11月6日に行われる第43回全日本大学駅伝対校選手権大会の区間エントリーが発表された。
愛知県名古屋市の熱田神社西門前〜三重県伊勢市の伊勢神宮内宮宇治橋前、8区間106.8キロで行われる全日本大学駅伝。今年で5大会連続の本選出場となった早稲田大学。昨年の前回大会では、大会新記録を樹立し15年振りの伊勢路制覇を果たした。
レースの流れを作る重要な1区(14.6km)には、先月の出雲駅伝で好走を見せたルーキー山本修平(スポ1)が登場。1区は全区間中2番目の長さを誇り、今年も設楽(啓、東洋大)や早川(東海大)、撹上(駒澤大)など有力選手が集結。大学駅伝はこれが二戦目であり、未だ長い距離への適性が未知数なところもあるが、夏に十分距離練習を行いスタミナがついたという山本ならしっかり対応できるだろう。持ち味の積極的な走りでレースを作り、出雲では惜しくも逃した区間賞、または区間上位で襷を繋ぐことが期待される。
今年も鎧坂(明治大)や村山(駒澤大)ら各校のエース級が集う2区(13.2km)。早稲田もチームの大エース・大迫傑(スポ2)が二年連続でこの区間を任された。前回大会では9位でもらった襷を2位にまで押し上げる力走を見せた大迫。今年先頭付近で襷を受け取った場合は、後続を一気に引き離しトップ独走状態に持ち込みたいところである。仮に後方からのスタートとなった場合は、昨年と同様首位を追い上げる走りを期待したい。
3、4区はラストイヤーとなる四年生同士の襷リレーが見られることとなった。
スピード区間といわれる3区(9.5km)を走るのは矢澤曜(教4)。出雲駅伝に続き全区間中最短区間での起用というところをみると、まだ本調子とは言えない状態か。しかし四年間で着実に実績を積み上げ、経験・実力共に申し分ない矢澤。四年生としての意地と粘りの走りで最低でも区間上位でまとめてほしい。
前半戦最後の4区(14.0km)を任されたのは三田裕介(スポ4)。先日の10000m記録会では自己新記録を出すなど好調の三田ならば適任であろう。前回大会ではこの4区で首位に立ったことが優勝の一つの決め手となった。後半戦に向けチームの勢いを加速させるためにも、トップでの襷リレーを期待したい。
全長106.8kmという長丁場のこの大会では、レース後半で大きな順位変動はあまり見られず、前半から上位でレースを進め、流れに乗れるかが優勝への絶対条件となる。前半4区間に好調の選手や有力選手をつぎ込んだ早稲田のオーダーからは、昨年の前回大会と同様に先行逃げ切りを目指すチームの意図が見える。序盤から先頭集団で常に優位にレースを進め、出来れば少しでも貯金を作ってレース後半を迎えたいところである。
出雲に比べようやく足並みを揃えてきた早稲田は、つなぎの区間とも言われる5、6、7区にも力のある選手を配置。5区(11.6km)を任されたのは前田悠貴(スポ3)。出雲では復調途上だったから揮わない走りに終わった前田だが、駅伝ではチームに欠かすことのできない実力者である。持ち味の冷静な走りでレースの流れをうまく受け継ぎ、しっかりと次の区間に繋いでもらいたい。
6区(12.3km)では、市川宗一朗(スポ3)が満を持しての大学駅伝デビュー。今年の関東インカレではハーフマラソンで4位に入賞するなど、ロードと長い距離での強さに定評のある市川は、今シーズン5000m・10000m共に自己ベストをマークするなど急成長を遂げている。箱根に向けても必要な戦力だけに、堂々とした走りで大学駅伝デビューを飾ってほしい。
7区(11.9km)で市川から襷を受けるのは、2年連続で全日本出場となる佐々木寛文(スポ3)。故障の影響からか昨年の全日本以来久々の駅伝出場となる。しかしロードで抜群の適性を持ち、駅伝での実績十分の佐々木ならしっかり繋いでくれるだろう。市川(東洋大)など有力選手も登場するが、区間上位での襷リレーを期待したい。
最終8区(19.7km)は、2年連続で平賀翔太(基理3)が務める。全区間中最長区間であり、今年もベンジャミン(日大)、柏原(東洋大)、村澤(東海大)、窪田(駒澤大)など各校のエース級が軒並みエントリー。出雲では調子が上がりきらず不本意な走りとなった平賀だが、長い距離で抜群の安定感を誇る平賀なら他校のエース達とも十分対抗できるだろう。出雲での悔しさを晴らす快走で、優勝のゴールテープを切ってほしい。
先月の出雲駅伝では惜しくも優勝を逃してしまった早稲田。出雲では主力選手の不調や欠場により万全ではない状態にあったが、今回のエントリー状況を見ると、出雲から約1ヶ月の期間を経てようやく本来の良い状態へ近づけていると言えるのではないだろうか。しかし、出雲優勝の東洋大学や、成長著しい駒澤大学は依然として大きな脅威となってくるだろう。一人ひとりがしっかりと自分の役割を果たし、堅実に襷をつなぐことで、2年連続の伊勢路制覇、そして今年初となる駅伝タイトルを掴んでほしい。
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