10月10日、大学三大駅伝開幕戦となる第23回出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)が行われた。今年の出雲駅伝は、昨年に続き優勝を狙う早稲田大学を筆頭に、トラックシーズンで高記録を連発し波に乗る駒澤大学、エース柏原を中心に初の優勝を狙う東洋大学などを含めた全21チームが島根県の出雲大社〜出雲ドーム間・44.5�qを6区間で襷をつないだ。

　前半での出遅れを避けるため、1区にはチームのナンバーワンエースへと成長を遂げた大迫傑(スポ2)が登場。序盤から集団の先頭付近で快調な走りを見せていた大迫は、3km以降も拓大・モゼに続く2位の位置をキープ。しかし、モゼのスピードについていけず徐々に遅れをとり始めると、5km過ぎには第一工大・ジュグナに追いつかれ3位に後退。後半は苦しい表情と共に我慢の走りとなったが、最後はエースとしての粘りを見せ、トップ・拓大とは13秒差の3位(日本人1位)で2区に襷を託した。
　続く2区には最上級生の矢澤曜(教4)が登場。早々に第一工大をかわし安定した走りでレースを展開していた矢澤は、2km過ぎで青山学院大に追いつかれ3位に後退するも、3km付近ではトップに躍り出る。しかし、8位からスタートした明治大・鎧坂の猛烈な追い上げにより4km過ぎにトップの座を奪われると、最後まで鎧坂に追いつくことができず5秒差の2位で襷リレー。後方の東洋大にもわずか4秒差にまで迫られる苦しい結果となったが、本調子でないながら区間6位のまずまずの走りでレースを終えた。

　エース区間とされる3区を務めたのは、期待のルーキー山本修平(スポ1)。山本は序盤に東洋大・設楽(悠)に追いつかれるも、粘りの走りを見せ東洋大に食らいつく。しばらく東洋大と抜きつ抜かれつの2位争いをした後、5km地点で先頭を行く明治大をとらえると、その後は東洋大と共にトップの座を賭けたデッドヒートを展開。終盤まで決着のつかない状態が続いたが、ラスト300m地点で差をつけた山本が激しいスパート合戦を制しトップで襷リレー。大学初駅伝ながら区間2位と好走を見せた。
　ルーキー山本が作った良い流れを受けて4区に登場したのは三田裕介(スポ4)。主将の八木(勇樹、スポ4)を欠いた今大会においてチームをまとめあげた。序盤は快調な走りで先頭をキープしていた三田だが、2km過ぎから徐々に2位東洋大・田中に差を縮められると、3km付近で遂に捕らえられる。しかし、その後は4年生としての意地の走りで東洋大に食らいつき、激しい首位争いを展開。ラスト500mでは東洋大に先行を許したものの、区間2位の好走によりトップ東洋大とはわずか3秒差の位置で終盤5区に襷を託した。

　しばらく続いた東洋大とのトップ争いに終止符を打ちたい早稲田は、5区に昨年の駅伝シーズンで好成績を収めた前田悠貴(スポ3)を起用。先頭とは僅差の位置で襷を受けた前田だが、東洋大・市川の快調な走りについていけず徐々に差を広げられる。アンカー6区を前に少しでも先頭との差を縮めることが期待されたが、後半もなかなか調子が上がらず苦しいレースとなった。中継所では先頭東洋大に25秒差をつけられたが、区間3位の走りで2位の座はキープしアンカーへ襷をつないだ。
　最長距離の最終6区には、3年連続で平賀翔太(基理3)が登場。出雲駅伝では過去に最終6区での逆転劇が何度も起きており、駅伝での実績十分の平賀にも逆転優勝への望みがかけられた。しかし、2km地点ではトップ東洋大との差を31秒差にまで広げられると、その後もなかなか差を縮められず苦しい状況が続く。更に終盤9km地点では、後方から猛烈に追い上げてきた駒澤大・窪田にかわされ3位に後退。本調子の走りとはいかず区間6位、チームとしては2時間11分13秒の3位でフィニッシュした。

　主力選手の故障や不調で万全な状態とは言えない中でのレースとなり、3位という悔しい結果となった今大会。二年連続の大学駅伝三冠、そしてインカレ・駅伝の五冠という今季のチーム目標が絶たれてしまうこととなった。しかし、駅伝シーズンはまだ始まったばかり。今大会で悔しさを味わったからこそ、今後行われる全日本大学駅伝・箱根駅伝に向けた「優勝」への闘志が更に強まったはずである。今後の二戦では、チームの持てる全ての力を結集し「優勝」の座を掴み取ってくれることを期待したい。

2011年第23回出雲全日本大学選抜駅伝競走 個人記録

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早稲田大学競走部公式サイト