献身的なディフェンスに、ゴールへ繋がる的確なパス―攻守に渡って早稲田の要となっているのが塗師亮選手だ。1年次から冷静かつ堅実なプレーでチームに貢献し続けてきた塗師選手が、今季は主将として新しいチームを牽引している。早慶戦直前インタビュー最終回となる今回は、塗師選手に主将として前期リーグ戦を振り返ってもらうと共に、ご自身最後となる早慶戦への想いも語ってもらった。
|
|
|
塗師亮選手 プロフィール
スポーツ科学部スポーツ医科学科4年
湘南台高出身(ヴェルディユース)
|
――今シーズンは、監督の交代、昨年までの主力選手の卒業などがあり、主将としてチームをまとめるのは大変だったのではないですか?
声は他の4年生がかけてくれますし、自分は声かけて引っ張るというよりは、プレーで引っ張っていくタイプだと思うので、どんどんプレーで引っ張っていこうと思ってました。
――今井新監督のサッカーは浸透していますか?
昨年の監督のイメージやサッカーがみんなの中ですごく残っていて、はじめのうちは浸透していなかったと思います。だけど最近になって練習でもみんな意識高くしっかりやれていると思いますし、今井監督のサッカーに向かってみんなやっていると思います。
――前期リーグを振り返っていただけますか?
そうですね、良くなかったと思いますね。最後(第11節対明治大戦)勝てたっていうのはチームとして良いと思うんですけど、やっぱり連敗するっていうのはチーム状況として絶対に良くないです。
――5連敗中のチームの雰囲気は?
連敗していたら、良くはないですよね。だけど練習中は改善していこうと結構前向きに練習に取り組めていたと思います。
――その間、塗師選手は主将として心掛けた事はありましたか?
積み重ねだと思うんで、いつも通り…じゃいけないんですけど(苦笑)、変わらず声かけてやっていこうと思ってました。4年生が落ちててもみんな落ちちゃうだけだから。そこは練習中から声をかけて、自分がどんどん行こうって感じにしていました。
――4年生の中でミーティングなどはよく行うんですか?
(前期の)途中から、練習終わった後にミーティングするようになりましたね。俺は結構コートの中でやれば良いかなって感じなんですが、(他の4年生)みんなは話し合いが必要だと感じてます。自分はミーティングの場ではしっかり意見を聞いて、あとは出来るだけコートの中でみんな意識持ってやれるよう声出してやってます。
――試合では、スタメンの入れ替えが頻繁にありましたが、選手としてやりづらさなどはなかったですか?
練習で普段からいろいろ選手とはやっていて、入れ替わったとしてもその選手の特徴はみんなわかっていると思うんで、そういう部分では問題ないと思いますね。
――昨年と比べても試合に出場するメンバーが大きく変わりましたが、塗師選手ご自身がプレー面で心掛けた事はありますか?
(メンバーが)変わった事もあるので、自分の意見だけじゃなくて、相手の意見を尊重してプレーするっていう事はすごく心掛けてました。
|
|
|
プレー中は表情を変えず冷静な塗師選手だが、
インタビューでは優しい笑顔が印象的だった。
|
――今後に向けて、今のチームに一番必要なものは何だと思いますか?
自信だと思いますけどね…やっぱり。昨年からメンバーもすごく入れ替わってますが、その中でも個人としてはみんな良いものを持ってると思うんで、だから試合で自信を持ってプレーできれば、もっと面白いサッカーができるだろうし、勝利につながると思います。
――早慶戦について伺います。塗師選手にとって早慶戦とはどのような試合ですか?
やっぱりいつもと違う試合ですし、早慶戦は伝統の試合っていうのもありますし…普段の試合ももちろん負けられないんですけど、やっぱり早慶戦だとさらに負けられないっていうのが。なんかすごく「自分早稲田なんだなぁ」って感じながら試合できる一つだと思いますね。
――これまでに思い出に残っている試合はありますか?
やっぱり大勝した試合(2006年度、5−0で早大が大勝)がすごく(笑)。自分がゴールしたかなぁと思ったら島村(毅、H20スポ卒、現・湘南ベルマーレ)さんに取られてて…(笑)。それが一番ですね。
――では、今年の早慶戦に対する意気込みは?
メンバーもまだわからないので、しっかりアピールして、まずはやっぱり試合に出たいですね。国立の舞台で、みなさんの応援がある中で、自分のプレーができればいいですね。
――最後に、ファンや早稲田の学生にメッセージをお願いします。
自分たちも早稲田としての誇りを持って戦うので、早稲田生はやっぱり自分たちと一緒になって戦って欲しいです。早稲田を応援してくれる皆さんもそうですし、来てくれる人たちが楽しめる試合にしたいと思います。
新体制の下、思い通りにいかない試合が続いた前期リーグ。その中で、これまでチームに貢献し続けてきたからこそ、誰よりも塗師選手は強い歯がゆさを感じていたのではないだろうか。主将とはいえ、出場が保障されているわけではない。しかし、ユニフォームを身にまとい、ピッチに立った時にこそ強く輝く塗師選手の魅力を、国立の大舞台でより多くの方に感じてもらう事を願わずにはいられない。
関連URL
ア式蹴球部公式ホームページ
|