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競走部駅伝特集〜襷にかける誓い〜

ちょっと箱根を振り返りましょう 〜箱根今昔〜

 一年という月日は長いのか短いのか、今年も一年が幕を閉じようとしています。ゆく年があればくる年があるのは世の常で、私たちは新たな年を迎えようとしています。「新春」そうです。いよいよこの季節がやってきたのです。


 

 「箱根駅伝」この単語に身震いする方もいらっしゃるのではないでしょうか。毎年、数々のドラマを生み出し、数々の感動を生みだすこの箱根駅伝は日本において、はたまた世界において最も成功した学生スポーツの1つと言っても過言ではないでしょう。普段陸上競技を見ない私でさえ、正月は決まってテレビの前に座わり、選手達の雄姿を見てしまうし、箱根駅伝をきっかけに早稲田を目指したという人間を私は知っています。ここまでに市民権を得た箱根駅伝にはもちろんのこと長く輝かしい歴史があるのです。今回は少しその歴史を振り返ってみます。

 巷でよく使用される「箱根駅伝」という単語、実は正式名称ではなく、正式には「東京箱根間往復大学駅伝競走」というのです。ご存じない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。また気付かない方も多いかと思いますが、箱根駅伝には関東の大学しか出場できず(他地域の大学も招待参加はあり)、日本全国的に知名度、人気が上がってきたのは近年のことなのです。

 そんな箱根駅伝の第1回大会が開催されたのは今より90年前の1920年(大正9年)のことでした。私のおばあちゃんが大正14年生まれなので、私のおばあちゃんが生まれるより前に箱根駅伝は始まっていたのですね。また、1920年という年を歴史的な視点から見てみると、日本が国際連盟(今の国際連合)に加盟した年であり、アメリカでラジオ放送が開始された年(日本は1925年)でもあります。こう歴史を見てゆくと箱根駅伝の歴史の深さというものが肌で感じることができるのではないでしょうか。第1回大会では早稲田を含む4校(東京高等師範学校、明治、早稲田、慶應)しか出場せず、開催日時も今のように1月2・3日ではなく、なんと2月14日というバレンタインデーに開催されていたのです。そのころ現在のようなバレンタインの風習は無かったのですかね。

 その後、第10回大会には9校が参加し、30回大会には15校、そして86回大会となった今年の大会には20校が参加すると言ったように着実に参加校を増やし、箱根駅伝の規模というものは次第に大きくなっていったのです。その間には戦争という悲しい歴史もあり、1941年、42年、44年、45年、46年は箱根駅伝が開催されないという事態が起きました。1943年には戦時中の影響もあり靖国神社-箱根神社間往復関東学徒鍛錬継走大会が箱根駅伝に代わって(この大会、早稲田は11チーム中7位)実施されました。戦時中でも代わりが実施されるほどの箱根駅伝の影響力、また箱根駅伝を中止に追いやるまでの戦争というものの悲惨さが感じられますね。


 

 ちなみに第1回の優勝校は東京高等師範学校(今の筑波大学)であり、早稲田大学は3位、その後、早稲田大学の初優勝は第3回大会のことでした。その第3回からの早稲田大学の総合優勝回数は12回を数え、トップの中央大の14回に次いで2番目なのです。これだけ見れば早稲田=常勝軍団というイメージが湧くのではないでしょうか。

 しかし、わが母校早稲田大学は平成5年大会を最後に総合優勝を果たしていないのです。平成5年がどのような年であったかというと、現在の皇太子が雅子様とご成婚をし、レインボーブリッジが開通、ドーハの悲劇が起き、歌手のZARDさんが「負けないで」を発売した年でありました。みなさんこれを聞けば、早稲田の総合優勝というものがどれだけの期間なされてないかということがわかるでしょう。更に言ってしまえば、平成5年とは渡辺康幸現監督が当時大学1年生で花の2区を駆け抜けた年でもあるのです。これ以降、早稲田の箱根駅伝はいわゆる「冬の時代」を迎えることとなりました。それを象徴するのが79回大会からの4戦連続のシード権落ち。私自身全く記憶が無いのですが、これは相当な寂寥感であったと、ある箱根ファンは言っていました。

 その頃からのファンは今年の早稲田大学競走部の大活躍を果たして想像できたでしょうか。学生3大駅伝の2つをすでに制し、箱根駅伝での3冠を狙っている早稲田大学を。恐らく多くの人が早稲田を優勝候補に挙げているはず(それも筆頭候補に)。その答えは来年の1月2、3日に分かります!皆さんぜひとも心からの声援を届けてください。現地に行けないそこのあなた!大丈夫です。選手と私たちの心はもうひとつにつながっているのだから。

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト
箱根駅伝大会公式ウェブサイト

(TEXT=鈴木雄介、PHOTO=田辺里奈(WillWinOG))
 


 
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