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チームにまとまりがみられず、敗れた中央戦。
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春季リーグでは、前評判を覆し、一部リーグ3位という好成績を収めた早稲田は、さらに優勝を目指し、秋季リーグに万全の体制で臨んだかのようであった。しかし、リーグ戦序盤から「リーグ前の練習も来週から試合に入るのだという緊張感を欠いていた」と主将・田中飛鳥(人4)は語るように、安定さを欠いた試合内容が続いた。
1日目の中央戦では、ほとんどが早稲田のミスから悪循環を生み、得点を献上してしまい、ホーム初戦で、非常に痛い敗北を喫してしまった。続く2日目の順天堂戦でも、チームの悪いムードを払拭することができず、繋ぐバレーができず、連敗という最悪の形でリーグに入った。「ひとりひとりが別のことを考えていて、チームの方向性が定まっていなかった」と、怪我のため欠場していた石倉弘士(人4)が振り返るように、ちぐはぐなバレーが目に付いた。
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序盤こそうまくいかなかったが、リーグ戦終盤には
見事にチームをまとめあげた田中飛鳥。 |
3日目の専修戦には辛くも勝利するも、4日目は、格下である亜細亜大にはわずか1セットしかとれず敗北した。「完全にチームがばらばらになって、崩壊状態だった」と田中は主将として、チームの精神的支柱になれず、選手たちをまとめきれなかったことに悔しさを滲ませた。次週((5日目、6日目)に控えた強豪東海、筑波戦にどう修正を加えていけるかが、差し迫った課題となった。東海との試合では、ポイントとなるサーブが入らずに、攻撃の一連の流れに悪循環が生まれた。「開き直ってサーブを思い切りよく打って崩さないと高いブロックは崩せない」。前田和樹(人3)は試合には負けたものの、チームとしての方向性を一つにすることを目標とした、意味のある試合内容であったと語る。
筑波戦に関しても、ストレート負けという形ではあったが、大きな収穫を得た。「最終セットにやっとうちのバレーを掴みかけた」と選手がそれぞれ口にするように、復調の兆しをうかがわせた。あとは、7日目の法政戦でどこまでいい形を維持し、試合に臨めるかであった。7日目の法政戦が2部との入れ替え戦を免れるための岐路となっていた為である。ここで試合の流れを大きく左右したのが、第4セットである。「4セット目で法政にリードを許していて、いつもの早稲田ならあそこで取られてしまうところだが、逆転をした力は本物だった」。石倉はここをきっかけにして、本来の繋ぐバレーを取り戻したと選手自身で悪い流れを打開した力を評価した。ここ一番のセットをものにすることのできた早稲田は、続く最終セットでも本来の力を取り戻し、この後の戦いを大きく左右する試合を勝利で飾った。
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7日目の法政戦から繋ぐバレーを展開し始めた。 |
下位リーグで決勝リーグを戦うことになった早稲田はいい意味での開き直りを見せた試合運びを8日目以降、披露する。亜細亜戦では1セットはとられるものの、加賀龍哉(人4)の大活躍もあり、その悪い流れを引きずらず、次のセットですぐに修正をかけることができた。9日目の専修大戦にも順当に勝利を収め、最後を締めくくる法政大戦は手に汗握る試合を展開した。序盤、勝負どころでの一本を決めることで、早稲田ペースでの試合運びはできたが、中盤になり、あっさりと3、4セットを連取されてしまう。しかし、最後の最後に粘りを見せることができ、第5セットを、松永の「今回のリーグはサーブの調子が良かった」との言葉通り、連続でサーブを決め、勝利をものにし、いい形で秋季リーグを締めくくった。しかし、リーグ戦を通して見ると、満足できる内容とは程遠いものとなってしまった。最後に「自分が出ないことは初めからわかっていた。もっと個人の意識を高めないと満足した成績を収めることはできない」との石倉の厳しいコメントを借りて、秋季リーグを終わらせることが、全日本インカレにいい形で繋がるのではないかと思う。
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