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Waseda Baseball2002

松坂世代最終章〜戦え同期〜
東京六大学リーグ戦優勝に添えて
特別コラム「寂しい優勝。」


 6月1日、東京六大学野球・春季リーグ戦。早稲田は慶応を3-0で下し、99年春季以来の優勝を勝ち取った。超満員の学生席や、熱狂のうちに執り行われた優勝パレードを見ながら、私は喜びと同時に、ある寂しい感情に包まれていた。


 六大学野球では何故、試合を終えた両校がエール交換をするのかご存知だろうか。校歌を歌い、相手校を激励するのは、そこに敵対心だけではない、「アマチュア精神」が存在するからである。互いに切磋琢磨し、次の対戦までの成長を約束して、選手達はグラウンドを離れる。何十年もの間、選手は戦い、そして互いを激励し続けたからこそ、六大学は六大学としてあり続けた。そこに六大学の精神は存在している。

 その理念を尊重すれば、早稲田の優勝は結果に過ぎない。優勝直前の「あと1人」コールやコマ劇前での馬鹿騒ぎは早慶戦の本筋ではない。勿論、サークルで活動している人間として、大多数の人にとって早慶戦がどういう意味合いなのかは十分承知している。野球人気の衰退が叫ばれている今、満員のスタンドで応援できる学生野球は貴重な財産だ。ただ、ふと感じる時がある。このままの早慶戦で良いのだろうか、六大学はこのままで大丈夫なのか、と。

 秋になれば、また神宮に球音が帰ってくる。早慶戦とは打って変わってガラガラの観客席で、私はここで野球が見られる喜びを、早稲田のユニフォームが躍動する喜びを感じる。勝ち負けとは違うその幸せを少しでも分かち合いたくて、私はこの文章を書いた。

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早大野球部公式サイト
東京六大学野球連盟公式サイト

(TEXT=YKO、PHOTO=編集部)

 


 
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