早稲田を牽引する主将の兵藤。今年は主将として自らがチームを鼓舞し、精神面からも選手達を引っ張っている。抜群のキープ力からドリブル、両足から放たれる精度の高いシュートまでその類まれなサッカーセンスはいまや大学を代表する存在である。今回はそんな兵藤に前期リーグの総括から早慶戦に対する意気込みについて語ってもらった。
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出身校 国見高校
スポーツ科学部4年 兵藤慎剛選手
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――前期リーグ(首位に勝ち点2差、4位)の結果についてはどのように思われますか?
早稲田であればもっとできると思いますね。取りこぼした試合というのもかなり多いですし。後期はそのような試合をなくしていかないと優勝は出来ないと思います。
――リーグ戦の終盤にかけて3連敗をしてしまいましたが?
あの時は雰囲気が悪かったですね。選手も試合中に何をしなきゃわからなくて。試合自体もそういう部分で個人として戦っていたので、そこが良くなかったと思います。
――早稲田はチームとしておとなしいという印象を受けるのですが。
自分としてはもっと感情を表に出してくれるほうがうれしいんですけど、確かにおとなしいかなと。その点では、自分がもっと声を出してチームが活気づくようにしていきたいです。
――試合中はどのようなことを考えてプレーしていますか?
そうですね、大事なところで仕事が出来る選手になりたいし、チームが苦しいときに助けてあげられるようなプレーができればいいなって思っています。
――前期リーグでは多くの得点も記録しましたが(前期終了時得点ランキング1位)。
まだまだですね。決められるシーンとかはまだたくさんあったし、さらに精度をあげていきたいですね。
――チームとして得点の多さ(リーグ最多得点26)と同時に失点(18)も目立ちましたが。
守備の面で組織として守れていない部分があるので、もっと練習からコミュニケーションとっていかないとですね。やりたいことをお互いに伝えていかないとディフェンスは出来ないですから。そういうところが前期はなかったというか、練習中から少なかったと思うので、選手達が言い合うことができる環境を自分達で作っていかなければならないですね。
――練習中はどのようにコミュニケーションをとっているのですか?
紅白戦するときにはパスがずれたらそこで話してもっとここに出してくれというのは言いますね。
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チームが苦しいときに助けてあげられるようなプレーをしたい。
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――今年は大学生として最終学年を迎えましたが個人として感じる変化はありますか?
そうですね、1、2年の時は、パスが中心で自分でそこまでに点を取れる選手ではなかったんですけど、3年生くらいから自分で点を取らなきゃっていう意識は芽生えました。得点を取る意識というのは一年生の時と比べたらかなり代わっていますね。
――これまでの早慶戦で印象に残った試合はありますか?
(一年生の頃の)引き分けの試合ですかね。普通に早稲田が勝てる試合だったのに、(慶應は)早慶戦になったら力が出てきて追いつかれて2−2にされましたから。早慶戦の雰囲気をすごく感じましたね。
――早慶戦に思い入れはありますか?
一年の時は普通の試合だと思っていたんですけど、時を重ねるごとに早慶戦っていうのがどういうものなのかがわかってきて。他のいろんな部活にも早慶戦があると思うんですけど、その中でも国立で試合ができるということにも伝統を感じますね。
――今年の早慶戦の意気込みは。
とりあえずチームが勝つことが第一で、MVPってわけじゃないですけど自分が点を取りたいなって思っています。それと今年が最後なんで楽しみながら戦いたいですね。
――それでは最後に早稲田の学生に対してメッセージをお願いします。
サッカーも野球に負けないように観客の皆さんを楽しませるようなプレーをできるよう頑張るので見に来てください。そして、早慶戦だけじゃなくて早慶戦を通して大学リーグも見に来てほしいですね。
「勝利に対するこだわり」。それがなによりも兵藤という人間を象徴している。試合に負けたときは全身で悔しさを表し、チームを刺激し勝利に対する貪欲な姿勢を植えつけようとする。早慶戦の大舞台ではキャプテンとしてそのアグレッシブな姿勢からパスにシュートにとピッチを縦横無尽に駆け回る兵藤が早稲田を勝利へと導いてくれるに違いない。
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