(前のページより)
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出雲では区間5位、全日本では区間6位と安定した走りを見せた。
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――大学で2つの駅伝を走ってみて率直に感じたのは?
早稲田自体、流れに乗れば良いと思うんですけど、流れに乗らなかったときにまだ立て直せるようなチームではないので、自分も含めてみんなが自分の区間で自分の力を発揮することがそのままチームの結果につながってくると思います。大学の駅伝は、距離も長くなってきてそんなに甘いものではないと思っているので、しっかりと調整をして臨みたいです。前々から思っていることですが、「自分のことを自分でしっかり把握すること」が必要になってくると思うんでしっかりやっていきたいですね。
――やはり駅伝はトラックと違って特別なものですか?
そうですね、やっぱりトラックだと自分ひとりじゃないですか。でも駅伝は、走っている時は自分ひとりですけど、一瞬でも諦められない。自分は中学の時に初めて駅伝というものをやりまして、そこから駅伝に憧れて高校に入って、それから早稲田に入って。やっぱり駅伝にかける思い入れは大きいです。
――そもそも早稲田を選んだ理由は?
竹澤さんがよく雑誌やテレビに出られていて、最初はカッコいいなっていうだけだったんですけど、どんどん自分の中で竹澤さんと早稲田大学っていう存在が大きくなっていって。やっぱり憧れの選手と走りたいと思ったのと、色々調べていくうちに、環境もすごく整っているし、授業のこととかを先輩に聞いてみてもすごく良いってことで早稲田に決めました。
――いよいよ箱根駅伝が近づいてきましたが、今現在のコンディションはいかがですか?(インタビューを行ったのは11月29日)
今は力を貯める時期だと思ってるんで、調子も悪くないですし、しっかり貯め込んで箱根駅伝に臨めたらいいなと思います。練習としては、先日の上尾ハーフで15km過ぎにガン止まりしまして(苦笑)、そのこともあって、箱根駅伝は距離も長いので今はしっかりと距離を踏んで、その中である程度のスピードで走る練習をしてます。
――長い距離への不安はありますか?
よく聞かれるんですけど、距離に対する不安というよりも、自分の中ではこの距離で自分の力をどれだけ発揮できるのかっていう「楽しみ」のほうがあって、すごい前向きに考えられているので。不安というよりは楽しみっていう感じです。
――チーム全体の状況としては?
Aチームの中でも、ほとんど全員でやっていますし、竹澤さんは飛びぬけているんですけど、他の2、3年生の先輩方含め、みんなそんなに力は変わらず似通っていると思っているので、チーム内競争も激しい中で今は高い意識でやれていると思います。
――その激しいチーム内競争を勝ち抜く自信はありますよね。
はい、自分はもう箱根駅伝を走らなければいけないものだと思っているので。箱根は絶対に出たいです!
――箱根駅伝とは三田選手にとってどんな大会ですか?
憧れの舞台の一つだとは思いますけど、長い距離を走る駅伝って感じですね(笑)。
――駅伝シーズンに入ってから、常に箱根を意識したコメントが目に付いたのですが。
前回の箱根駅伝の時点ではもう進路も決まっていて、やっぱり2番だった段階で次は優勝っていうのを意識してました。春の段階からもう(渡辺康幸)監督が「打倒駒澤でやっていく」というのをずっとおっしゃっていて、その言葉がずっと頭に残ってまして。なので「打倒駒澤」で頑張りたいと思います。
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憧れの存在だという竹澤主将と共に臨む最初で最後の箱根。狙うは優勝のみ!!
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――やはり駒澤大学に対しては特別な意識があるんですね。
ありますね。やっぱり駒澤に勝ったら優勝だろうと考えているんで、他の大学が前にいようと意識は常に駒澤大学みたいな感じですね。
――他の大学で気になる選手などはいますか?
いや、いないです。正直、相手は関係なく自分が良ければそれでいいというか。誰かのために走ろうとか思うと力みも出ますし、駅伝でも今は自分の区間でベストを尽くして役割を果たせば優勝できるチーム状況にあるんで。最終的に自分が良ければ、それがチームに貢献することにつながると思います。
――前回の箱根はどんな気持ちで見ていましたか?
直前に竹澤さんの故障のニュースを聞いた時は、これはマズいんじゃないかとは思ったんですけど、他の先輩方がすごい力のある先輩で、キャプテンの駒野(亮太、現・JR東日本)さんもしっかりと仕事をされて、その流れに乗って総合2位になれたと思うんで。今回はその上を行けるように頑張りたいです。
――走りたい区間はありますか?
やっぱり走りたい区間はエース区間だと思うんですけど、自分の今の力を分析するとそれは無理なので…。自分は結構あんまり人数がごちゃごちゃしているところだと、色々考えてしまって無駄な動きとかが出てくるんで、3人とか4人位で集中して走れるところがいいです。やっぱりそうなると、後半の8、9、10区とか…。出来れば9(区)いきたいです!!
――将来的には2区を走りたいという願望はありますか?
それはあります。きっと来年、誰がエースになるかっていうので、そういう話題になると思います。自分は今、注目されている(1年生)4人の中で一番力が下だと思っているので、そういう中でもっと頑張らないといけないですし、もっと練習しないとダメですね。
――早稲田は特にマスコミなどからの注目度も高いですが、プレッシャーは感じますか?
そんなにプレッシャーとかは感じないし、あんまり気にしない方なんで。プレッシャーというよりはそこで「(自分を)勘違いしない」ことが大切だと思います。自分はそんなに力があるわけではないですし、そこは十分自覚してるつもりです。
――今回の箱根での目標を教えてください。
自分の力を自分に任された区間で100パーセント発揮するというのが、自分の箱根での目標です。
チームとしては、もちろん総合優勝です。
――早稲田での4年間を通してどんな選手になりたいですか?
競技面だけではなくて、人間性の面でも、尊敬というか信頼されるような、「こいつに任せれば大丈夫だろう」と言われるような人間になりたいです。
――では、4年生になったら主将などもやってみたいのでは?
自分が主将というのは大丈夫なのかなっていう気がしますね。結構優柔不断ですし、無茶苦茶なところもあるんで(笑)。
――競技面での今後に向けた具体的な目標はありますか ?
やっぱり世界大会には出たいですね。今、竹澤さんが世界選手権やオリンピックに出られたりしていますけど、そういう姿を見て自分も出たいって思わない選手はいないと思うんですよ。自分も同じようにそういう大会に出たいですし、そのためにもまだ力がない分地道にやっていきたいです。
――競技を続けていく上で、最終的にはどんなランナーになりたいですか?
高橋尚子選手のような、心からたくさんの人に応援してもらえるような選手ですね。まあでも、将来的な目標は「幸せな家庭を持つこと」です(笑)。そこは譲れないです。
――最後に、応援してくださる方へのメッセージをお願いします。
自分の力を100パーセント発揮できるよう頑張りますので、よろしくお願いします!!
輝かしい実績を持つ実力者ながらも、「自分はまだまだ力のない選手」とあくまで謙虚な態度を貫く姿には非常に好感を抱かせる。さらに、「自分自身を把握し分析することができる冷静さ」も持つ三田選手は、今後も確実に進化を続けていくに違いない。今回の箱根で悲願の総合優勝を目指すチームにおいても、三田選手を始めとする1年生の活躍が大きな鍵となるだろう。ルーキーらしい思い切った走りで、初の箱根路を駆け抜けて欲しい。
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