ワセダウィルウィンがお送りする早慶サッカー定期戦直前インタビュー。第1回目に登場して頂くのは、キャプテンの岡根直哉(スポ4)選手。190cmという長身を活かしたパワフルなディフェンスに加え、足元での高い技術とフィード力も併せ持つ大型センターバックは、今季はケガで序盤こそ出遅れたものの、その後ボランチという新境地も開拓しチームを支えている。来年度からはJ1・清水エスパルスへの加入も内定している岡根選手に、リーグ戦前期のチームの戦いについて、そして自身最後となる早慶定期戦への想いを聞かせて頂いた。
|
|
|
岡根直哉選手 プロフィール
スポーツ科学部4年
初芝橋本高校出身
|
――まず始めに、今季のこれまでのチームの戦いぶりを振り返ってみての感想は?(取材を行ったのは6月18日)
僕は直接試合に出てできたのはまだ1試合とちょっとだけなんですけど、見ている限り試合の内容は際立って良い試合はまだ多くなかったですけど、戦う姿勢とか粘り強い気持ちとか、そういった部分が去年とは違ってみんなで試合に勝ちにいっているというか、一つにまとまって組織として動けているんで、去年、一昨年までの積み重ねがない中では、チーム全体が選手が主体的になってやれてると思うんですけど、結果が出てないんで何とも言えないですね。
――ケガで離脱している間、チームをグラウンドの外から客観的に見ていて感じたことは?
今年は自分の中では(チームとして)全く積み重ねがないと思ってたんで、その中ではよくやっていたと思うんですけど、今までとはガラッと変わっているから、やっぱりそういった面で、自分達のやっているサッカーに対する自信とか、個人に対するプレーへの自信っていうのを持ってもっと思いきりやった方がいいし、ちょっとボールを受けるのが怖がったりして消極的になってるなとは思いました。
――チームを離れている間は、どのような心境でチームの活躍を見ていましたか?
去年とか試合を見ていても、自分が出ていなかったときは正直素直に応援できなかった部分もあったんですけど、今年は心から勝ってほしいと応援してるし、それに自分が出て勝てれば最高ですね。ケガしてたんで試合には関われなかったですけど、自分に出来ることを考えながらやってました。
――今年度から古賀聡新監督が就任しましたが、昨年までと比べてチームの雰囲気などに変化はありましたか?
ありますね。みんな楽しくサッカーできてるんで、下を向いたり首をひねりながら練習している人もいないし、みんなでサッカーを楽しめてると思います。そういう良い環境や雰囲気にしてくれて、監督を含めそこは感謝してます。
――古賀監督はどんな方ですか?
見たまんま真面目な方ですけど、たまにちょいちょいボケてくるんですけど、その辺をどうやって返したらいいかまだ誰も掴めてないですね(笑)。あとは、監督は「選手が主体性を持ってやれ」ということを言っていて、あれやれこれやれ言わない人なんで、自分達四年生が中心となって考えながらやってます。
――岡根選手自身は、リーグ戦第9節(5月23日、対明大戦)に復帰されましたが、ご自身のプレーについての評価は?
復帰して時間も経ってないですし、まだ完治しているわけではないので、自分自身のマックスなコンディションではないですけど、現状でのマックスは出せていると思うので、あとは試合をこなして試合勘を戻していけたらもっと良いプレーができると思います。まだセンターバックでは一試合も出てないんで、ポジションは違いますけど、ボランチでも自分の良さは出せると思うし、自分でもボランチはできると思ってたんで、幅も広がると思うし、そういったチャンスやきっかけを与えてくれたんで、ある程度は出来てると思いますけど、もっと出来ると思います。
――ボランチでのプレーはいかがですか?
自分はアンカーというか、ディフェンスラインの前でバランスを取りながら守備を起点にやっていかなければダメだと思いますし、それに(自分に求められているのは)ビルドアップというか、組み立てていくプレーだと思うんで、多くボールを触ってスムーズにボールが回るように、カウンターに徹してっていうのはある程度出来ていると思うんで、あとは得点に絡むプレーをしたいなと思います。
――グラウンドの中で心掛けていることは?
負けていたりとかどんな状況でも、楽しくやるっていうのが一番大事にしてることですね。楽しくないとやっている意味がないんで、どんな試合でも楽しんでやれたらなと思ってます。
――今後に向けて、チームとして高めていきたい部分や課題は?
課題は全てですけど、チームに関して言えば来年、再来年と続いていくし、もし今年結果が出なくても来年以降に積み重ねていけたらなと思っているんで、そういうチームのベースを作るっていうのが今年のチームの目標でもあるので、今年だけに限らずそういうベースを作れたらなと思います。
|
|
|
ケガから復帰してまだ1カ月弱。自身のコンディションはまだまだだという。
|
――話は変わりますが、4月上旬に岡根選手のJ1・清水エスパルス入団が発表されました。改めて、プロ入りが決まった心境は?
まだ内定しただけで実感は湧かないし、強化指定選手(08年〜10年)としてお世話になっていたので、向こうに行っても実感が湧くか分からないですけど。高校でプロになれなくて、それで大学に来て後がない状況だったんで、自分の目標の最低ラインは達成できたので、ホッとしています。
――練習参加などを通じて感じた清水エスパルスの雰囲気は?
レベルが高い選手ばっかりなんで、いつ行っても緊張感を持って出来るんで、そのおかげで去年とか試合に出てない時でもモチベーションを保てたし、自分が大学である程度プレー出来ても、上のレベルっていうのを知っている分、満足せずにもっと上を見て貪欲に出来るので、そういう環境を与えてくれてありがたいと思います。
――プロの選手とのプレーから感じたことは?
課題は色々ありますけど、一番感じたのは、日本トップクラスのセンターバックは人に対する『強さ』っていうのは全然違いました。僕が1年目の時は高木和道(現:ガンバ大阪)さんもいたし、一番びっくりしたのは青山(直晃、清水エスパルス)君の強さっていうのを近くで見て、自分のプレーと比較してみたら全然違うものだったんで、やっぱりセンターバックは人に強くないといけないって改めて思いました。今まではボールに触るのが好きだったんで、そういうものはあまり重視してなかったんですけど、トップクラスのセンターバックは強さが必要なんだなと感じました。
――ここからは早慶戦について伺います。過去三年間を振り返ってみて、早慶戦の思い出や印象は?
一年の時にベンチ入り出来たんで、ベンチからああいう光景を見て次の年からは出られるものだと思ってたんですけど、二年では10分位しか出てないし、三年はスタンドの方で売り子をしてたし、そういった面で色々な事を経験出来て、早慶戦への憧れはありました。やっと今年は自分が中心となって戦えるので、初めての経験なんでどんな感じか分からないですけど、すごい楽しみです。
――前期リーグでの慶應との対戦は惜敗(●0-1)でしたが、今年の慶大の印象は?
去年よりは力は少し落ちていると思うんですけど、前期も負けてるんで、僕は出てないから分からないですけど、ボランチで出たら絶対に河井(陽介、慶大3年)には何もやらせたくないと思っているので、河井とマッチアップしてみたいなと思います。
――河井選手も同じ清水エスパルスの強化指定選手ということで、仲も良いんですか?
仲は良いですけどあいつはエリートなんで、エリートには負けたくないです(笑)。
――勝負のポイントは、やはり河井選手を封じられるかですか?
そうですね。あいつにボールを入れさせなかったり触らせなかったら、多分相手は機能しないと思うんで、前期もある程度そういうことは出来てましたけど、うちがそれ以上に出来てなかったんで。また慶應との試合で、この2カ月でどれくらい成長したか分かると思うんで、そういった面は楽しみです。
――早稲田としては、どのような戦いをしたいですか?
観客も大勢来てくれると思うんで、勝ちにこだわるのはもちろんですけど、見て楽しんでもらえるようなサッカーをしないと意味がないんで、僕が前で出たら色々な攻撃を仕掛けて、魅せるサッカーが出来たらなと思います。
―個人的な目標は?
点取りたいっすね、とりあえず(笑)。まだ点取ってないんで。
―最後に、試合を見に来てくれるア式ファンや早大生にメッセージをお願いします。
見に来てもらえたら、試合を見て何か感じてもらえるようなプレーをしたいと思ってるんで、当日は応援よろしくお願いします!!
ケガによる離脱や出場機会に恵まれない不遇な時期。人一倍悔しさや辛い経験をし、様々な苦境を一つ一つ乗り越えてきたからこそ、岡根選手は今「楽しんで」サッカーができる喜びを噛みしめている。チームの主将として臨む、自身最後の早慶戦。チーム全体が心から楽しんでプレーし、そして試合終了の瞬間、聖地・国立のピッチに岡根選手の笑顔があることを期待したい。
関連URL
ア式蹴球部公式ホームページ
|