新年2日、3日に行われる箱根駅伝の各大学の区間エントリーが12月29日に発表された。チーム全体の底上げをはかってきた早大は往路重視の昨年とはうって変わり、往路復路ともに一定の実力がある選手を配置している。最低でも総合10位、なんとしてもシード権を獲る構えを見せているオーダーだ。
早大のレースは1万メートルの自己記録が28分42秒とチーム内トップの実力を持つ空山隆児(人4)からスタート。1区には昨年の区間賞ランナーである鷲見(日体大)らを始めとしたスピードランナーの出走が予定されており、過去2大会同様スピードレースの可能性が高い。今季は安定した結果が出せていない空山であるが、1区の出遅れが2年連続シード落ちの原因のひとつともされるだけに、早い順位で確実にたすきをつなげたいところである。 各校のエースが集う2区には12月初旬にとうとう1万メートルの自己記録をを28分台まで縮め、名実共に早大のエースとなった篠浦辰徳(人4)。篠浦自身も語っていた通り、安定した力でチームの流れを作ることが求められる。
篠浦からたすきをもらう3区には、石橋洋三(スポ1)が抜擢された。箱根予選会ではチーム内4位の快走を見せるなど、将来のエース候補として実力者の多い1年生の中でも一歩先んじてる存在だ。4区には着実に実力をつけてきた八木大三(理工M2)がエントリーされているが、当日変更で昨年も同区間を走った藤森憲秀(スポ2)が走る可能性が高い。箱根予選会ではチーム内最下位に沈んだ藤森だが、その後は順調にハーフや1万メートルの自己ベストを更新している。そして山登りの5区には、入学当初から山登りランナーとして期待されていた駒野亮太(教1)が登場する。
復路のスタートである山下りの6区には、主将の杉山一介(人4)。今季は主将を務めるものの不調続きで、箱根予選会でも出走することもかなわず「陸上を始めて一番きつい年」と語るほどであった。しかし元来アップダウンのあるコースには強く、6区の候補であった坂口享(政経3)らを抑えての出場である。7区には前回も同区間を走った原英嗣(人3)が出走。昨年度は区間11位とふるわなかったが、今季は箱根予選会でチーム内2位の快走を見せるなど大舞台でも本来の実力を発揮できるようになり自信をつけてきた。慣れたコースで区間賞に迫る快走を成し遂げられるか。
8区には小島将平(スポ1)の出走が予定されているが、一昨年、昨年と復路を走り続けてきた岡部祐介(人4)が起用される可能性も高い。また11月以降、ハーフマラソンや1万メートルで結果をだしてきた宇佐美淳(人3)も可能性のある選手として挙げることができるだろう。9区には河野隼人(スポ2)がエントリー。ロードレースに特に強く、長い距離で安定した力を発揮できる選手であるだけに、確実に最終区にたすきをつなぐことができるだろう。アンカーには来季の主将である高岡弘(人3)。当初は往路でのエントリーが予想されたが、どんな状況でも安定した実力と粘り強さを発揮できるので、仮にシード権争いが最終区にもつれ込んだ場合も対応できるだろう。
実力のある4年生の杉山や空山らが不調で主力となれず当初は出遅れ、箱根駅伝予選突破も一時は危ぶまれた早稲田。しかしその一方でチーム全体の底上げの成功など、主力選手だけではなくチーム全体で戦う姿勢が今年度の大きな特徴だったのではないだろうか。今年度のチームは1月3日で終わりだ。10区間、無事にたすきをつないで、大手町に早稲田の歓声が響くことを期待している。
|