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 鍛え上げられた肉体を持つ選手たちが激しい戦いを繰り広げ、時には「水中の格闘技」と称される"水球"――
今回は、水泳部水球部門木下智貴主将にチームのことから水球の魅力まで幅広く語っていただきました。






 
木下智貴選手プロフィール
スポーツ科学部4年
埼玉県立伊奈学園高校出身

――水球を始められたのはいつでしょうか
 小学校4年生の時です。

――きっかけは
 僕の父も水球をやっていて、その父の高校時代の先輩がある少年団の監督になるという事で、どうだと誘われて。最初は遊びに行く感覚で行ったんですけど、そのうち本格的にやり始めました。

――大学まで続けようと思ったのはいつ
 高校ぐらいの時ですかね。

――何かきっかけはあったんですか
 高校がまあまあ強いところで、先輩が早稲田に行く人が多くて、憧れもあったので早稲田に行きたいなと思いました。

――新入生として入った時に早稲田のチームの印象はいかがでしたか
 監督とかが常任ではなくて、平日とかはキャプテンが毎回メニューを作って主に選手中心でやっているので、すごく自主性と協調性があるなと思いました。

――いま、ご自身が主将をやられていますが、現在のチームの雰囲気はいかがですか
 あんまり縦関係もきつくなくて、良い感じでチーム作りができているなと思います。

――ご自身はどんなタイプの主将
 どんなタイプですか・・(悩む木下主将に代わって、近くにいた選手が「明るくて面倒見の良い主将です。みんな元気になります!」と答えてくださいました!)・・という事です(笑)



――日常生活についてもお聞きしたいんですが、寮での生活はいかがですか
 そうですね、1年生の時は、雑用みたいなのは1年生がやっているのですごい大変なんですけど、1人暮らしとか実家よりも、仲の良い友達とか同世代が一緒にいてゲームやったりとかしてるんで、すごい楽しいです。

――部屋割はどのように決めている
 部屋割は上級生が決めます。でも、好き好みとかじゃなくて、同じ部屋になってない人がでないようにやってます。

――上下関係はいかがですか
 ないわけではないんですが、たぶんすごくあるわけでもなくて程良く。先輩が後輩に理不尽な事は言わないですね。

――学年によって特色があったりしますか
 だいたい一緒ですかね。

――競泳部門の方々も一緒に寮で生活されているようですが、競泳部門の方々はどのような存在
 こっちは競技の中に球技があるので遊びも含まれるんですよ。例えばよくやるのがレクリエーション的なので、水の中でサッカーするんですよ。で、そういう遊びの部分もあってみんな結構楽しみながらやってるんですけど、競泳のほうはストイックな人が多いので、全然タイプが違うんです。けど、だからこそなんか面白いというか。また別の話が生まれたりとか、最近どう?とか話ができるんで、面白いですね。





 
毎日、ハイレベルな練習が行われている

――練習については、キャプテンが練習メニューを決めているというお話がでましたが、具体的にはどんな練習があるんですか
 基本的には、学校があるときは朝の練習と午後の練習が2回あるんですけど、朝はスイムと言ってただ泳ぐだけを中心にやっていて、午後はウエイトトレーニングを中心にやっています。で、水曜日と土曜日と日曜日は、プールでのボールを使った練習という風な分け方でやってます。

――スイムとウエイトと水球という分け方なのですね
 3つをローテンションでやっています。あとは、巻き足っていう立ち泳ぎがあるんですけど、それを10キロとか15キロの重りを持ってやったり、5キロの重いボールがあるんですけど、それを水につけないように水の中でなげあったりとか。あとは、アニマルっていう通称の練習があるんですけど、なんでもありな野獣のごとくつぶし合うっていう練習で、本当はファールとかあるんですけど、関係なくつぶし合って、肉体的にも精神的にも強くなるみたいな(笑)みんなが嫌がる練習なんですけど。

――一番つらい練習というのは・・
 アニマルですかね(笑)




――試合についてもお伺いしたいんですが、1年間の主な大会を教えてください。
 今年から少し変わりまして、1月の終わりぐらいから東日本リーグといって、東日本の社会人を含めた全部のチームでやる試合があって、それが震災前、3月の頭ぐらいに終わりました。で、ちょっと空いて、例年だったら5月に早慶戦があって、同時期ぐらいから毎週土曜と日曜日に関東学生リーグっていう関東周辺の大学生のリーグ戦があって、それが7月ぐらいまであります。で、そのあとは10月にある日本選手権の予選会が8月ぐらいにあって、9月のあたまに大学のナンバー1を決めるインカレ。10月には日本選手権といって、社会人も含めた日本一を決める試合があります。

――今年度の水球部門の目標は
 全国制覇です!

――そのためにどんなチーム作りをしていきたい
 いつもだったら早稲田は少数精鋭みたいな感じで、水球は7人でやるんですけど9人しかいなかったりしてやるっていう風な他大学からのイメージだったりしたんですけど、今年は1年生を含めて17人いて、レギュラー争いも熾烈になってますし、13人しかベンチに入れないので、13人争いっていうのも結構熾烈になっていて、選手層が厚いチームになっていくんじゃないかなって。なので、チーム内の活性化を心掛けてます。

――スローガンはありますか
 スローガンはないんですけど、一番最初に決めたのが、抽象的なんですけど、「応援されるチームを目指そう」っていうので。例えば1つ1つの言動とかもそうですけど、茶髪でピアスで服とかもだらしなくて「がんばります」って言っても誰も応援してくれないと思うので、正式な場の時にはしっかりとした学生らしい、スポーツマンらしい服装をするとかだったり、最近は近隣の小中学校とか地域の方々との交流を深めて、その方たちも応援してくださるようなチームを目指して、その応援される力を糧にがんばっていこうよっていうのを言ってます。

――全国制覇を目標として掲げられていましたが、その上で最大のライバルは
 やはり、日本体育大学ですかね。あそこが過去にギネス記録を作ったんですよ。21年間負けないで、400近い連勝記録を持ってるんです。そういう伝統があるチームなんで、強敵ですね。

――以前、試合を見させて頂いた時、ご家族の大きな声援が聞こえましたが、試合中の声援は励みになりますか
 そうですね、あんまり試合にはいちゃってる時は聞こえないんですけど、試合の合間に聞こえてくると力になりますね。

――早稲田の学生にも、近隣の方にも応援に来てほしいという気持ちは
 あります!前に、近隣の方には来て頂いて応援して頂きました。

――水球を見る側の魅力を教えてください
 水球は水の中で、しかも足がつかないプールで行うっていう事で不自由な部分が多いんですけど、たぶん泳げない人にとったらなんでこんなスピードで!とかなんでこんな浮けるんだ!っていう部分が魅力的であると思います。またその水の中で何が起こってるか分からないんですよ。なんでもありなので、そこをこんな事されてるんじゃないかとか想像したりとか、あとアニマルまでいかないですけど激しいプレーが試合でもあるので、そういうところをみてもらいたいなと思います。

――水球をやる側の魅力とは
 やっぱり水の中は無条件に抵抗があるので、いかにして相手の力を利用して楽するかっていうところであったり、相手の隙をみて、相手がよそ見してるときにちょっとでもいなくなれば相手も分からなくなるので、そういう相手を欺くプレーが容易にできるところですね。また、ある程度までバイオレンスの部分が認められているので、相手を少し傷つける事によって相手の体力を減らして、後半こっちの有利の展開に進めるという風に、バイオレンスの部分もただ殴るとかただ沈めるとかいうのではなくて戦術に基づいた攻撃的なものっていうのが魅力的だと思います。

――最後に一言、メッセージをお願いします
 あんまり水球っていう競技はみなさんご存じではないかと思うんですけど、僕の友達とかも初めて見に来たって人はすごいはまってくれて何回でも来てくれる人がいるんで、1回是非足を運んでいただいたり、もしくはyoutubeとかでこんな感じなんじゃないかなっていうのを見て頂ければと思います。

 目標は「全国制覇」と力強く語れるのは"強豪・早稲田"だからこそ。その強さは仲間と共に選手たちが自らで考え、積み上げてきた練習と"応援されるチームを目指そう"という真摯さに裏付けられているようです。水上だけでなく水面下での"見えない戦い"を制し、いざ頂点へ!

関連URL
早稲田大学水泳部水球部門ホームページ

 

(TEXT=平尾実夏、PHOTO=磯綾乃)

 

 


 
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