜひこのスポーツの面白さを、一度味わってみて欲しいです!
早大では前期に授業がありますし、授業期間外でも、私に連絡をくださればすぐに対応します。このコラムのトップページに連絡先とTwitterアカウントを載せておきますので、少しでも興味を持たれた方、ご一報ください♪
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