12月6日から全日本インカレが幕を開ける。全日本インカレは全国から124チームが出場し、大学全国トップを決める大会である。しかし、実力面から見ると関東一部に所属する大学が圧倒的に優位であるため、早稲田が本来の実力を発揮することができれば、最低ラインはベスト8ということになる。そこから、筑波、東海、中央、順天堂といった強豪校をいかに倒していくかに焦点が当てられる。リベロとして影でチームを引っ張ってきた藤森亮介(人3)は次のように語る。「課題なのはサーブ。サーブさえ良ければ悪循環を生むこともない、順当に勝利を収めることができる」と。
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インカレから戦列に復帰する石倉主将。 |
また、四年生として、最後のインカレを迎える加賀龍哉(人4)は「結局は20点差以上の勝負。そこで勝っていけるかにかかっている、小さな部分をどこまで高めていけるかで試合は決まる」と秋季リーグを満足した形で締めくくることのできなかった悔しさを滲み出しながら、語ってくれた。さらには、インカレで期待されるのは石倉が復帰できるというところである。「7、8割の力までは持っていく」秋季リーグでは、自分が出場できないことにもどかしさを感じた石倉だが、「優勝」の二文字に凝縮された決意は、「自分がやる」という意識の高まりを簡潔な形で表現したかったのであろう。インカレでは、強豪を持ち味のブロックをものともしない力強さで崩していく姿を見られることだろう。
そして、一年生の活躍にも期待がかかる。秋季リーグの終盤戦でセッターとして、安定した活躍ぶりを見せた北沢浩(スポ1)は安定性と上手さを兼ね備えた選手である。田中飛鳥(人4)も「今まで見てきたセッターの中で一番上手い。自分にも勉強になる部分がたくさんある」と同じポジションの後輩として北沢を絶賛するように、どんな状況でも的確なトス上げを行い、サイドの能力を引き出すことのできる選手である。また、リベロとして藤森圭(スポ1)も確実に力をつけてきている。安定したサーブカットをそつなくこなし、攻撃の流れを切ることのない能力を発揮できる。北沢と藤森(圭)が入ることで、落とさない、繋ぐバレーを展開することができるだろう。
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セッターとして力をつけてきている北沢にも注目。 |
去る秋季リーグで大活躍を見せた柴小屋康行(スポ1)は石倉の控えに回ることが濃厚であるが、十分にレギュラーとしての活躍を期待できる選手である。柴小屋の最大の成長は、三枚のブロックを抜くことのできる上手さと強さを身につけてきたところである。この一年生トリオをバックに層の厚さを増してきている。また、二年生には、パンパシフィック代表でもある中島敬介(スポ2)がセンターとしてレギュラー入りすることが濃厚である。試合では恵まれた体格を生かした、豪快なブロックが要所で見られることだろう。
現在のバレー部は下級生からの底上げが行われ、練習に関しても、試合にいつ入ってもいい緊張感のなかで練習を行っている。インカレでは、常に負けられないというプレッシャーと隣りあわせで戦っていくことになるが、それをはね返すだけのプレー面での安定性をここにきてやっと持ち始めてきた。後は、選手間でどれだけ一体となって戦っていけるかである。そうすれば、おのずと結果はついてくるに違いない。
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