1区(8.0キロ)を走るのは、注目のルーキー八木勇樹(スポ1)。前回、前々回とハイペースでレースが展開された1区は、チームの流れを作る重要区間であり、準エース級選手を配置するチームも多い。入学直後は調子が上がらず他の1年生に遅れを取っていた八木だが、夏前には復調している。5000ｍ13分台、10000ｍ28分台の実力を是非とも今大会で発揮してもらいたい。

　　また、2区(5.8キロ)に選ばれたのも、八木と同じく1年生の矢澤曜(教1)だ。距離は短いが、1区の流れを引継ぎ、エース区間である3区へとタスキを渡す重要な役目を担う。矢澤は1年生ながら4月の六大学対校戦から、関東インカレ、全日本インカレと着実に経験を積んできた選手。大学初駅伝にも臆する事なく積極的なレース展開に期待したい。

　エース区間3区(8.5キロ)は、昨年同様主将の竹澤健介(スポ4)が務める。各校エース級選手が集う3区だが、五輪代表、更に早稲田ではエントリーされた選手中唯一の4年生の竹澤には区間上位の走りを求めたい。また1年生へとタスキを繋ぐ役割なので、後を走る選手の負担が少しでも減るよう流れを作る事も重要だ。

　エースからタスキを受け取る4区(6.5キロ)には今大会3人目の1年生、三田裕介(スポ1)が選ばれた。入学直後に5000ｍ、10000ｍで自己ベストを更新、その後は結果を残せていないが、夏合宿での成長を今大会で発揮したい所だ。後半戦へ入り、戦線がはっきりとし始める4区。ここで上位グループに入る事は上位入賞への最低条件だろう。

　5区(5.0キロ)は昨年度の箱根駅伝で6区区間賞の加藤創大(スポ3)が務める。最短区間ではあるが、細かなアップダウンが続く区間。またアンカーへとタスキを渡すためブレーキは許されない。昨年の出雲駅伝では1区を任されるも上位集団に大きく引き離され、悔しい思いをしている加藤。出雲の借りは出雲で、しっかりと返してもらいたい。

　最終区6区(10.2キロ)には尾�ｱ貴宏(教3)が選ばれた。出雲駅伝最長区間であり、3区と並ぶエース区間である6区には、外国人留学生をはじめ各校エース級選手が今年も配置されており、『逆転の出雲』と呼ばれるだけに大きく順位が入れ替わる可能性もある。今年の関東インカレでハーフマラソン3位に入賞している尾�ｱは安定感とラストの粘りが武器。強い気持ちで各校エースに挑み、笑顔で出雲ドームのゴールテープを切ってもらいたい。

　今大会は20回目の記念大会となり、過去の優勝校である大東文化大が招待されている。一方で5日後に箱根駅伝予選会が控えているため、上位入賞常連校である順天堂大、日本体育大は出場を見合わせている。昨年、東海大が後半型のオーダーを組み優勝を果たした影響か、今大会も後半に有力選手を並べて配置しているチームが見られる。エントリーした選手の内半分が1年生という若いオーダーで挑む早稲田だが、全体的に距離の短い今大会であれば十分に戦える。主将・竹澤がしっかりとチームをけん引し上位入賞を目指すの事はもちろんの事、今後の二つの駅伝へ向け、収穫･課題を見つけるレースにして欲しい。