――ここからは学連についてお聞きします。まず、年間を通して皆さんがどのようなお仕事をされているのか教えてください。
稲毛： 私は日本学連という、関東学連とかみたく各地区に地区学連があるんですよ。北海道から九州まで。それをまとめている組織の方にいて、全国18000人の競技者の登録と保険を主に担当してるんですけど、それ以外にも色々やってますね。メンバーが4人と少ないんで。大会前はなんでもやるし、大会前じゃなくてもなんでもやるしみたいな感じで(笑)
ウィルウィン： 大変ですね…
稲毛： そうですね、本当に自分で一人何十役もこなさなきゃいけないんで、そういった意味では経験値はかなり上がりますね。事務系もやるし、企業対応・スポンサー対応も結構やるんで、幅広いなとは思います。

ウィルウィン：五十川さんと大�ｱさんは関東学連？

	大�ｱ淳プロフィール 　　　　　　スポーツ科学部1年 　　　　　　福岡・西南学院高校出身

――学業との両立は大変ではないですか？特に稲毛さんは国際教養学部、五十川さんは政治経済学部ですが。
稲毛： そうですね。正直夜の時間が潰れるので、本当だったらレポートとかやりたい時間にできない分、日中の時間を上手く使ってやりくりしたりとか。そこはなんとか両立はさせてます。なんとかやってこれたって感じですね、休みの日とか使って。
五十川：1限を取らないとか。
稲毛： それはある！
五十川：あとはできるだけ授業を下の方に詰めるというか…。寝ない工夫(笑)

――大�ｱさんは大学生活1年目ですが勉強面で大変なことは
大�ｱ：自分はそういうちゃんと勉強しなきゃいけ…あ、こういうこと言っちゃいけないかもしれないですけど
一同： （笑）
大�ｱ：勉強は必要なんですけど、どっちかっていうと出席が重視されるんで、1限はあんまり入れないとかであったり、あと、前期は月曜日入れてたんですけど、やっぱり土日で大会が続くんで、後期は月曜を入れないって決めて、大会の次の日は休みたいなって思ったり。そういうふうに学連のリズムに合わせればなんとかやっていけるかなっていうのがありますね。

――学連に入ってから印象深かった出来事は
稲毛： うーん…どれだろうなあ…。いくつかあるんですけど、今年の日本インカレですかね。熊本開催だったんですけど、本当直前までどうなるかわかんないっていうか。初めてやる場所だったんで結構イメージできないことが多くて、本当になんとかやりきったって感じです。無事に終わって良かったなと思うし、思っていたよりも良い大会になったかな、と。
大�ｱ：自分は4月に入ったんですけど、まだそんなに時期も経ってない中で関東新人っていう大会があって、その大会で一番最初に表彰っていう仕事をしたんですけど、初めて自分で色々考えて色んな事をやらなきゃいけないっていう仕事を持って、偉い先生たちの対応とかもしなくちゃいけなかったですし、選手にメダルや賞状を準備するっていうのもあって。その時に早稲田の選手が表彰台に乗って、「おめでとうございます」って言うとやっぱりやってて良かったなっていうか。他の選手もそうなんですけど、自分の大学の選手がいると特に嬉しいなって思いました。
五十川：私はどれだろう…。秋季オープンっていうのをやって、その大会は対校戦でもないし、他の大会と比べてこじんまりした感じなんです。今年は陸協の先生を入れないで学生だけでやったんですけど、それがまた…なんかいい感じでした(笑)。いやー楽しかったです。あの大会は。

	周囲を明るくし、後輩からも慕われる稲毛さん(写真右)。「どうしてもマネージャーになりたくて当時のマネージャーさんを探し出た」人一倍の熱意に脱帽です。

稲毛： あ、あともう一個いいですか？(笑)今年のユニバーシアードで派遣担当をしたんですけど、本当に全部楽しかった。国際大会で学生のオリンピックって言われるような大会だったので、規模も大きくて、仕事を一緒にする相手もJOC(日本オリンピック委員会)っていう所だったり、トップレベルの選手とかコーチとコミュニケーションを取りながら仕事をできて、自信にもなり貴重な経験です。
ウィルウィン：ユニバーシアードでは大迫選手(傑=スポ2)が優勝しましたね。
稲毛： はい。見てました(笑)。現地行ってたんで、ずっと応援してて。最後に大迫がばーってあげて優勝したんですよね。興奮と感動です！
大�ｱ：いいなあ〜
稲毛： いいでしょ〜(笑)。ユニバーはね、楽しい。

――逆に辛かったことは
稲毛： 辛かったこと…あれかな。大会前の徹夜は結構辛いですね。昨年の日本インカレ前とかは2徹くらいして…。大会一週間前とかになると本当に徹夜作業で。でも終わりが見えないし、「あれもやってない、これもやってない」みたいな。相当しんどかったですね。大会中も2時とかまで事務所で仕事してっていう繰り返しだったんで本当に早く終わってほしかった(笑)

大�ｱ：実際辛かった出来事って言ったら…変な話、今…。
五十川：今？(笑)
大�ｱ：学連選抜のマネージャーって学連の立場でもありますし、出場する1チームのマネージャーでもあるっていう二つの立場を持っていて、そこらへんの調整が難しいというか。また、いまだに分からないことだらけで両方に迷惑をかけてしまうのでそこが辛いです。

五十川： 私はあんまり友達と遊べないとかかな？
稲毛： ああ〜それはあるかもね。
五十川：基本的に平日の夜は学連に行って仕事をするので、まず飲み会とかも行けないし、友達と疎遠になっちゃうんですよね。誘ってくれても「ごめんね〜」って言わなきゃいけないし。しかも年末にかけてまた忙しくなってくるので。
大�ｱ：それありますね。

ウィルウィン：その分学連で一緒に仕事をする人たちとは深い関係が築けそうですね。
五十川：そうですね、毎日顔合わせるもんね(笑)
稲毛： 家族みたいな感じだよね。

――やめたいと思ったことは
稲毛： やめたいはないですね。うん。
大�ｱ：うーん…
稲毛： ある！？
大�ｱ：やめたいっていうか、辛いって思って。でもやめるっていう選択肢が自分の中で出せないんですよ。環境的にも。
五十川：それはある。
大�ｱ：仮にやめるってことを応援してくれている周りの方に報告する場合に、その勇気がないっていうのがまずあるんですけど(笑)、でも実際自分が今仕事を投げ出したとしたら、他の人がまたその仕事をやらなきゃならなくなって、人に迷惑をかけるっていうのが一番いけないって学連に入ってすごく分かったので、やめたいっていうのは思わなくはないんですけど、でもしっかり耐えなきゃいけないっていうのが。「耐えるのが仕事」っていう風にOBの方に言われて、それを思ってはいますね。
五十川：それこそが自覚かなと思ったりしますし、そこで耐えられなきゃ社会人できなさそうとか思って。

ウィルウィン：精神的にはすごく強くなりそうですね。
稲毛： なりますね。やめたいじゃないんですけど、たとえば無料大会って自分たちでスタンドのゴミ拾いしなきゃいけないんですよ。

――そういった日々の努力が報われたと感じる時は
稲毛： 選手たちが活躍してくれることは嬉しいですね〜。あとは、先生方とか選手から「ありがとう」とか「認めてくれてるよ」みたいなことを聞くと「ああ自分のやってきた事もなんとか形にはなっているんだな」っていうことを思います。

五十川：友達とかでも見てくれてる人がいるっていうか。「今度テレビで見るね」って言ってくれたりとか、応援してくれている人がいるっていうのがすごく励ましにもなりますね。
あと、最近はあんまりグラウンドに行ってないんですけど、親しくしている選手が大会とかで優勝したりするとそれは選手の結果なんですけど、自分もなんかそれで報われたような気がします。

大�ｱ：自分はスポ科っていう環境上、選手と接することが多くて、色々話している時に、さっき言っていたような「ありがとう」だったり「お疲れさま」だったりっていうのが本当に嬉しいというか。選手のためにっていう上からではないんですけど、でもなんて言ったらいいんですかね…。自分は部員日記を結構毎日見てて、関東インカレの時にキャプテンの久保田さん(裕是=スポ4)が「学連の方もすごく頑張ってる」っていうことを書いてくださっていて、それを見たときにもう…もうなんか…まだまだできないことばっかなのに、本当に感動しっちゃって、そういう周りからの応援とか感謝をしてくれることで、「頑張って良かったな」って思います。
五十川：それ私も感動した！

関連URL
早稲田大学競走部公式サイト

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