愛知県名古屋市の熱田神社西門前〜三重県伊勢市の伊勢神宮内宮宇治橋前、8区間106.8キロで行われる全日本大学駅伝。昨年度、早稲田は4年ぶりに本戦へ出場し、5位という結果で今大会のシード権を獲得している。

　今大会1区を任されたのは、矢澤曜(教1)。全区間中2番目に距離が長く(14.6�q)、レースの流れを作る重要な区間であるため、安定感のある選手や外国人留学生が起用される事の多い区間である。矢澤は大学駅伝デビュー戦となった先月の出雲駅伝で2区区間13位と悔しい結果であったが、その後10月19日に行われた記録会で10000mの自己ベストを更新している。試合で10�q以上走った事がなく経験の面では不安もあるが、周りの流れに遅れる事なく、先頭から30秒前後で繋ぐ事を目指してもらいたい。
　 そして2区(13.2�q)は、昨年同区間で区間賞を獲得している主将の竹澤健介(スポ4)が務める。各校エースが集うタフな区間ではあるが、実力･経験共に超学生級の竹澤には区間上位で順位を押し上げる走りが期待できる。
　 全区間中最短区間(9.5�q)の3区には八木勇樹(スポ1)が選ばれた。前回の出雲駅伝では1区を任されたがまさかの失速で区間17位、大学駅伝の厳しさを経験した八木。今回もエースの流れを引き継ぐ重要な役割を任されたが、前回の悔しさをバネにし、本来の実力を発揮してもらいたい。
　前半戦最後となる4区(14.0�q)は、矢澤、八木と同じく1年生の三田裕介(スポ1)が務める。各チーム安定感のある選手を配置し、中盤の勝負どころと目される区間である。三田も出雲駅伝で大学駅伝デビューを果たしているため(4区区間6位)、落ち着いた走りで、後半戦へ向け良い流れを作る走りに期待したい。

　　4区終了時点で上位争いに絡む事が優勝、または来年度のシード権獲得へ向け必須条件である。この重要な前半戦に早稲田は1年生を3人起用した。出雲駅伝では前半の失速で総合11位と沈んだ早稲田だが、今大会の前半戦はそのリベンジと言えそうだ。長い距離への対応に不安は残るが、今後の箱根駅伝に向けても良い経験となる事は間違いないため、1年生には思い切った走りを期待したい。

　後半戦の5、6、7区は繋ぎの区間と言われる区間だが、この繋ぎの区間こそチーム力を問われる区間である。早稲田は5区(11.6�q)を高原聖典(人3)、6区(12.3�q)を朝日嗣也(教4)、7区(11.9�q)を三戸格(政経4)が務める。高原は昨年の全日本大学駅伝、箱根駅伝で快走し準エース級へと成長した選手だが、今季は調子が上がらず出雲駅伝では補欠にまわった。勢いのある走りが特徴の選手なので、ここで終盤へ向けチームを盛り上げてもらいたい。そして朝日、三戸は4年目にして初の学生三大駅伝出場となる。朝日は昨年末から成長を見せ、特にロードを得意とする選手。先日の記録会では10000mで自己ベストも更新している。また三戸も度々チームエントリーに名を連ねてきたが、出場は叶わず悔しい想いを続けてきた選手。戦線がはっきりとし始めるこの終盤だが、安定感のある走りで上位校に喰らいついてもらいたい。

　そして最終区、最長区間(19.7�q)の8区は関東インカレハーフマラソン3位入賞の尾�ｱ貴宏(教3)が務める。各校エースが集う最長区間で大逆転は難しいため、7区までが確実に上位で尾�ｱへタスキを渡し、ラストは粘りの走りで順位を守る事が上位入賞へ向け重要になるだろう。

　出雲駅伝では思うような結果を残す事ができなかった早稲田。しかし昨年度はこの全日本大学駅伝での好走が勢いとなり、箱根駅伝往路優勝･総合2位までチームは上昇した。今大会もチーム再浮上のきっかけとなる、実り多いレースとなる事に期待したい。