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[ア式蹴球部特集] 「Retador」

早慶戦直前!鈴木修人選手インタビュー


 右足から放たれるサイドへの的確なロングボール。それがいまや鈴木の代名詞となっている。早稲田の攻撃のリズムを作り出し、ひとつのキックで試合の流れをも変えてしまう。しかし、今年はボランチの一角として攻撃面だけでなく献身的な守備からもチームを支えている。その活躍が認められ先日行われたオリンピック予選では代表選手として日の丸をつけピッチへと立った。今回のインタビューではリーグ戦、代表での経験、さらには来たる早慶戦に対する意気込みについて語ってもらった。


 

出身校 市立船橋高校
スポーツ科学部4年 鈴木修人選手

――前期リーグは4位(首位の流通経済大に勝ち点差2)で折り返しましたが、結果についてはどのように思われますか?
 はじめのほうは連勝していい形で勝てていたんですけど、三連敗したあたりからうまくいかなくて。でも、みんなでミーティングをして立て直すことができたのでよかったと思います。首位との勝ち点差もあまり開いてないんで結果としてはまずまずかなって。

――ご自身の活躍については?
 良いときと悪いときの差が激しかったですね。もっとボールに触っていい試合もあったと思うし、自分の持ち味を出せていない試合も結構あったので課題は残りました。これからが大事になってくると思います。

――副キャプテンという立場を任されましたが、意識しているのはどのようなことですか?
 キャプテンをサポートすることですね。キャプテンが言うことをフォローしたり、チームの雰囲気を良くすることを心掛けています。

――早稲田において勝つ試合と負ける試合のポイントをひとつあげるとしたらどのようなところですか?
 早稲田は元気ない時は(雰囲気で)すぐわかるし、そういう部分で負けていると思いますね。だから、精神的な部分でチームとしてもっとレベルアップしなきゃいけないし、苦しい状況でこそみんなで頑張れるような力をつけなければならないと思います。

――鈴木選手は積極的に声を出していますね。
 そうですね。失点したあととかは下向いていたら始まらないし、そういった部分ではねかえせるチームというのが本当に強いチームだと思っているので。

――北京五輪アジア予選のメンバーに選ばれましたが、マレーシア戦の個人的な出来というのは?
 出来は半分くらいですかね。玉際が強くてプレッシャーも速かったんで、はじめの方はダイレクトでボールをはたいていきました。そうしているうちに、慣れてきて最後の方は違和感なくプレーできました。もちろん課題も見つかったので、これからの成長が大事だなと思いました。

――展開力などご自身の長所は発揮できましたか?
 全然でなかったですね。点は取れたんですけど、それだけで終わっちゃっていたと思いますし。ポジションも代表ではオフェンシブやっていたんですけど、もっといろんなポジションをできることが必要だと感じました。

――これから代表に残っていく上で大切にしていくことというのは。
 大学で地道にやっていくことが残るって事に繋がると思います。大学生でも(代表で)全然できるというのはわかったし、プレッシャーの速さに対する対応など大学できちんとやっていれば通じるという感覚もありました。代表に入って自分が劣っているとか大学生が劣っているとは感じなかったのでとにかく頑張っていきたいですね。


 

鈴木のロングボールが攻撃にアクセントを加える

――反町康治監督(北京五輪サッカー日本代表監督)の印象というのは?
 サバサバしていてすごい知的でしたね。面白い監督でしたよ。駄目なときははっきり言うし、ズバズバいう感じでした。

――これからユニバーシアードの代表候補合宿がありますが。
 激しいスケジュールの中でもやっていかなければならないし、ユニバとかレベルの高い大会に出れることで自分にとっていろんな課題も見つかると思うので(そのような機会を)大切にしていきたいです。

――これまでの早慶戦で思い出に残る試合はありますか?
 (5−0で)大勝した去年の試合ですかね。大学の友達も大勢来てくれていてその中で自分も点を取れたという意味で思い出に残りましたね。

――早慶戦に特別な思い入れというのはありますか?
 大学のリーグとは違って点を取ったら踊ったりしてくれるので、そういった意味ではモチベーションはあがります。

――それでは最後に早慶戦の意気込みと早大生に対してのメッセージをお願いします。
 MVPとかを狙うんじゃなくてまず勝ちにいって自分が活躍できれば一番いいですね。早稲田のサッカーは見ていても楽しいと思うし、そう思われるようなサッカーを目指しているので、観客を楽しませながらも勝負では勝ちにいきます。

 大学入学時からその広い視野と展開力は早稲田にとってなくてはならない存在だった。それから4年。プレーの質はもちろん、精神的でも大きく成長を遂げようとしている。たくさんのプロがひしめく代表で積極的にアピールする姿勢は代表を目指す多くの大学生に光を当てたに違いない。早慶戦では彼のプレーから目が離せない。


(TEXT=村山裕太、PHOTO=五十嵐文子)
 


 
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