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[米式蹴球部特集] 挑戦者たち〜THE GREAT CHALLENGE〜

リレー人物紹介其の四:#13 QB斉藤康平


 自分の殻を破って身体的にも精神的にもさらに強い選手になりたい。あらゆるスポーツ競技においてそう考え、行動する選手はたくさんいる。今回紹介する斉藤康平選手もそんな選手のひとり。チームメイトの強い信頼を勝ち取りチームを率いていくオフェンスの司令塔、QB(クオーターバック)を務める選手だ。


 

斉藤康平選手。

――大学からアメフトを始めたのはなぜですか?
 中学の時はバスケット、高校ではハンドボールをやっていたのですが、どちらもやりきったという気持ちがなくて…。それで大学では何かしっかりとしてひとつ通してできるものを探していたんです。そんな中でアメフトを選んだのはコンタクトスポーツに憧れていたというのもありましたし、初心者が多いっていいうのも大きかったですね。

――そんな中でオフェンスの司令塔であるQB(クオーターバック)を選ばれたなんてすごいですね。
 それがあんまり知らないうちに決めてしまって…(笑)。ハンドボールをやっていたのでボールを投げるのは楽しそうだなとか、軽い気持ちで決めてしまったのですが、今になって大変だなと(笑)。常に冷静でないといけないですし、みんなの信頼がなかったらやっていけないですしね。

――QBには昨年まで波木健太郎選手という大きな存在がありましたよね。
 波木さんは絶対的な存在でしたね。僕は試合では自分がやらないとという気持ちはあまりなくて、「波木さんがいるから…」みたいな感じで、二本目も後輩の新田洋(スポ2)に取られていて自分は三本目の選手でしたし…。くさりはしなかったですけれど、上にふたりいるからという気持ちで、今から思うと取り組みが甘かったし、それがちょっともったいなかった気がしています。


 

波木選手から多くのことを学んだと語る。

――波木選手がいたことで良かったことはありますか?
 それはもちろん! 波木さんの下にいて本当にいろんなことを学べました。特に(波木選手が)日本代表から帰ってきて、代表の一本目のQBの選手の意見をすぐに僕らに教えてくれることもありましたし。今は三年になって気持ちを入れ替えて、いくら実力があっても下の(新田)洋には任せているわけにはいかない、やっぱり洋がいるからなんて考えないように。QBが悪くてチームが負けたなんて言われたら、全部自分のせいだって思います。

――アンケートでは生活の85パーセントが部活が占めているということですが?
 大学に入る時から部活をやろうと決めていたので、部活が多くて当たり前で全然苦ではないですね。逆に部活がなくなったらやることないですし、その点ではいくらつらくても辞めたいとか思ったことはないです。プライベートって言ってもあんまり外に出ないので、大体読書をしているか映画を観ているか、ですね。あと八王子の山奥にある実家にできるだけ帰って、山の空気を吸って家でゆっくりしておじいちゃんと話したりするのが好きです(笑)。

――大学では何を勉強されているのですか?
 僕は第一文学部の仏文専修なんですが、今は自分のテーマはまだ決めていなくて、いろんなものをみてテーマを絞っていく段階なんですが、卒論では日仏の比較文化論みたいなものをやっていきたいなと思っています。でも実は日本文学がやりたくて文学部を志望したのですけれどね(笑)。


 

秋シーズンの活躍に期待したい!

――日本文学に興味があるんですか?
 はい、俵万智さんの「サラダ記念日」とか和歌を今風にするっていう、そういうジャンルって新しいな、楽しいなと思って、そういう方面を勉強しようかと思っていました。でも日本文学に進むと高校の時から勉強していたフランス語がやれないので、ちょっともったいないかなと思って仏文にしたんです。でも読書が趣味とかいうと「意外…」とかよく言われますね(笑)。

――最後にご自分の目標を教えてください。
 目標というか心がけていることですが常に高みを目指して、やった気にならない、小さくまとまらない、そして自分の殻を破って新しい自分を見つけたいと思っています。僕は弱い人間なので妥協というか、自分の一番良いところだけ見て満足してしまって小さくまとまってしまうところがあるのですが、未経験でQBをやらせてもらっているので、人一倍努力しないといけないですし、チームを率いていく立場ですから小さくまとまっていては意味がないのです。だから特に何に対しても満足しない、やった気にならないような努力が必要だと考えています。

 波木選手という昨年までのチームのカリスマを擁したQBというポジションだからこそ、さらに増して感じる責任感。しかし一方ではチームや自分の現状を落ち着いて分析する冷静さを感じた。暑い夏を超え、自分の殻を破った斉藤選手の姿を目にする日は遠くない。

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(TEXT=近藤優美子、PHOTO=近藤優美子、米式蹴球部提供)
 


 
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