ア式蹴球部においてはタレント揃いの攻撃陣が強調されがちだが、前期リーグを首位で折り返すこととなった陰の功労者を忘れてはいけない。金守貴紀(スポ2)は3バックの真ん中から、冷静なカバーリングとラインコントロールでチームを後方から支え、チームが好調を維持する原動力となった。
――前期リーグを終了してチーム全体の調子と自身の活躍はどうでした?
序盤はあまりよくなかったですけど、徐々によくなってきて最終戦なんかは自分たちの持ち味を発揮する形で勝てました。自分自身について言えば、波が少ないというのが特長なんです。いいゲームばかりではなかったけど、悪いなりにその状況を周りに隠すことはできたと思います。全試合フル出場もできましたし。
――ポジションについて心がけていることは?
ラインコントロールとカバーリングはつねに意識してやっています。コーチングもだいぶ増えてきていて、FWも含めみんなの守備意識が高くなってきている点なんかも考えると、周りとの連携面もうまくいっていますね。
――4バックか3バックで好みはありますか?
4バックより、3バックのほうが好きですね。DFが4枚だと、CBは1対1が重要になってくるし、身体能力に自信があるわけではないので。
――あえて守備での改善点をあげると?
ボランチの動きに対してDFが連動してない場合がたまにあるんで、(ボランチに)行かせないなら行かせないで、しっかり声を出して行くなってことを伝えていければ、もっと良くなると思います。
――ほかにご自身の特長は?
ロングフィードは得意なので、監督からもスペースがあいていたら、狙うようには言われています。特に徳(永悠平)さんや(玉田)英史さんの動きを意識していますね。
――1年目から監督にも信頼されていますよね?
特に指示を受けることはなくて、いつも通りやれといわれるだけです(笑)。
――前期リーグでの慶應戦の敗因は?
(失点する場面で)カウンターからやられているので、攻めているときからFWがしっかり(プレスをかけて)ケアするべきだったと思うし、相手が引いていたので、セットプレーをもっと大事にするべきでした。
――慶應と戦ってみての印象は?
よく研究しているうえに、気持ちがとても強くて、最後まであきらめないチームだと思いました。
――慶應に対して特別意識は?
個人的には特にライバル意識はもってないです。でも、向こうは気持ちが入っているというのは感じました。
――サッカー部では数少ない社学(社会科学部)生ですが授業はどうしていますか?
月曜日にほとんど授業を入れて、火曜日はAもBも同じメニューをやるので、3、4限とったりしてうまくやっています。中島(健太)と大体同じ授業受けていますし。
――好きな勉強は?
・・・(笑)。
――高校時代国立への経験はありますか?
一歩手前(選手権準々決勝で兵藤率いる国見に敗戦)で負けました。残り4分ぐらいで平山(相太)に決められて。
――昔から今のポジション(DFの真ん中)でしたか?
高1まではボランチをずっとやっていたんですが、高2の時に監督から今年1年はディフェンスで行ってもらうって言われて、結局3年になってもそのままで、監督に言ったんですけどチーム事情があるからって言われてそのままです(笑)。
――ボランチをもう一度やりたいという思いは?
ありますね。去年の(大学)選抜のときにやらせてもらってやっぱり楽しかったですから(笑)。
――最後に定期戦への意気込みを。
国立という舞台は高校から憧れていましたし、大学サッカーの試合で一番盛り上がる場所なので。そこでやれることを楽しみつつも、しっかり守ってセットプレーから得点をあげてMVPをとりたいです。
リーグ戦全試合フル出場。金守に対する信頼の証である。バランス感覚に長けた彼のプレーを見る誰もが早稲田のゴール前を安心して見ることができる。派手なプレーは見せないものの、慶應戦でも安定感のある彼がきっと勝利へと導く立役者となってくれるにちがいない。
|