WasedaWillWin.com
 
[米式蹴球部特集] 栄光への軌跡

リレー人物紹介其の参:#78 OL中村尋


 肩の強いQB(クオーターバック)がいる、足の速いRB(ランニングバック)がいる。それだけで得点を上げられるか?答えはもちろん否である。オフェンスではボールを持って得点を上げる選手に目がいきがちであるが、彼らのプレーはラインの活躍が無ければ成り立たない。良いオフェンスがあった時には必ず素晴らしいOLのブロックがあると言える。そんな重要かつタフなOL(オフェンスライン)の中でもセンターというポジションを担っているのが今回取材した中村選手だ。


 

中村尋選手。

――アメフトをはじめたきっかけを教えてもらえますか?
 高校のときはラグビーをやっていたのですけれど、結構適当な感じで。一生に1回くらい部活をひとつでもちゃんとやるのもいいかなって思ったので。

――その中でビッグベアーズを選んだ理由はなんですか?
 もともと僕が高3のときに早稲田が甲子園ボールに出ているのをたまたま夜中にテレビで観ていて、あぁいいなって思っていたので入りました。

――今のポジションOLにはどうしてなったのですか?
 あんまり運動できないってのもあったのですけれど、先輩もすごくいい人そうで、ポジションの雰囲気も楽しそうだったので。ボールを持ったりとかはしないですけど、自分たちがいなければオフェンスは進まない、自分たちがオフェンスを作っているんだっていう、そういう気持ちが楽しいですね。


 

OLがオフェンスを作っているという誇りは人一倍だ。

――初めて試合に出たときのことをおぼえてますか?
 大学1年の時にシトロンボウル(VS 東北大学HORNETS)というのがあったのですけど、そのときが試合に出た最初のときですね。

――緊張したのではないですか?
 すごい緊張しましたね。1週間前くらいにOLの主任の人に「お前出るから」って言われて、「えっ」ってなって(笑)。その1週間が1年の中で一番長い1週間だったなと思います。「思いっきりやれ」とは言われてたんですけど、ミスしないようにとかアサインメントを覚えるのに一杯いっぱいで、なにがなんだかよくわからなくなっちゃって。

――春のオープン戦を振り返ってみてどうですか?
 今年の春の目標が1対1で勝つということだったのですけれど、実際試合とかではそういう目標が達成できなかったなと思います。あと、僕はセンターというポジションをやっているのですが、去年のセンターは村井さんという方で、自分だけじゃなくて周りも助けられる人だったんですね。今年は僕が自分のことで一杯いっぱいになっちゃって、隣とかをフォローしてあげられなかったというのが反省点というか課題ですね。


 

 

――それでは秋へ向けて目標を教えてください。
 秋は村井さんみたいに、周りもフォローできるような選手になりたいというのがあります。センターやるんだったらやっぱり村井さんを目指したいなというのがありますね。

――個人としての目標はありますか?
 僕が試合出始めたのは今年の春からなので、スターターを確立させたいし、もっと試合や練習からビッグプレーをして、チームの信頼を受けるようなプレーヤーになりたいです。

――ファンの方々に一言お願いできますか。
 今年はOBの方や協力してくれた方々のおかげで人工芝グランドもでき、とても良い環境になりました。あとは僕らが結果を出すだけなので、周りの方の支援に応えられるように秋は頑張りたいと、勝ちたいと思います。

 とても穏やかな雰囲気でインタビューに応じて下さった中村選手は、力持ちのお兄ちゃん、という印象を受けた。周りもフォローできるような選手になる、そう語る彼は厳しい夏合宿を越え、対戦相手には脅威の、そしてオフェンスユニットには頼りがいのあるセンターへと今以上に成長するであろう。そんな中村選手の秋シーズンに期待したい。

プロフィールにもどる
まるごと!中村尋にもどる


(TEXT=飯田隼人、PHOTO=神崎風子、米式蹴球部提供)
 


 
WasedaWillWin.com HOMEへもどる