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2009箱根駅伝特集 

箱根駅伝直前!! 三輪真之選手インタビュー

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昨年度の箱根では9区で駒澤・堺選手に抜かれ、   トップの座を明け渡してしまった。

――箱根についてお話を伺います。高校までは箱根駅伝にどのようなイメージを持っていましたか?
 石川県は陸上が弱い県だったんですけど、高校時代はその中で一番とかで走ってたので、箱根は簡単に出られるだろうって、出るの当たり前だろうとか思ってたんですけど(笑)。早稲田に入った瞬間に、最初Bチームで、しかもその上に20人くらいAチームがいて、「箱根に出られるの10人だよな…」ってそこで現実を知りました。1年の時は出られると思ってなかったので、いつか出られたらいいなぁとか思ってて。

――結果的には1年生からメンバーに選ばれましたよね。
 本当は走る予定じゃなかったんですけど、チーム状況で出ざるを得ない感じで。嬉しいっていうよりも、本当に僕で良いのかなって、不安しかなかったですね。前日とかも「どうしよう、どうしよう。20キロ完走できるかな。」っていう感じで、良いイメージが湧かなかったです。

――2年目にはメンバー落ちも経験されましたが。
 正直2年の時はすごい自信があったんです。本番の1ヶ月くらい前に結構練習を積むんですけど、それも先頭の方で走ってて、調子も良くて、絶対選ばれるだろうと思ってたんです。その年は怪我人も少なくて、チーム状況も良かったんですけど、それでも走れるだろうなって甘い考えでいたら外されて。正直その時は、2,3日現実を受け入れられなかったです、腐りそうにもなりました。けどそこで朝日(嗣也、教4)といろいろ喋ってたら、「出られない選手や、選考にすらかからない選手ももっといるんだぞ。」って話を聞いて、そこで「そうだな、来年一緒に出ようや。」って。

――先ほどの竹澤さんの話もそうですが、いつも三輪さんの周りには救ってくれる仲間がいますね。
 周りの人に恵まれてるなって思います。自分一人じゃやっぱ、人間って何もできないし、4年間やってきて、周りの人がいないと箱根駅伝も成り立たないなって。

――昨年の箱根は2位で良い結果でしたよね。
 逆にそういうので済まされたっていうのがちょっとつらかったですよね。僕が抜かれて2位になったにも関わらず、周りの方は「よくやったぞ」って褒めてくれたのが僕の中では疑問っていうか…自分の中では満足してないのに。嬉しいのは嬉しいんですけど、ちょっとなんかモヤモヤが残る感じで。

――抜かれた事は三輪さんだけの責任ではないですよね?
 いや、周りはそう言ってくださるんですけど…。結果的には僕が抜かれなければそれで済む話なので、やっぱり力不足っていうのはすごく感じましたね。

――今季は出雲、全日本と駅伝への出場がありませんでしたが…。
 国体などがあってメンバーから外されたので、理由もわかっていたし、大会を迎えるまでは「頑張ってくれ」って、別に悔しい気持ちはなかったです。けど当日にみんなの走りをテレビでずっと見てて、全日本ではずっと先頭の方走って、ばんばんテレビに映って、結果も良くて…やっぱりそれを見た瞬間に火がつきましたね。Bチームのメンバーとかも刺激されて、あの後結構記録伸ばしてますし。あの試合で良い風にみんな変わってきましたね。みんな嬉しいけど悔しいって感じで。

――では箱根に向けての今のチーム状況はいかがですか?
 1年生が元気ある感じなんですけど、ここにきて4年生がすごい盛り返してきて。1年生ばんばん出してしまうチームだと、やっぱり本番怖いっていうイメージがあるので。まぁ自分が経験したのもあるんですけど、1年であの舞台って緊張とか、結構気が重いと思うんです。今年の前半戦は1年ばっかり走ってましたけど、今は4年とか3年もすごく調子上がって走れるようになってきてます。各学年が頑張って、上が引っ張るって形になってきているので、バランスも取れてると思います。

――ご自身のコンディションはいかがでしょうか?(取材を行ったのは11月29日)
 順調に練習も詰めてるので、故障さえなければ。山上りなら駒野さんとまではいかないですけど、80分切りはしたいなと。もう最後なので、コンディション作りでも本当に後悔したくないので。

        自称“競走部一熱い男”の三輪選手。   最後の箱根でも熱い走りに期待したい。

――山上りへのこだわりは?
 僕が高校2年か3年の時に、順天堂大で今井(正人、現・トヨタ自動車九州)さんが山上ってるの見て、すごいかっこいいな、あんな風になりたいなって思って。こだわりというか、走りたいなっていう憧れがありました。

――最後の箱根駅伝にかける想いを聞かせてください。
 そうですね、10年間陸上やってきたんですけど、その10年間やってきた答えを、あの場所で出したい。その答えっていうのは「優勝」の二文字なんですけど。

――では最後に、早稲田ファン、三輪さんファンの方々に一言お願いします。
 ずっと弱い時から応援してくれたOBとか校友会とか、サポートしてくれた人にはすごく感謝したいですね。16年ぶりになるんですかね、もし総合優勝したら。「16年間お待たせしました。」と言いたいですね、優勝するにあたって。


 就活の話をした時、「他の学生よりきっと楽して決まってます…。」と謙遜していた三輪選手。しかし、陸上競技や箱根駅伝に対する熱い想いや真面目な姿勢、仲間を大切にする明るい性格、悔しい経験も乗り越えてきた強さなど、そんな三輪選手の魅力が面接官にもしっかりと伝わったのだろう。引退レースは都道府県駅伝になるそうだが、エンジのWでの走りは箱根駅伝が最後。三輪選手の心からの笑顔が見られるよう、悔いのない走りで有終の美を是非とも飾ってもらいたい。

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(TEXT= 神崎風子、PHOTO=五十嵐文子(WILLWIN OG)、岡崎聡
 


 
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