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[競走部] 「2011年度競走部駅伝特集〜挑戦〜」

【主務・副務対談】 主務:福島翔太×副務:卯木研也 Part2




――では昨シーズンの振り返りを。駅伝では三冠を達成したわけですが、箱根駅伝が終わるまでサポートの立場として心がけていたことは?
福島:昨シーズンの場合は勝って勝って…ってきてたんで。箱根に。去年気を付けてた事って正直なんだろう…って感じですよ。本当に全部上手く行ってたんで。まあ風邪ひかないようにこう換気したりとか(笑)
卯木:らしくないこと言いますね(笑)
福島:そうですよ。換気したりとか。メディアとの接触で気を付けてたことあったかなって思ったんですけど、具体的にはなかったんで。

 

上司の福島さんから絶対的な信頼を置かれている卯木副務。後輩マネージャーに対しては、「とても期待している」そう。

卯木:僕は去年は「迷惑かけないでおこう」みたいな。そんくらいの気持ちでしたね。チームが2つ勝って箱根に向けてっていう段階で、上手く回ってる歯車をちょっとでも上手く回らなくする要因にだけはなりたくないなって。順当に行けば勝てるチームだって思ってたんで、少しでも気に障るような事はしない。
福島:現実的。
卯木:発言、声掛けにも細心の注意を。ちょっとでも「うん?」って思わせるような事はしないようにしよう、あとは福島さんがいるから何とかやってくれんだろう、と。

福島:僕は逆なんですよ。「どうやったらこの人もっと良くなるかな」みたいな。歯車が良く回ってても「もっといじってやろう」みたいな。もっと良くなる、もっと良くなるみたいに思う派なので。さっき声掛けの話があってふと思ったんですけど、寛文とか志方(文典=スポ2)とかが怪我で苦労してチームでちょっと迷惑かけて。本人たちは駅伝で2つ活躍して来てたので、それでも彼らにもできる事はあるはずだって思って声を掛けてました。結局あんまり力になれなかったんですけど。
あとは4年生がすごい苦労してたっていうか。あの頃は3年生がほんとに元気で、4年生に突っつきまくってたので(笑)。でも4年生は4年生なりに考えてることがあって、僕たちに伝えたい事が絶対あるはず。単純に突っついてる人ももちろんいましたけど、僕は何かを汲み取って突っつかなきゃだめだと思っていたので、できるだけ話してその人が何を伝えたいのか、一つ一つの言葉の距離感とか角度とか色んなものを考えて、「そういう思いを持って今の言葉を発してくれたんだな」っていうふうに考えて、理解して、色んな人に発信するようにしてました。監督、コーチ含め。
卯木:(福島さんが)そういうふうにされてたんで、自分はそれを更にいじくるつもりはなかった(笑)
福島: あはは
卯木:「こいつまでいじってやろう」みたいな事は思わなかったんで(笑)。でもチームが本当に上手く回ってたんで。寛文と志方は怪我しましたけど、それでもみんな全然諦めてなかったですし、いい雰囲気だったんで、これ以上良くは僕にはできないな、と。(福島さんが)最高の形にいじってくれたんで、僕は「もう行ってくれ」みたいな感じで。

福島: まあその一方で、今シーズン、全日本まで終わりまして。
卯木:今シーズン…
福島: 逆にね、副務になって、当事者意識を持って動かす立場になった上で、関カレ全カレ勝って。で、出雲全日本負けてっていうチームの流れを見た時にどういうふうに自分は行動できて、どういう思いを持ってやってきたのかなっていうのをお聞かせください。
卯木:正直な話をします、今から。
福島: (笑)
卯木:ほんと言うと、4年生がめちゃめちゃ個性強いんですよ(笑)。選手も含め、部員が。すごい個性強くてキャラも強くて団結も強いんですよ。ミーティングとかもいっぱいしてそれぞれがすごい考えてやってるんで、僕の主観的な意見なんですけど(ちらっ)
福島: いや、全然大丈夫。
卯木:あとで怒って下さい。
福島: 全然大丈夫。
卯木:なんで、多分自分たちのやってる事に対してすごい自信があったんですよ。で、関カレも勝った、全カレも勝った。ますます自信ついたんだろうなっていうのがあったし、結果も残せてきている部分もあったんで、今4年生が最上級生としてどういった行動を取ってるのかなっていうのを僕自身勉強する時期だなと思いました。 今回も自分がどうこうしてやろうってちょっと出すと「4年生!4年生!」みたいな感じだったんで(笑)、でも結果は出せてたんで、そこは学んで。4年生主体で動いてたんで、ここはいい部分を学ぶ時期だなと思ってやってきました。

 

卯木:一方、その当事者である4年生はどういった気持ちで戦ってきたんですか?ここまで。
福島: 正直、関カレ全カレは勝つと思っていなくて。もちろん勝つって目標は持ってやってきたし、けど正直ラッキーなところが沢山あって。そこで長距離の話になるんですけど、「結局俺ら勝てんじゃん」みたいな。あぐらかきまくってたんですよ。それはあの…4年生が中心にあぐらをかいてまして(笑)。正直それは分かってたんですけど、でも伝わんなかったです、僕の力不足で。出雲負けて全日本負けて、ようやくみんな目が覚めきったというか、危機感をもったというか。その中で4年生にも色んな人がいて。未だに行動で示せてない人もいますし、強い思いを持って行動で出してるんだけど、後輩には伝わってないっていう人もいますし。4年生でミーティングして、そこで言語化してやっていきたい事を共有して。で、強い自信を持って発信してやってるんですけども、正直言ってしまえば、うーん…。僕の力不足だとは思うんですけど、正直まだ4年生が引っ張りきれてない、4年生が足引っ張ってるとこがあってチームが上手く行ってない…。今シーズン振り返るっていうか現状の話になっていますけど。4年生がチームに迷惑をかけていると思っていて。でもそこを伝えようと頑張ってる人と頑張らない人とが今いるわけで。その差が正直今悲しいというか、この時期になってそういう事する人がいる一方で、そこにエネルギーを使おうって思わない人もいるわけで。なんの話になってきたんですかね…(笑)。
まあ今シーズンの事をちょっとだけちらつかせておくと、ラッキーだった。正直、関カレ全カレはラッキーです。
ウィルウィン: ラッキーというのは
福島:現実的な話をすると、色んな大学に得点が分散するとか、エースがどの大学にもどの種目にもいなかったので、なんとなく獲ったウチが勝った感じだったんですよ。勝てると思わないですよ、ぶっちゃけ。
ウィルウィン: どちらも何十年ぶりの優勝でしたね。
福島:そうなんですよ。でもやってる時は勝つなと思いながらやってたんです、不思議な感じで。「負けないよ」みたいな。それが変な自信になって、出雲全日本で気付いて、っていうのが大まかな今シーズンの振り返りでございます。

――理想の4年生像は?
福島:きましたね〜(笑)。僕の場合はまた竹澤さんの代なんですけど。まあ一年生だったからすごい偉大に見えるっていうのは絶対あるとは思うんですけど、けどなんですかね。Bチームで戦った選手が箱根前になって強い思いを持って、箱根のメンバー争いに入る。もはやメンバーに入った選手もいましたし。4年生で。一緒にBチームの二軍で夏合宿してた人が箱根のメンバー入ってるとか。本当に強い。気持ちで持ってった人が多いんですよ。行動で示すであったり、言葉でもすごい的確に話してくれたんですね。アドバイス然り、チームのこと然り。そういうふうに周りの4年生がしっかりしてたから、竹澤さんっていうエースも走りやすい環境にあったと思いますし、あのメンバーで全日本も箱根も戦って、まあ2番でしたけど戦える布陣になったんだなって思うので、あの4年生みたいになりたいなっていうのもあるんですけど…、でも多分僕たちの代は個性が強すぎて無理なんで、僕たちなりにやっていこうっていうのはあるんですけどね。

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(TEXT=矢野真由実、PHOTO=磯綾乃)
 


 
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