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 学生トレーナー特集の第2回目、女子アイスホッケーチームのコクドレディースのトレーナーとして活躍する孫田岳史さんと高橋孝宜さん(ともにスポ3)にインタビューをしました。彼らは大学スポーツとは大きく異なる企業スポーツの現場で、どのような指導を行っているのでしょうか。




 
孫田岳史さん
コクドレディーストレーナー
スポーツ科学部スポーツ医科学科3年

――まずはじめにトレーナーをはじめたきっかけを教えてください?
孫田:去年までゼミの先輩がやっていて、ゼミの(中村)千秋先生がせっかくだからやったほうがいいと言ってくれて僕らのほうに話がまわってきました。

――おもな活動内容というのは?
孫田:僕らがやっているのはストレングスコーチです。メニューを2人で考えて、陸上のトレーニングをおもに指導しているという感じですね。ホッケーという競技は陸上のトレーニングと氷上のトレーニングが別れていて、氷上のトレーニングしかやらないところもあるんです。でも、この辺は場所に恵まれていないので、陸上と氷上は半々くらいでトレーニングしますね。僕らが見ているのは、陸上のトレーニングで氷上の方は関わってはいないんですけど、体の動かし方なんかはアドバイスします。それ以外にも僕たちのできる範囲でけがを見たりもしています。

――普段トレーナーの勉強はどのように行うのですか?
高橋:いまのチームはヘッドのコーチがいるので、おもにそれを見て勉強しています。あとは学校のクリニックで先生とか院生がやるのを実際に見たり、選手が(痛みなんかを)訴えてきたときにちょっと本を見て勉強という感じですね。

――トレーナーを実際にやってみて難しいと感じることは?
高橋:外傷とかは(授業とかで)習うけど、内科的な部分の対処は難しいです。あとはふたりでやっている以上2人が完全に納得のいくメニューを作ることはできないことですね。
孫田:それよりさらに難しいのが、監督・選手を含めチーム全体が納得するものを作るってことです。選手と監督の思惑と違うときは当然ありますからね。


 
高橋孝宜さん
コクドレディーストレーナー
スポーツ科学部スポーツ医科学科3年

――選手の思惑と違うというのは?
孫田:選手によっては試合直前まで追い込みたい人とそうでない人がいるんです。そこに違いがあるので、それをどのように選手に応じて取り入れていくかですね。

――それでは選手の意識をあげるためにやっていることは?
高橋:具体的に説明するのは難しいですね。結局は、経験とか知識の差があると思うんです。うちのチームは年齢層が広くて、上は日本代表レベルから下は高校生の選手までいるので…。だから、上の人はいままでの積み上げがあるからそういうことができるわけで、逆に下の子はその積み重ねがないから、僕たちに要望を出したりができないんだと思います。

――選手への要望というのはありますか?
孫田:もっと「スポーツ選手」になってほしいというのがあります。コクドの選手はアイスホッケーの選手としては技術的には高いものを持っているかもしれないけど、選手によってはスポーツ選手としては自分の体に対するケアが甘いと感じるんです。それは年齢幅が広いっていうのが関係していると思うんですけどね。
高橋:僕たちはそういう勉強をしていて興味があるから、どこまで選手に求めていいかはわからないけど、そういう選手には自分の体のことを少し分かってほしいですね。体を動かすってことはやりすぎたら体は壊れてしまいます。トレーナーは追い込むけど、自分がこれ以上やったらやばいっていう限界のラインはあるので、自分で分かっていないと危ないわけです。その時に、選手自身が今日は疲れているからケアを増やそうとか、自分がけがしたときどういう対処をまずしないといけないとか最低限のことを知っていればその後の結果が大きく違うと思うんです。(コクドには)高校生とかもいっぱいいるし、アイスホッケーはその人達が30になるまですることができるスポーツだから、長い目で見たらはやめに分かっておいてほしいことがたくさんありますね。

――これからやっていきたいことは?
高橋:多少選手に嫌われても必要なことをしっかりと見ていきたいですね。僕たちも選手のことをいろいろ知って選手が一番いい状態で試合に臨めればいいと思っていますから。


関連URL
コクドレディースアイスホッケークラブ公式サイト

(TEXT、PHOTO=村山裕太)

 

 


 
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