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――大卒のメリットはどのような点だと思いますか?
鈴木:
高卒の選手で駄目になった人は投げやりになってしまうと思うんですけど、大卒の選手は柔軟性があっていろんなことを考える力を持っていると思いますね。そこで、違う見方、違う考え方もあってそこでまた頑張れるというのが大卒のいいところですね。
――4年通してそれは身につけられましたか?
鈴木:
はい、しっかりと身につけました(笑)。
――高卒からプロに行く選手にプレー面で抜かれないために意識したことというのは?
兵藤:
プロに入ったからといって練習時間も短いし、そういう部分では大学に行こうがプロに行こうが自分次第だなっていう部分がすごくありますね。ただ周りのレベルはプロの方が高いからそういう部分で伸び幅はあると思いますけど、高卒でプロに行ったとすればプレーの面でも精神面でも本当の意味でしっかりしないといけないと思いますね。いきなり高校卒業して大金もらえるわけじゃないですか。だから、お金使って遊んじゃうやつとかも結構多いので、そういう意味で大学でワンクッション入れることで、お金の使い方とかも考えられると思います。それにサッカーをやる上では結局大学では強制ではないし、遊ぼうと思えばいくらでも遊べるので、大学からプロに行けるということは本当に頑張ってないと行けないので、大学という場は本当にしっかりとした信念を持っていないとプロには行けないですね。そういう部分で大学に来たからといって遠回りになるわけじゃないと思います。
――プロでやっていくことに不安はありますか?
鈴木:
それはすごいありますよ。
兵藤:
サッカー出来なくなった時点でその道は断たれるっていう感じなんで日々不安ですね。だからこそ一日一日一生懸命やるという気持ちです。
――二人とも大学で教職という資格を取得していますが。
鈴木:
解雇とかじゃなくてサッカーは出来ても三十過ぎくらいというのが頭の中にありました。それが終わってからが大事だと思って教職などを取りました。
兵藤:
修人が言ったように選手生命が短いスポーツなのでセカンドライフを見つめて教職を取りました。最初は資格を取る程度にしか考えていなかったんですけど、実際に教育実習に行ってみると教えることの楽しさと違った場に飛び込んだことで新鮮さも感じました。教育実習に行った人は人間的に成長したとみんな言っていますね。そういう部分では教職を取って本当によかったと思っています。
――教職を持っていることはプロでやる上で安心感はありますか?
兵藤:
早稲田大学卒業ということも大きいと思うし、それなりの準備はできているからサッカーに集中できるというのは大きいですね。
――20年先の理想というのは?
鈴木:
俺はサッカーに関わっていきたくて体育の先生とかもいいですけど、指導者になっていたいですね。監督まで行ければいいですけど、指導者と言う立場を考えています。
兵藤:
現実的なんですけど、プロでできるだけ活躍してそれなりに貯金したいですね。プロ生活中はサッカーをしているのは一日2時間くらいなので、自由な時間で資格を取りたいですね。最終的には僕もサッカーに携っていきたいんですけど勉強も続けていきたいです。
――プロの世界は厳しいと思いますが必要なこととは。
鈴木:
仕事なんでひたむきに頑張ることですね。
兵藤:
プロの世界は監督変わるのでそれぞれの監督の考えに柔軟に対応できることはプロとして長くやるためには大事なことだと思いますね。それ以前に技術とかも必要なんですけど、そこらへんじゃないですかね。
――これから大卒を選択する高校生へのメッセージをお願いします。
鈴木:
そんなことを言える立場じゃないです(笑)。最近では高校でプロに行ける選手が大学を選択することは増えつつあると思うんですが、そういう人が大学来てプロに行けなかったことがないように頑張って欲しいです。
兵藤:
結局は自分の気持ち次第ですべてが変わると思います。サッカーが好きなら大学来ても続けられると思いますし、その気持ちを継続できるかということですね。
「結局は自分の気持ち次第」。彼らの大学時代を象徴する言葉ではないだろうか。大学という限られた環境の中において葛藤しながらも自分と向き合い技術面においても精神面においても大きな成長を遂げた。大学という舞台で培った自分自身で考え判断し行動する能力は、厳しいプロの世界においてもきっと大きな意味を持つに違いない。彼らがJの舞台で活躍する日が待ち遠しい。
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