2002年11月20日。秋恒例のプロ野球ドラフト会議が行われた。すでに自由獲得枠による福岡ダイエーホークスへの入団が内定していた和田毅投手(人4)であるが、その心中は、ドラフト会議で自分の名前が読み上げられるのを確認するまで落ち着かなかったようだ。
午後2時。ドラフト会議開始とともに、学生服に身を包んだ和田が会見場である早大体育局の一室に姿を現した。多くのテレビカメラ、スチールカメラを撮影するカメラマン、そして多くの新聞・雑誌等の記者。和田が口を開くたびに彼に向けられる無数のフラッシュ。あたかも和田一色に染められたこの一年を象徴するかのような入団記者会見であった。
−まず、正式にダイエーへの入団が決まった率直な感想を聞かせてください。
昔からの夢が叶って嬉しいです。
−ダイエーというチームの印象は?
人間味溢れる暖かい球団だと思います。
−ダイエーは若い投手が多いチームですが、どう思いますか?
早く一軍のマウンドに上がりたいです。
−王(貞治)監督の印象を聞かせてください。
アマチュアの選手にもプロと変わりなく一選手として接してくれて、好印象を持っています。
−対戦したいバッターはいますか?
特にいません。一人一人抑えていきたいですね。
−松坂世代と呼ばれることについてはどう思いますか?
素直に嬉しいです。同世代にはすごい選手ばかりいるので、負けないように頑張りたいです。
−松坂投手に対する特別な思いはありますか?
高校時代一緒になったことがありますが、とにかくすごいピッチャーだと思います。
−将来どんな投手になりたいですか?
アマチュアで残した成績はもう過去の話。一から鍛えてプロで認められるような選手になりたいです。
−プロとアマチュアの違いは何だと思いますか?
すべてがケタ違いだと思います。少しでもプロのレベルに近づければいいなと思っています。
−目標とする選手はいますか?
特に目標とする選手はいないんですが、活躍して自分が目標とされるような選手になりたいです。
−好きな選手はいますか?
元中日の今中投手です。自分の球のスピードが速くないので、今中投手の緩急で抑えるピッチングが参考になります。
会見中、視線を常に前方へ向けていた和田投手。あたかも自分のプロでの勝ち姿を見ているかのようであった。24日には仮契約を済ませ、着実にプロへの道を歩み始めた和田。これからの彼の活躍を願って止まない。
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